家族が亡くなって、「預金口座をどうやって手続きすれば良いのか分からない」とお困りですね。

結論から言うと、相続に関する口座の手続きは、銀行の窓口に行けば丁寧に教えてくれます。

でも、手続きの流れや必要な書類などをあらかじめ知っておいた方が安心ですよね。

そこで今回は、初めての人でも分かりやすい預金の相続の手続きについて解説。

手続きの一連の流れや必要な書類、確認したい注意事項などを丁寧に説明しています。

また、預金以外の相続手続きについても簡単に解説しているので、こちらも参考にしてくださいね。

預金の相続手続きの流れ

家族が亡くなってからは、まずはどの銀行に口座があるのかを徹底的に調べましょう。

口座が見つかれば、すぐに凍結手続きを行う必要があります。

口座の凍結後は、必要書類を持って銀行に手続きにいくことで凍結は解除され、再び預金を引き出せるようになります。

これらの預金の相続手続きについて、さらに詳しく見ていくと以下のようになります。

(1)どの銀行に定期預金や預貯金があるか調べる
(2)死亡の事実を銀行へ伝え、口座の凍結をしてもらう
(3)相続者を決める
(4)必要書類の集める
(5)銀行へ手続きしに行く
(6)代表相続人から遺産分割協議書通りに分割する

順番に確認していきましょう。

ステップ1.預貯金口座を調べる

まずは、どこの銀行に預金を預けているのかを把握するために相続財産を調べましょう。

せっかく家族が残してくれた財産が相続されないまま10年が経ってしまうと、休眠口座となり、引き出せなくなってしまうのです。

相続人が知らない口座にヘソクリを貯めたていたり、積み立てをしていたりすることもあります。

隠された口座にこそ大きな財産が眠っている可能性があるので、しっかり家じゅうを調べてみて下さい。

通帳やキャッシュカードを家の中で探すのはもちろん、他の手がかりも見てみましょう。

たとえば、銀行からのハガキや封筒、クレジットカードの請求先の口座を見てみると新たな銀行口座が見つかることが多いです。

また、タオルやカレンダーなど、銀行からもらった粗品がある場合もあります。

「○○銀行にしか言っているところを見たことないから」と言って、他の銀行へ預金を預けていないとは限りません。

ステップ2.口座の凍結をしてもらう

口座のある銀行が分かったら、銀行に連絡をして口座凍結をしてもらいましょう。

口座凍結をする理由は、他の親族が勝手に預金を引き出せないようにするためです。

名義人の死亡後から相続手続きが完了するまでの間は口座を凍結させて、一切の引き出しはでないようにします。

ステップ3.遺産分割協議を行う

遺産分割協議を行って、財産を引き継ぐ人を明らかにしましょう。

遺産分割協議とは、遺産を相続する人が集まって相続財産をどう分割するのかを話し合うことです。

この協議で決めるのは以下のことです。

・相続人の代表者
・誰が何の財産を相続するのか

この決定をもとにして、口座の凍結を解除するための手続きに必要な書類を揃えていきます。

※故人が残した遺言書が存在したり、相続人が1人の場合には遺産分割協議を行う必要はありません。

ステップ4.必要書類の取得

預金を相続する人が決まれば、代表相続人は必要な書類を取得します。

必要書類の名前と取得方法、取得にかかる費用を表にしましたので、ご確認ください。

書類の名前 取得場所 取得費用 備考
被相続人の除籍謄本または戸籍謄本 最後の本籍地だった市区町村役場 戸籍謄本は一通450円
除籍謄本は一通750円
印鑑と本人確認書類が必要。
代理人の場合には、委任状と代理人の身分証明書が必要。
法定相続人全員の戸籍謄本 本籍地の市区町村役場 一通450円  印鑑と本人確認書類が必要。
代理人の場合には、委任状と代理人の身分証明書が必要。
法定相続人全員の印鑑証明
(3ヶ月以内のもの)
本籍地の市区町村役場  一通数百円
(自治体によって異なる)
 印鑑登録証(印鑑登録カード)、住民基本台帳カード、もしくは「個人番号カードが必要。
代理人の場合でも委任状は不要。
遺言書や遺産分割協議書など
遺産分割の内容が分かるもの
手元  0円  遺言書の場合、検認した証明も必要。
相続に関する依頼書  銀行へ取りに行くか郵送  0円  銀行によって内容や形式は異なる。
被相続人の通帳・預金証書・キャッシュカードなど  自宅で探し出す  0円  見つからない場合、持参しなくても手続きは可能。
委任状 自分で作成する 0円  代表相続人や代理人が手続きをする場合のみ
手続きをする人の身分証明書  手元  0円  免許証・マイナンバーカードなど

