• 親から土地の贈与を受けて、マイホームを建てたり
  • 親から資金の提供を受けて土地を購入し、その上にマイホームを建てたり

することを考える人も多いと思います。

そのときには、

  • 土地の名義書換の費用
  • 購入費用
  • 建物の建築費用

等だけではなく、贈与税のことを考えておかなければなりません。

そこで、土地の贈与、もしくは土地購入資金の贈与を受ける場合の贈与税の考え方と贈与税を一定額まで非課税にできる制度について、まとめました。

 

土地の贈与を受ける場合

 

贈与税の計算

財産評価

土地の価値を計算するには、原則として、路線価が使われます(路線価のない地域では倍率方式になります)。

路線価とは、ある道路に面した土地の1㎡あたりの金額のことです。

なお、路線価は、その土地の形状等に応じて、奥行価格補正率などで補正されることもあります。

(補正後の)路線価×土地の面積(㎡)

という計算式で土地の価格が算出できます。

路線価は、国税庁のホームページや図書館で調べられますし、路線価を簡単に調べられる便利なサイトもあります。

 

贈与税の税率

土地の評価額から、基礎控除額(110万円)を差し引き、残りの価格に下記の税率を掛けます。

なお、贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間の通算ですので、

この期間に、他にも贈与をうけたものがあるときには、その金額も足す必要があります。
通常の贈与の税率

贈与額 税率 控除額
200万円以下の場合 10% なし
300万円以下の場合 15% 10万円
400万円以下の場合 20% 25万円
600万円以下の場合 30% 65万円
1,000万円以下の場合 40% 125万円
1,500万円以下の場合 45% 175万円
3,000万円以下の場合 50% 250万円
3,000万円超の場合 55% 400万円

20歳以上の者への直系尊属からの贈与の税率

贈与額 税率 控除額
200万円以下の場合 10% なし
400万円以下の場合 15% 10万円
600万円以下の場合 20% 30万円
1,000万円以下の場合 30% 90万円
1,500万円以下の場合 40% 190万円
3,000万円以下の場合 45% 265万円
4,500万円以下の場合 50% 415万円
4,500万円超の場合 55% 640万円

 

利用するべき優遇制度

相続時精算課税制度

60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上の子や孫に贈与を行う場合、

2,500万円までの贈与には、贈与税がかからない制度です。

2,500万円を超えた部分については、20%の贈与税が発生します。

その後、相続が発生したときに、この贈与した財産を相続財産に含めて、相続税を計算します。

すでに納めた贈与税は、相続税から差し引かれます。

つまり、税金を贈与税から相続税へと繰延する制度です。

不動産の生前贈与を受ける場合にも、現金の生前贈与を受ける場合にも利用できますが、

住居を建てる目的で、土地の購入資金の贈与を受ける場合には、後述する住宅取得資金の贈与の制度から利用するべきでしょう。

 

夫婦間の不動産に関する贈与

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、

  • 居住用の不動産を贈与する
  • 居住用の不動産の購入資金を贈与する

場合は、2,000万円まで非課税になる制度のことです。

贈与を受けた翌年3月15日までに居住を開始し、その後も引き続き居住する見込みであることが必要です。

 

土地の購入資金の贈与を受ける場合

 

贈与税の計算

土地の購入資金の贈与を受ける場合には、

その贈与を受けた額から基礎控除額である110万円を差し引き、その余の額に、上記の贈与税の税額を課税します。

 

利用するべき優遇制度

住宅取得資金贈与の制度

平成33年12月31日までの間に、父母や祖父母から、

  • 居住用家屋の新築・取得
  • 又は増改築の資金(住宅取得等資金)

の贈与を受ける場合、一定額が非課税になる制度です。

この居住用家屋の敷地となる土地の取得のための資金も含みます。

この制度では、贈与する側の父母や祖父母には年齢制限はありませんが、

贈与を受ける側の子や孫は、贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上であることが必要です。

また、この制度は、暦年贈与もしくは、相続時精算課税制度のどちらか一方と併用することが可能です。

平成33年12月31日までの非課税額は、下記のとおりです。
住宅用家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 それ以外の住宅
平成31年4月1日~平成32年3月31日 3,000万円 2,500万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日 1,500万円 1,000万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日 1,200万円 700万円

(上記は、消費税が10%になった場合に利用されるものです。)

上記以外の場合

住宅用家屋等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 それ以外の住宅
平成31年4月1日~平成32年3月31日 1,200万円 700万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日 1,000万円 500万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日 800万円 300万円

なお、上記の省エネ等住宅とは、下記の省エネ基準に当てはまっている住宅のことです(一定の書類によって証明する必要があります)。

  • 断熱等性能4級もしくは、一次エネルギー消費量等級4以上であること
  • 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上もしくは免震京築物であること又は、高齢者等配慮対策等級3以上であること

この制度は、他にも多数の要件がありますので、

利用したい場合には、国税庁のホームページを参考にするか、税理士に相談することが必要となります。

 

相続時精算課税選択の特例

土地の購入資金の贈与を受ける場合には、

  • 住宅取得資金贈与の制度
  • 相続時精算課税制度

併用して利用することを選択することができます。

このときに利用する特例を相続時精算課税選択の特例といいます。

この特例の一番の特徴は、贈与をする父母や祖父母が60歳未満である場合にも、相続時精算課税制度の利用を選択することができるところにあります。

 

夫婦間の不動産に関する贈与

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、

  • 居住用の不動産を贈与する
  • 居住用の不動産の購入資金を贈与する

場合は、2,000万円まで非課税になる制度です。

贈与を受けた翌年3月15日までに居住を開始し、その後も引き続き居住する見込みであることが必要です。

夫婦間であれば、マンションを贈与しても、マンションの購入資金を贈与しても、どちらでもこの優遇制度が利用できるということです。

 

まとめ

土地の家族間の譲渡や土地の取得資金の譲渡には、贈与税の優遇制度が多いので、要件などをよく確かめて、贈与税の負担なく譲渡できるようにしましょう。

一度は税理士に相談した方がよいでしょう。