「相続」という言葉から、皆さんはどんなことを想像しますか?

相続は法律問題の中でもドラマの頻出題材です。

大きなお屋敷に住む兄弟姉妹が父親の巨額の遺産を巡って争いを繰り広げるといったシナリオはミステリーの定番ですね。

しかし相続は何もこうした争いごとだけではありません。

  • 相続税
  • 不動産の処分

といったたくさんの問題の引き金になることもあるのです。

だからこそ相続対策はきちんとしておきたいと、近年ではたくさんの相続対策法が知られるようになりました。

法律家の中にも相続対策を得意としている

  • 弁護士
  • 司法書士

がたくさんいます。

相続対策はお金持ちだけの問題ではなく、どんなお宅でも「家族で揉めないために」必要なことであるという認識が強くなっています。

今回は相続対策の中でも基本中の基本である「遺言」について学んでみましょう。

遺言書と一言でいっても、その種類はかなり豊富で、7種類もあることをご存じでしょうか。

7種類もある遺言の中から、日常で知っておきたい4つの遺言について簡単に学んでみましょう。

 

遺言書には種類がある!7種の遺言

遺言書には7つの種類があります。

よくドラマで「旦那様が残した遺言書です」なんて、家の使用人が箱から書類を取り出すシーンがありますよね。

皆さんの中の遺言書のイメージは、まさに

  • 物々しい書類
  • 厳重に封印された書類

というものではないでしょうか。

しかしそれは、ある意味では当たりで、ある意味では間違いです。

なぜなら、遺言書は一種類ではなく、物によっては紙とペンと判子があれば五分で作れてしまうものだからです。

五分で作ってしまった遺言書を家の使用人が厳重な箱から取り出す・・・ちょっと印象が変わりますよね。

まずは遺言書というものへの意識改革をはかるべく、遺言書の種類についてお話しします。

遺言書には、

  • ①自筆証書遺言
  • ②公正証書遺言
  • ③秘密証書遺言
  • ④死亡緊急時遺言
  • ⑤隔離病棟遺言
  • ⑥在船者遺言
  • ⑦遭難時遺言

という7つの遺言があります。

名前を見ただけでどんな遺言か想像がつきますか?

  • 一般的に使われる遺言は①から③
  • ④は日常の中の緊急事態

に使う遺言です。

⑤から⑦は極めて特殊な状況下で使われる遺言になります。

「遺言」という言葉には、簡単に挙げるだけでこれだけに意味と種類があるということですね。

ドラマによく登場する遺言はどれだと思いますか?

ミステリードラマを見る時にも遺言の知識を覚えておくと、「これはもしや○○遺言!」と推測しながら見ることができて、より一層楽しめることでしょう。

今回は、7種類の遺言の中でも特によく使われる①から③の遺言と、補足的に④の遺言について順番にお話しします。

参照:
http://123s.zei.ac/

 

遺言書1:基本中の基本!自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、言葉通り「自分で書いた遺言書」のことです。

法律上要件が決まっており、その要件を踏まえて自分で書き記した遺言がこのタイプになります。

最もスタンダードな遺言であるといえるでしょう。

要件とは、

  • 自筆
  • 記名
  • 押印
  • 年月日の記載

です。

この4つの要件がそろってはじめて自筆証書遺言としての効力を持ちます。

今回は全ての遺言を知ってもらうことが目的なのであまり深く要件を説明しませんが、自筆証書遺言という名前を耳にしたら、

  • 自分で書く遺言なのだな
  • 一番スタンダードで、簡単に作ることができる遺言のことなのだな

と思ってください。

参照:
http://123s.zei.ac/

 

遺言書2:失敗が少ない?公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、公証役場に関与ししてもらい作成する遺言書のことです。

公証人は法的な書面作成のプロですので、

  • 自筆証書遺言よりもミスがない
  • 自分の意思に添った遺言書を作成できる

というメリットがあります。

公正証書遺言を作成するためには、公証人と打ち合わせをし、文面を決めるために何度かやり取りをして、最終的に決定稿を決めます。

その遺言書を公証人と証人に見届けてもらう形で行います。

公証役場で遺言書を作るためには相応の手数料が必要になるのですが、

公証人というプロが関与するため、自筆証書遺言のように、

「遺言書を作ったけれど法的な要件を満たしていない」ということが限りなくゼロに近い、まさに失敗の少ない遺言書なのです。

参照:
http://minami-s.jp/

 

遺言書3:文面は内緒?秘密証書遺言とは?