その他、銀行によって必要な書類が変わったり、代表相続人の実印が必要な場合があります。

あらかじめ金融機関に問い合わせをした上で必要書類を揃えましょう。

ステップ5.銀行に手続きに行く

必要書類が揃ったら、代表相続人は銀行へ行き、相続手続きを行います。

具体的には、名義変更を行うか、払い戻し(代表相続人名義の口座へ振り込み)をするかのどちらかの方法で代表相続人が預金を引き継ぎます。

1つでも書類が欠けると手続きが出来ませんので、漏れがないか確認をするようにしましょう。

手続き完了後、約10日前後で名義変更もしくは払い戻しがされます。

注意点

銀行は平日の9時~15時までしか空いていないため、その時間帯の手続きが必要です。

どうしても平日に行けない場合には、司法書士などの代理人に任せることをオススメします。

なぜなら平日に動けない人は市役所での必要書類の取得できない可能性が高いからです。

必要書類の取得から実際の手続きまで、すべてお任せできる司法書士に代理手続きをしてもらいましょう。

ステップ6.代表相続人から遺産分割協議書通りに分割

代表相続人が預金を取得した後、遺産分割協議書または遺言などによって決定された内容通りに書く相続人に分割します。

以上で、預金の相続手続きは完了です。

「預金の相続手続きが終わった!」その後に確認すべき3つのこと

「口座の凍結を解除ができた!」と安心しきっていませんか?

