相続が発生すると、単純に遺産を受け取って終了とはいきません。

そもそも遺産を受け取るまでいくつか手続きをこなさなければいけないこともありますし、

受け取ってから名義変更などの手続きをしなければいけないこともあるのです。

亡くなった人(被相続人)が

  • 加入していたサービスの解約や変更
  • 加えて保険金の請求

などの手続きもあり、本当に遺産を受け取って終了!

ではなく、遺産が増えれば増えるほど、比例してしなければいけない手続きが増えてゆくことになります。

今回は遺産の代表格である預金についてどんな手続きが必要かを解説します。

実は預金は遺産の中でもとっても手続きが面倒な存在なのです。

 

 

遺産のおさらいをしよう!借金も対象になる

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まず、遺産とはどんなものかを簡単におさらいしましょう。

遺産とは、被相続人の財産だったものです。

その中身は

  • 土地や家といった不動産
  • 株や投資信託
  • 債券といった有価証券
  • お金を返してもらう権利(債権)
  • そして預金(お金)

です。

さらに加えて、

  • お金を返さなければいけない義務(借金)
  • 自治体や国に未払いだった税金
  • 未払いの医療費

なども相続の対象になります。

不動産や有価証券がまさに「遺産」であるなら、借金や未払いの税金は「負の遺産」と言えるかもしれないですね。

  • プラスの遺産
  • マイナスの遺産

どちらも相続の対象になります。

プラスの遺産が多いと相続人は嬉しいのですが、マイナスの遺産が多いと、相続によっていきなり多重債務者になりかねません。

だからこそ、日本の法律では、被相続人の死の瞬間に相続が発生することにはなりますが、後になって、

  • 相続放棄
  • 限定承認
  • 遺産分割協議

によって遺産の取り分を変えたり、相続権そのものを放棄したりすることができるようになっています。

遺産は亡くなった人のプラスとマイナスどちらも含む。

都合よく不動産や有価証券だけが相続対象ではなく、

被相続人が持っていたものの中で相続対象にならないと定められたもの以外が丸ごと受け継がれると覚えておくのがいいですね。

控除を上回るプラスになった相続税が課税されることになります。

土地や預金は個別に課税されるわけではなく、遺産額の合計をひっくるめて計算し、その上で課税されることになります。

預金単独で課税ということではありません。

参照:
http://www.tokyo-intl.com/

http://www.tokyozeirishikai.or.jp/

 

貯金は財産の代表格!死亡後の手続きは?

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遺産はプラスもマイナスも含むとして、やはり皆さんの中には「遺産といえば預金」という印象があるのではないでしょうか。

確かに金融機関では誰かが亡くなると、頻繁に相続の手続きが行われています。

とは言っても、その手続きは相続人が銀行に足を運べば銀行の方で都合よく、

「相続人様ですね。これがあなたの取り分です」

とわけてくれるわけではありません。

また、金融機関に勤めた経験があるとよく「銀行は口座名義人が亡くなっているかわからないの?」と尋ねられます。

銀行や信用金庫は公的な機関ではありませんので、

遺族または相続人が「この人は何月何日に亡くなりました」と申し出てくれないとわかりません。

ですから金融機関側から「相続手続きをお願いします」と声をかけることはありません。

あくまで遺族または相続人が金融機関側に申し出ることになります。

 

被相続人の口座は金融機関に放置されがち?裏話

余談ですが、多くの方は銀行できちんと相続の手続きをしてくださるのですが、中には口座があると知らず放置されている口座もたくさん存在しています。

また、口座の残金が数百円程度だと、かえって手続きに必要な書類の取得の方が高くついてしまうために、知っていても相続の手続きをせずに放置されていることがあります。

金融機関側では「おそらく生年月日からしてこの方は亡くなっているのだろうな」と想像できても、あえて相続手続きを強制することはありません。

なお、被相続人の口座を放置しておくことに対して特に罰則はありません。

ただし、口座名義人が亡くなっていてお金を勝手に下ろしてしまうと、

相続放棄などの手続きで「相続放棄は許さない」などの判断が下される可能性があるなどのデメリットがあります。

相続が発生していて銀行側がそれを知っていれば正当な手続きを踏まないとお金を引き出すこともできません。

とりあえず、口座の存在に知らず何もしていなくても、罰則があるわけではありませんのでご安心ください。

 

 

銀行手続の進め方!実はとてもシンプル

さて、ここからは相続が発生した際の手続きについて具体的に説明していきます。

実は、金融機関での相続手続きは書類面も含めてかなり面倒で、「口座の手続きをしてくれませんか」と司法書士や弁護士にお願いする人もいるのです。

その手続きの中身とは、

必要書類をそろえ窓口に提出すること

だけです。

とても簡単そうに見えますね。

確かに難しい内容ではないのですが、問題は銀行側に提出する書類なのです。

書類さえそろえることができれば、

  1. 窓口に提出
  2. 被相続人名義の口座を解約
  3. お金を払い戻してもらう

という流れになります。

そして、取り分に応じて分割するだけです。

参照:
https://www.mizuhobank.co.jp/

 