公正証書遺言と同じく公証役場に関与してもらうことによって作成します。

「それって公正証書遺言と同じでは?」と思うかもしれません。

しかし、公正証書遺言と秘密証書遺言にはとても大きな違いがあるのです。

それは、「内容が秘密かどうか」です。

公正証書遺言の場合は、遺言内容は秘密ではありませんので証人に知られてしまいます。

しかし秘密証書遺言は遺言書を封印するところに証人が立ち会うだけですので、遺言書の中身を知られるというリスクがありません。

遺言の中身を一切秘密にしておきたいという場合に使う遺言がこの秘密証書遺言なのです。

もちろん家族だって遺言書の中身を知りませんから

  • お父上の遺言にこんな内容が・・・
  • そんな!お父様は遺言書があるなんて一言も!

というドラマのシーンがあれば、秘密証書遺言である可能性が推測できるわけです。

参照:
http://minami-s.jp/

 

遺言書4:日常的には使わない?死亡緊急時遺言

最後にご紹介するのは<死亡緊急時遺言です。

前述した3種類とは異なり、使用頻度は少ない遺言です。

名前からして緊急事態に使う遺言だということはすぐにわかりますね。

ただ、その「緊急」という言葉が具体的にどんな場面を指すのかは、遺言の名前からでは推測できないのではないでしょうか。

  • 車にひかれてしまったり
  • 突如として災害で交通が遮断されてしまったり

と、緊急という言葉一つで色々な場面が想像できてしまいます。

この死亡緊急時遺言は、そんな数々の「緊急時」の中でも、死に瀕している時に急いで使う遺言なのです。

例えばこんな場面を想像してみてください。

Aさんが重篤な状態で病院に運ばれ、まさに命の危機に貧していました。

遺言書を書こうとしても、もう鉛筆すら握ることができない状態です。

ですが、自分の預金や不動産をどうしても望み通りに分与したいと考えており、

せめて命が尽きる前に自分の希望を言い残したいと考えていました。

そう、死亡緊急時遺言とは、まさにこんな時に使う遺言なのです。

死に瀕しているわけですから、自分で鉛筆を握ることができないことだって多いですよね。

前述したように、遺言書には

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言

があります。

自分でてきぱき書くことができるなら、自筆証書遺言くらいなら書けそうです。

しかし危機だからこそ書けない、そんな時に使うのがこの死亡緊急時遺言なのです。

病院のベッドで今まさに(命の)危機に瀕しているおじいちゃん。

そんなおじいちゃんに何とか財産分割の希望を話してもらい、口述した内容を証人が書き記すという方法で遺言します。

この証人には法的な資格は必要ありませんので、

皆さんが病院を訪れた時にいきなり「すみません証人になってください!」と言われる可能性もあるということです。

参照:
http://minami-s.jp/

 

最後に

遺言という言葉にはいくつもの意味があります。

簡単に分類するだけで7種類の遺言があるわけですから、「遺言」という一言の意味は非常に広いということが言えるのではないでしょうか。

今回は特に日常の中でよく使う遺言についてお話ししました。

相続対策という言葉が有名になり、遺言は決してお金持ちだけのものではなくなりました。

ドラマの中で遺言が出てくるシーンを目にしたら、その遺言がどんな種類のものか考えてみてくださいね。

きっと、遺言というものがわりと身近なものであることを感じていただけるはずです。