数年前に亡くなった家族の隠し財産が発見されたら、相続税を納めないといけないの?

答えは、「YES」です。

「時効まで黙っていればいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、相続財産を隠していても必ず見つかってしまいます。

見つかった場合、罰則として余分な税金を払わなければなりません。

そのため、必ず修正申告を行いましょう。

今回の記事では、相続税の時効や修正申告の方法について丁寧に説明しています。

最後まで読んで、申告修正の方法を理解しましょう。

相続税申告に間違いがあったら修正申告をしよう

もし、相続税申告に間違いが見つかった場合には、必ず修正申告を行いましょう。

修正申告は、相続税申告の間違った部分の申告をして正しい税金を納めることです。

たとえば、

  • 相続税申告のときに記載ミスがあり、税額が間違っていた
  • 相続税申告の後に、新たな相続財産が見つかった

などの理由が挙げられます。

申告内容に間違いが見つかったり、新たな相続財産が見つかったら、早めに修正申告をしましょう。

1日でも早く申告することで、余分に支払う税金が少しでも少なくすることが出来ます。

修正申告の方法と流れ

 

修正申告は、納める相続税が増えた場合に行わなければなりません。

この章では、修正申告の方法を説明していきます。

修正申告は、必要な書類を作成し、相続税申告をした税務署へ提出するという流れです。

必要な書類から順番に確認していきましょう。

必要な書類

◆全員が必要な書類

◆該当する場合のみ必要な書類

修正申告書には、修正前の課税額と修正後の課税額、その差額を記入していきます。

控除によって税額軽減を受けている場合にも、修正前と修正後の額の記入が必要です。

書類の提出方法

申告を行った税務署で必要書類をすべて提出します。

修正申告は、1度目の相続税申告と比べてとても記入が複雑です。

また、1日でも早く申告することでペナルティが軽減されます。

必ず、専門家である税理士に頼るようにしましょう。

修正申告が必要なら税理士に頼ろう

修正申告が必要となった場合、必ず税理士に相談をしましょう。

税理士に修正申告をしてもらうことで、正確な申告をすることができます。

そのため、税務調査の対象から外れやすくなるのです。

特に、元々申告した内容にミスがあった場合は、またミスを繰り返さないためにも専門家に頼むことをオススメします。

万が一、税務調査の対象となった場合でも、まずは税理士に連絡が入ります。

その場で答えることのできる内容であればそこで調査は終了となるのです。

もし、税務調査が必要となっても税理士が立ち会ってくれるので安心できます。

隠し財産が見つかったり、申告内容に間違いや変更があった場合には1日でも早く修正申告をしましょう。

「時効になるまで放っておいたら、バレないだろう」という考え方はとても危険です。

相続マンモス

時効の考え方や、税務調査の内容、罰則としての追加税金について次の章から説明していきます。

時効になるのはいつ?どうすれば成立する?

相続税と贈与税の時効が成立するための必要な期間と起算日を抑えておきましょう。

故意かどうかで期間が変わるのがポイントです。

相続税はうっかりミスで5年、意図的に隠した場合は7年で時効

相続税の時効は、

  • 善意の場合5年
  • 悪意の場合7年

で成立します。

法律関係の文脈で、

  • 善意といえば、「知らなかった」こと
  • 悪意といえば「知っていた」こと

を指します。

つまり、相続税を逃れるためにわざと隠していれば7年、相続財産の存在に気づいていない場合は5年を過ぎれば、払う必要はなくなります。

いつから数えるのかというと、申告期限です。

相続税の申告期限は相続があったことを知った日から10ヶ月ですから、たいていの場合亡くなってから5年(7年)10ヶ月が時効までの期間となります。

計算ミスや認識ミスから脱税のための財産隠しまで、亡くなってから5年~7年10ヶ月で追求されることはなくなるのです。

贈与税にも時効がある!確定申告最終日から6年

贈与税は善意の場合で6年間です。

申告期限は所得税と同じですので、贈与を受けた日の翌年の3月15日から起算します。

悪意の場合は相続税と同じ7年になるのです。

現実的には、悪意と推定されることになるでしょう。

なぜなら、贈与は、

  • あげます
  • もらいます

という意思が合致した時に発生する贈与契約に基づくため、通常、善意の贈与は考えられないのです。

時効が認められるためにすることは?

借金など、民法に基づく債権債務の時効が認められるには、時効の援用という法律上の手続きが必要です。

税金の場合は正式には除斥期間といい、税を納める側が何かする必要がありません。

国税通則法という法律に相続税と贈与税の除斥期間について定められています。

民法上の時効には中断や停止など、期間が延長することがありますが、除斥期間にはありません。

時効が5年なら、5年経てば税務署はどうすることもできません。

この記事では税金についてのみ扱うこともあり、時効といったほうが馴染みやすいと思うので、全て時効と記載します。

払い過ぎた税金を戻してもらうのにも期限がある

相続税の還付にも期限があります。

払いすぎた場合、更生の請求という手続きをすることによってお金が戻ってきますが、善意の場合の除斥期間と同じ5年間が期限となっています。

厳しい税務調査があるので、時効の成立は難しい

申告期限から7年を過ぎればもう一生その税金を払う必要はなくなる。

「やってみようかな」と思った方、危険ですので絶対にやめましょう。

脱税は犯罪であるばかりか、本来支払うはずだった金額よりもはるかに多くの金額を支払うことになります。

しかも、税務調査は大変厳しく、摘発を逃れるのは不可能といっても過言ではありません。

税務調査はいつ頃やってくる?

