贈与を受けた場合、贈与税の申告・納付のことを考えなければいけません。

そこで、この記事では、贈与税の申告に関する基礎知識をまとめました。

 

贈与税の申告が必要な人は?

 

1年間に受けた贈与の金額が110万円を超えている人

ある年の1月1日から12月31日までに、受け取った贈与が合計で110万円の基礎控除額を超えている場合には、贈与税の申告が必要です。

例えば、ある人が、

  • ある年の1月にAから50万円
  • 3月にBから30万円
  • 8月にまたAから50万円

というふうに贈与を受けた場合、受けた贈与の合計額は、130万円になります。
この場合、基礎控除額110万円を超えた20万円に対して贈与税がかかりますから、申告が必要です。

 

各種特例の適用をうける人

贈与税には、下記のように、いろいろと特例があります。

110万円を超える贈与を受けたけれど、これらの特例の適用を受ける結果、贈与税が非課税になる場合には、この特例の適用を受けますということを税務署に知らせなければなりません。

そのため、払うべき贈与税の額が0円であっても、申告は必要となります。

  • 夫婦間の不動産に関する贈与(配偶者控除)
  • 住宅取得等資金の贈与
  • 非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度
  • 相続時精算課税制度

 

贈与を受けた人の相続人

贈与を受けた人が、贈与税の申告の前に亡くなった場合には、相続人は、相続が開始したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、贈与税の申告をしなければなりません。

この場合には、申告は、亡くなった人の住所を管轄する税務署で行います。

 

日本国内の住所の有無と贈与税

贈与税が課税されるのは、下記の場合です。

  • 贈与を受けた人が日本国内に住所を有する場合
  • 贈与を受けた人が日本国内に住所を有していなくても、その人が日本国籍を有していて、贈与を受けた人もしくは贈与をした人が、贈与前5年以内に日本国内に住所を有していた場合、
  • 贈与を受けた人が日本国籍を有さず、日本に住所がなくても、贈与をする人が贈与をしたときに日本国内に住所を有していた場合
  • 日本国内に住所を有しなくても、日本国内にある財産の贈与を受けた人

 

贈与税の申告の準備をしよう

 

贈与税の申告書はホームページからダウンロード

贈与税の申告書は、国税庁のホームページに書式がありますので、ダウンロードして使用することができます。

 

添付書類を準備する

贈与税の申告書には、下記のような書類を添付する必要がありますので、早めに準備をしておきましょう。

  • 贈与契約書の写し
  • 贈与財産の評価額の計算の根拠資料
  • 贈与する側の印鑑証明書

 

贈与税の申告の方法は?

 

どこで申告するの?

贈与税の申告は、贈与を受けた人の住所を管轄する税務署に、贈与税の申告書類を提出することによって行います。

 

書類の作成

贈与税の申告や計算は、相続税ほど難しいものではありませんので、税務署で相談しながら作成することもできます。

  • 財産の評価の計算が難しい場合
  • 特例を利用する場合などで分かりにくい場合

などであれば、税理士に相談した方がよいでしょう。

 

贈与税の納付の方法は?

 

現金払いが原則

贈与税の納付は、金銭で一括払いが原則です。

 

贈与税の延納制度

贈与税の延納とは、何年かに分けて贈与税を払うことです。

延納の要件

延納の要件は、下記のとおりです。

  • 贈与税額が10万円を超えること
  • 納付期限までに現金で支払うのが困難であること
  • 担保を提供すること(延納する額が50万円以下、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保は不要とされています)

なお、担保にできる財産は次のようなものがあります。

  • 国債 地方債
  • 社債その他の有価証券で、税務署長が確実と認めるもの
  • 土地
  • 建物、立木、登記された船舶などで、保険に付したもの
  • 鉄道財団、工場財団などの財団
  • 税務署長が確実と認める保証人の保証

延納の手続き

贈与税の延納を希望する場合には、贈与税の申告期間内に、延納申請書と担保提供関係書類を提出して、税務署長の許可を受ける必要があります。

延納の期間と利子税

延納の期間は、最高で5年間です。

延納している間は、利子税がかかります。

贈与税の利子税は、6.6%です。

最近は、銀行等の貸出金利が低いので、場合によっては、納税資金を借り入れして支払うことを検討した方がよい場合もあるかもしれません。

 

物納は?

贈与税では相続税のような物納は認められていません。

 

贈与税の申告期限と納付期限

 

翌年の3月15日まで

ある年の1月1日から12月31日までに受けた贈与について、翌年の2月1日から3月15日までの間に申告します。

贈与税の納付期限は、3月15日です。

 

贈与税の申告期限を過ぎてしまったら?

正当な理由なく申告期限までに申告しなかった場合には、無申告加算税が課せられます。

申告期限に遅れたものの、自主的に相続税を納付した場合の無申告加算税の税率は、5%です。

一方、申告期限に遅れ、税務調査によって、期限後申告を行った場合、無申告加算税の税率は15%になります。

さらに50万円を超える部分については20%の加算になります。

 

贈与税の納付が遅れたら?

納付期限までに納付しなかった場合には、延滞税が課されます。

延滞税は、

  • 期限後2か月以内であれば原則として税率7.3%
  • その後は、原則として14.6%

にもなります。

 

その他の罰則

 

過少申告加算税

期限内に申告はしたものの、自分で間違いに気づき、自主的に修正申告をした場合には、過少申告加算税は、0%です。

一方、申告した贈与税の税額が過少であることを税務署に指摘されて修正申告した場合には、過少申告加算税は、10%~15%になります。

 

重加算税

贈与税の申告書を提出したものの、財産を隠蔽していたり、仮装していたりしたことが発覚したときには、35%の重加算税が課税されます。

申告書を提出していなかったときで、財産を隠蔽していたり、仮装していたりしたことが発覚したときには、40%の重加算税が課税されます。

 

脱税の刑事罰

相続税法68条では、相続税・贈与税を偽りその他不正の方法により免れた場合には、

  • 10年以下の懲役
  • 若しくは1,000万円以下の罰金

に処し、または併科できるとされています。

 

まとめ

贈与を受ける場合には、必ず贈与税のことを考えておきましょう。

贈与税の申告自体は難しいものではありませんが、そもそも、贈与の特例などを利用して生前贈与を行いたいというような場合には、

その特例を利用できるか、利用することが自分にとって特になるかどうかということを贈与契約の前に、あらかじめ税理士と相談しておくことが大切です。