遺言なのか遺産分割協議なのかで変わる?口座払い戻し

金融機関での相続手続きに必要なのは、

  • 申込書
  • 戸籍謄本
  • 相続関係図
  • 遺産分割協議書
  • 遺言
  • 印鑑証明書

になります。

金融機関によって多少異なります。

また、

  • 遺言での遺産分割なのか
  • 遺産分割協議をしたのか

によっても必要書類が変わってきます。

必ずしも全てが必要というわけではなく、相続の形によって変わってきます。

できれば先に口座のある金融機関側に対し問い合わせをしておいた方がいいでしょう。

参照:
http://www.zenginkyo.or.jp/

 

預貯金の手続き書類はネットまたは店頭で

申込書はあくまで仮の名前です。

金融機関によって書式などが変わります。

「相続が発生したので手続きをお願いします」という手続きの申込書のことです。

ダウンロード可能な金融機関もあります。

もちろん窓口でももらうことができます。

参照:
http://www.jp-bank.japanpost.jp/

 

相続関係図を賢く使って戸籍謄本の費用を減らす

同じく相続関係図もそれぞれの金融機関で書式が多少異なります。

書類の中身としては、皆さんがよく想像する家系図のようなものだと思ってください。

戸籍だけではなかなか見難いため、家系図のように簡単に相続関係をまとめて書類にしたためます。

金融機関ごとにダウンロードできる場合が多いのですが、書式は特に決まっていないため、自分で作りやすいように作ってしまうこともできます。

自分で作る場合は金融機関側に「自作でもいいですね?」と確認しておきましょう。

また、

  • 司法書士
  • 弁護士

に作ってもらうこともできます。

データとして作っておいて口座のある金融機関すべてで使い回せば効率的です。

相続関係図を提出すると、多くの金融機関で戸籍謄本の返却を請求することが可能です。

戸籍謄本は、

  • 裁判所手続き
  • 相続登記
  • 金融機関の相続手続き

で必須ともいえる書類です。

手続きしなければいけない場所の数だけ取得するのではなく、相続関係図を提出して確認後に還付してもらえば書類取得代が安く済みます。

 

書類で遺産分割方法の証明が必要

  • 遺言書
  • 遺産分割協議書

は、あれば提出が必要です。

遺言や遺産分割協議は法律での分割に優先します。

また、遺言や遺産分割協議では法律での分割を被相続人または相続人の意思で変更することになります。

銀行側に

  • 「法律と違った取り分になっていますよ。」
  • 「証拠は遺産分割協議書(遺言書)を見てください。」

と証明しなければいけません。

法律通りの分割をするのであれば特に必要ありません。

遺言書がある場合や遺産分割協議をして遺産分割協議書を作成した場合は金融機関の窓口へ一緒に提出する必要があります。

 

書類の取得が大変!弁護士や司法書士に依頼することも

同じく戸籍謄本も提出が必要です。

戸籍謄本は登記や裁判所といった各種相続手続きでも必要になるのですが、

相続手続きにおいてネックになるくらい取得が面倒なものです。

なぜかというと、被相続人と相続人を確認できるものでなければいけないため、除籍だけでなく、

  • 被相続人が生まれてから
  • 亡くなるまでの

戸籍謄本が基本的に全て必要になるのです。

戸籍謄本を一続きにして確認すれば、

  • 隠れた相続人がいないか
  • 相続人は法律上本当に相続人にあたるのか

がわかるからです。

しかし被相続人の年代によってはとても古い戸籍謄本になります。

字を読むことすら大変であることや、転居を繰り返していて各地の自治体に請求をしなければならないことなど、戸籍謄本集めは本当に大変です。

もし隠し子がいる疑惑や転居が多かった方が亡くなったということであれば、司法書士や弁護士にお願いして取得してもらうといいですよ。

 

 

通帳などの手がかりがない!預金を探す方法はある?

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銀行の窓口で必要書類を提出すると、それだけで手続きは完了です。

後は被相続人の持っていた口座からお金が引き下ろされ、取り分に応じた分割がなされます。

ところで、中には被相続人の口座がどの金融機関にあるかわからない場合もあるはずです。

一つの銀行だけでなくいくつもの銀行に口座を作っている可能性がある、または一つの銀行にいくつもの口座を持っている可能性があるとして、調べる方法はあるのでしょうか。

これは……あります。

金融機関ごとに照会することができます。

相続手続き以前に口座のある金融機関がわからない、この金融機関にあるのかどうか判断がつかないという時は、しかるべき手続きを踏んで照会してもらいましょう。

参照:
http://www.fractal-law.net/

 

最後に課税について

預金は遺産の代表格です。

預金や不動産を含め、遺産の総額に対して相続税の課税が行われます。

しかし、相続税の課税はいいとして、亡くなった人の預金が下ろせないと税金の納付すらままならないことでしょう。

また、口座がどこにあるかわからないという事例も実際によくあることです。

自分で調べることもできますし、相続手続きで必須ともいえる戸籍謄本の取得と合わせて法律家に依頼することもできます。

  • 難しい。
  • 大変。
  • 時間がない。

こんな時は、なるべく弁護士や司法書士を頼ってみてください。

きっと、スムーズに必要な手続きを終わらせてくれることでしょう。