一般的に、税務調査は相続の3年後に来るといいます。

国税庁の発表資料によると、平成27年度7月~平成28年6月に行われた調査は、平成25年に発生した相続を中心に行わているようです。

明確にいつ税務調査されるのかが決まっているわけではなく、申告期限の半年後に来たという人もいます。

ただ、5年を過ぎて来ることは考えにくいです。

相続人の悪意を証明できなければ税務署は「骨折り損」だからです。

同じ国税庁の資料によると、毎年約1万件の相続税調査が行われています。

申告件数は年間約5万件なので、相続税が発生する人のうち約2割の人が調査を受けていることになるのです。

どんな調査がされるのか

通常、税務調査が入る場合は、事前に連絡が入ります。

しかし、悪質な場合など、すでに水面下である程度調査が進められていた場合は、突然訪問されるのです。

調査は2日から長くて1ヶ月程度かけて行われます。

  • 故人の趣味
  • 家族構成

など雑談のような内容から、預金から引き出したお金の用途まで、大小さまざまなことを聞かれ、答えることが必要です。

会話だけではなく、家探しのようなものまで行われることもあります。

非常に綿密で徹底しており、取引の相手方に聞き込み調査をする反面調査もあるのです。

嘘や隠し事をするのは相当難しいといえます。

年間の税務調査約1万件のうち約8,000件に、申告漏れなど納税者側の落ち度が見つかっているのです。

調査に来られると、8割方何らかの形で追加または新しく税金を払うことになります。

故意に脱税などをしていたら、隠し通すのはほとんど不可能でしょう。

なんとか穏便に対応する方法はないのか

もし税務調査の通知が来たら、すぐに税理士を呼んで打ち合わせをします。

同じような行為でも、目的など話し方次第で税金の額に違いが出ることがあるのです。

実際の調査にも立ち会ってもらいます。

また、調査の通知が来てからでも、自ら申告をやり直すことで、追徴税の税率が下がるのです。

包み隠さず調査に協力することが最終的に自分のためになります。

税務調査で指摘されるとどうなるか

相続税の時効を待つことなく、申告ミスや隠し財産が発見された場合

  • 払うはずだった税金(本税)
  • 加算税
  • 延滞税

という3つの追徴税を支払うことになります。

悪意なく申告が漏れたケース、少なく申告していたケース

加算税は、

  • 支払った税金
  • 支払うはずだった税金

の間に差異があったときに、懲罰的な意味で徴収される税金です。

  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税
  • 不納付加算税
  • 重加算税

の4つがあります。

不納付加算税は相続とは直接関係ないので、省略します。

過少申告加算税

期限までに申告をしたものの、財産評価の方法が

  • 間違っていたり
  • 見落としたり

したことで、税額を少なく申告してしまっていたケースです。

加算される金額は本税に対して、最大で15%となります。

税務調査で指摘された場合、

  • 50万円までは10%
  • 50万円超の部分は15%

調査の通知が来た後に自主的に申告(修正申告)し直せば、それぞれ5%、10%です。

通知が来る前なら加算税はありません。

無申告加算税

そもそも申告自体していないケース。

最大で本税の20%となります。

調査によるものは、

  • 50万円まで15%
  • 50万円超は20%

調査通知後に自ら申告した場合は10%、15%となります。

通知が来る前なら、申告期限の1ヶ月以内だったらかかりません。

それ以降なら5%となります。

重加算税

  • 仮装
  • 隠蔽

つまり嘘をついたり隠したりして行ったことが税務調査で判明すると、上記の2つではなく、重加算税が課されます。

  • 過少申告の場合35%
  • 無申告の場合40%

です。

さらに延滞税も!総額でどれくらいの罰金になるか

延滞税は、税金を納めるべき日に納めなかった場合に、その間一定の率でかかる税金です。

  • 納付期限から2ヶ月までは年7.3%
  • 2ヶ月以降は年14.6%

例えば、相続の時に、

  • 1億円相当の金ののべ棒を床下に隠して申告。
  • 3年後の調査で見つかりました。

とします。

これに対する相続税(本税)は2,000万円だったとします。

この場合、本税に加えて、

  • 過少申告の重加算税として35%
  • 3年間の延滞税として年7.3%~14.6%

合計3,557万円もの追徴税を納めることになります。

正直に申告したときよりも1,500万円、率にして75%も多くの税金を支払うことになるのです。

時効を狙って財産隠しをしても、自分で自分の首を締めることになります。

まとめ

相続税は悪質な場合でも7年10ヶ月で時効になります。

ただし、税務調査で見つかった場合に加算される追徴税額は、相当大きな金額になります。

徹底した調査の目をかいくぐるのは不可能といってもいいほどです。

もし申告後に財産が見つかった場合は正直に修正申告をしてください。

修正申告に間違いがないよう、必ず税理士に相談をしましょう。

相続マンモス