預金の手続きは終わっても。相続の手続きはまだ終わっていません。

ここからは、預金手続きを追えてからもう一度、確認すべきことを解説していきます。

1つずつ見ていきましょう。

確認事項1.ほかの銀行口座がないのか、もう一度確認しよう

ほかの銀行口座がないのか、念のためもう一度確認しましょう。

相続の手続きが終わって数年経ってから、「家で探しものをしていたら見知らぬ通帳を発見した!」なんてケースもよくあります。

繰り返しになりますが、銀行にある預金は最後の取引から10年ので消滅してしまう時効があり、引き出せなくなってしまいます。

被相続人がせっかく残してくれた財産を知らないまま眠らせるのは、とてももったいないです。

また、「相続申告期限である被相続人の死亡から10ヶ月が経って税務調査で財産がみつかった」なんてことがあると、相続税の申告漏れとみなされてしまう可能性があります。

「知らなかった。。」では済まされず、申告漏れには多額のペナルティが発生するので注意して下さい。

もう一度、被相続人の郵便物や部屋の隅々まで手掛かりがないか探してみましょう。

確認事項2.死亡直前に引き出されたお金の使い道を調べよう

引き継いだ銀行口座の通帳を見て、死亡直前(1年~3年くらい)に引き出されているお金の使い道を把握するようにしておきましょう。

なぜなら、知らない間に他の相続人が勝手に使い込みをしているという可能性があるからです。

また、相続税申告後の税務調査で「相続財産を隠すために引き出したのでは?」と目をつけられやすいので、できるだけ明細を残しておくと使い道を証明できます。

さらには、株などの相続財産を見つける手掛かりになるかもしれません。

引き継いだ通帳の中身はしっかりと確認しておきましょう。

確認事項3.相続税の申告が必要なのか確認しよう

相続税の申告が必要なのかを確認しましょう。

預金だけではなく、家や土地、保険金も含めて3,000万円以上の財産を相続する場合には、相続の申告が必要になるかもしれません。

万が一申告しないままでいると、後から何百万もの相続税が発覚し、トラブルに繋がる可能性があります。

必ず全相続遺産を調べて相続税申告が必要なのかを確認しましょう。

相続税申告は専門家へ依頼しよう


「相続税申告が必要だ」「相続税申告の対象か分からない」という人は、税理士へ相談をしましょう。

税理士ができる仕事は大きく2つです。

1つ目は、相続財産額の算出です。

預金はその額がそのまま相続税評価額となりますが、不動産や株などが相続財産に含まれるときには評価額を算出する必要があります。

もちろん一般人でも不動産や株の評価額を算出することはできます。

しかし、不動産の評価額を算出するためには対象の不動産を管轄する法務局や市役所へ出向き、膨大な時間が必要です。

また、株の評価額算出にはさまざまな方法があり、どの算出方法が相続税を節税できるかなどの知識も求められます。

そもそも、相続財産の合計額が相続税申告をする必要があるかどうかを左右するため、不動産や株の相続財産すべての額を算出しなければならないのです。

少しでも知識に不安がある場合には、必ず税理士に頼ってください。

2つ目は、相続税申告の手続きです。

相続税申告では、正確に相続税の評価額と相続税を算出して申告する必要があります。

配偶者には特別に減税がされる配偶者控除制度など、相続税にはさまざまな控除制度があり、それらを適用させることで減税することが可能です。

これらの控除制度を適用させるためには幅広い知識がないとできません。

万が一、間違った控除をしてしまったり、計算ミスをした状態で申告してしまうと、申告虚偽とみなされることがあります。

また、申告後の税務調査の対象となった場合にも、申告時に税理士に頼っていれば税理士が立ち会ってくれるので安心です。

この記事を読んでいる方は、「相続をすること自体初めてだ」という人がほとんどだと思います。

必ず相続税申告の可能性があるのであれば税理士を頼りましょう。

「知り合いに税理士がいない」「どうやって税理士を探せばいいか分からない」という人は、税理士の紹介サービスを利用してみるのも一つの方法です。

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Q&A 預金相続についての疑問を解消しよう

最後に預金の相続について、多くの人が疑問に感じていることをQ&A方式でまとめました。

確認をして、疑問を解消して下さい。

Q1.孫名義の預金が見つかったが、孫が相続して良いの?

A.孫が相続することは出来ません。

被相続人が、自分とは違う家族や親せきの名義で預金していても、これは被相続人の預金とみなされるため、遺産分割の対象となります。

このように自分とは違う名義で預金をすることを名義預金と言います。

名義預金は、家族や親せきの名前を借りているだけにすぎず、本人の財産だとみなされるのです。

そのため、いくら孫名義だからといって、そのまま孫が受け取っていいというわけではありません。

もし、「孫へ贈与したい」という意思がある場合には相続ではなく贈与となります。

贈与とは、自分の財産を無償で相手に与える意思と相手が受け取る意思がある場合に認められるものです。

「孫のために」と財産を残すためには生前に両者の合意が必要となります。

生前にこのような合意がなかった場合には、いくら孫名義であっても孫が相続するのではなく、遺産分割協議で話し合い、相続人で分割する必要があるのです。

名義預金に関しては、「夫婦間での贈与にも贈与税はかかる?夫婦の財産制度とは?」の中に詳しく書かれていますので、参考にしてください。

Q2.遺産分割前に相続人が預金の使い込みが発覚したときは?

A.返還請求をすることが出来ます。発覚した時はすぐに弁護士に相談しましょう。

勝手に引き出した預金も当然遺産分割の対象となるため、返還請求をすることができます。

相続開始前後に、相続人が相続財産である預金を勝手に引き出している、ということはよくある話です。

返還請求をしても「生前贈与だ」などと主張する可能性も大いにあり、不当に引き出したことを証明することはとても難しいです。

不当に引き出したことを証明できない場合、遺産分割の対象から外して遺産分割協議書を作成することになってしまいます。

そのため、勝手に引き出された預金が発覚した際にはすぐに弁護士へ相談し、早期に解決するようにしましょう。

Q3.相続定期預金って何?

A.相続定期預金とは、相続をしたことで受け取った相続財産を原資として預ける定期預金のことです。

預入期間は3ヶ月、6ヶ月、1年、3年としている場合が多いです。

メガバンクをはじめ、多くの銀行が取り扱っています。

預金の相続手続きを行う際に銀行員に案内があるかもしれませんので、事前にメリットとデメリットを確認しておきましょう。

相続定期預金のメリット

相続定期預金のメリットは大きく2つあります。

1つ目は高い金利が適用されることです。

多くの銀行では預入期間に関わらず0.01%前後の定期預金金利がつきます。

2つ目は一時的な緊急避難先として使えることです。

「相続遺産は大切に使いたい」と考えている人が多く、普段利用している口座とは別で相続遺産を持っておきたいという人は多いです。

使用用途が決まるまで、金利の高い相続遺産定期預金として預けておくことができます。

相続定期預金のデメリット

一方、相続定期預金のデメリットは2つあります。

1つ目は申し込み手続きが複雑であることです。

自分の口座がある銀行で解説したい場合には手続きは複雑となります。

相続人である証明や相続手続きが完了したことが分かる書類など、多くの提出が必要です。

一方、相続手続きを行った銀行で相続定期預金を申し込む場合にはそれほど手間はかかりません。

もし相続定期預金を考えているのであれば、相続手続きをした銀行口座での開設がオススメです。

2つ目は金利の優遇期間が短いことです。

例えば預入期間を3ヶ月とした場合、その3ヶ月間は金利の優遇がされます。

しかし、この期間が終わってしまうと通常の定期預金の金利が適用されるので、多くの相続財産がある場合にのみ有利であるとされています。

以上のように、相続定期預金にはメリットとデメリットがあることを覚えておきましょう。

まとめ

預金の相続をするための手続きは、時間がある場合には自分で完結させることが出来ます。

しかし、不動産の評価額算出や相続税申告が必要な場合には迷わず税理士に頼ることをオススメします。

しっかりと自分でできることと、お金をかけて依頼すべきことを把握し、スムーズな預金相続を完了させましょう。

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