相続を受けた場合、相続税の申告のことを考えなければいけません。

そこで、この記事では、相続税の申告に関する基礎知識をまとめました。

 

相続税の申告が必要な人は?

 

相続財産が基礎控除額を超えている場合の相続人

相続した財産が基礎控除額を超えている場合には、相続税の申告が必要です。

 

各種特例の適用をうける相続人

下記のような相続税に関する各種特例の適用を受ける人は、相続税の申告が必要です。

特例の適用を受けることにより、相続額が、基礎控除額以下に収まり、相続税が発生しなくなる場合にも申告はしなければなりません。

  • 配偶者の税額軽減
  • 未成年者に関する控除
  • 障害者に関する控除
  • 小規模宅地の特例

 

相続税の申告の準備をしよう

 

相続税の申告書は送られてこないこともある

相続税が発生することが明らかな場合には、税務署から相続税の申告書が送られてきます。

一方、申告書類が送られてこなくても、「お尋ね」だけが送られてくることもあります。

そして、申告書もお尋ねも送られてこないこともあります。

税務署から相続税の申告書類が送られてこなくても、国税庁のホームページに書式がありますので、

相続税の申告をしなければいけない人は、申告の準備をしなければなりません。

 

添付書類を準備する

相続税の申告書には、下記のような書類を添付する必要がありますので、早めに準備を開始することが必要です。

  • 被相続人の出生から死亡までの除籍謄本、原戸籍等
  • 遺言書や遺産分割協議書の写し
  • それぞれの相続財産の評価額の計算の根拠資料
  • 相続人全員の印鑑証明書

 

相続税の申告の仕方は?

 

どこで申告するの?

相続税の申告は、被相続人の最後の住所を管轄する税務署に相続税の申告書類を提出することによって行います。

 

書類の作成

相続税の申告書は、第1表から、第15表まであり、さらに、付表などもありますから、

一般の人が自分で作成するのは難しいものです。

計算を間違えたら、本来払うべきものより、多く相続税を支払ってしまうかもしれません。

また、過少申告してしまったり、申告漏れをしてしまったりすると、後に記載するように、

  • 過少申告加算税
  • 重加算税

を課されてしまうこともあります。

相続税の申告は、税理士に相談、依頼したほうがいいでしょう。

 

相続税の納付の方法は?

 

現金払いが原則

相続税の納付は、現金で一括払いが原則です。

現金が手元にない場合には、延納を検討します。

延納もできない場合は物納を検討することになるでしょう。

 

相続税の延納

相続税の延納とは、何年かに分けて相続税を払うことです。

延納の要件は、下記のとおりです。

  • 相続税額が10万円を超えること
  • 納付期限までに現金で支払うのが困難であること

あるいは、担保を提供すること。

担保にできる財産は次のようなものがあります。

  • 国債 地方債
  • 社債その他の有価証券で、税務署長が確実と認めるもの
  • 土地
  • 建物、立木、登記された船舶などで、保険に付したもの
  • 鉄道財団、工場財団などの財団
  • 税務署長が確実と認める保証人の保証

相続税の延納を希望する場合には、相続税の申告期間内に、申請書を提出して、

税務署長の許可を受ける必要があります。

延納の期間は、相続財産に占める不動産の割合によって、5年から20年の範囲で決められています。

なお、立木のうち特別なものは、最長40年になっています。

延納している間は、利子税がかかります。

利子税は、条件によって、年2.1%から6%までの範囲で定められています。

最近の貸出金利の低下を考えると、場合によっては、不動産を担保に納税資金を借り入れした方がよい場合もあります。

このあたりは、よく税理士と相談するべきです。

 

相続税の物納

相続税の物納とは、受け取った財産そのものを相続税として、納めることをいいます。

物納できる財産は、日本国内にある下記の財産です。

  • 第一順位 国債 地方債 不動産 船舶
  • 第二順位 社債 株式 証券投資信託又は貸付信託の受益証券
  • 第三順位 動産

相続税の物納を希望する場合にも、

相続のあったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申請書を提出して税務署長の許可を受ける必要があります。

不動産を物納する場合、時価ではなく、相続税評価額で評価された額で相続税に充当されますので、不利になることがあります。

不動産は物納するより、売却して売却代金から相続税を払った方がよい場合もありますので、税理士によく相談した方がいいでしょう。

 

相続税の申告期限と納付期限

 

申告も納税も、原則は、10ヶ月以内

相続税の申告が必要な場合、原則として、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告及び納付をしなければなりません。

 

遺産分割が終わっていなかったら?

遺産分割が10ヶ月以内に完了していない場合には、

一旦、法定相続分に従って、相続財産を取得したものとして相続税を申告し、納付します。

その後、遺産分割が終了したら、法定相続分よりも多くの遺産を相続した相続人は、

修正申告書を提出して、不足分の税金を納付することができます。

一方、法定相続分よりも少ない遺産を相続した相続人は、

遺産分割後4ヶ月以内に更正の請求をすることによって、税金の取り戻しができます。

更生の請求によって、税金が取り戻されたときは、

税務署長は、法定相続分より多くの遺産を取得した相続人に対して、増額の更生または決定を行うことになります。

上記の修正申告、更正の請求は任意です。

 

相続税の申告期限を過ぎてしまったら?

正当な理由なく申告期限までに申告しなかった場合には、無申告加算税が課せられます。

申告期限に遅れたものの、

  • 自主的に相続税を申告期限した場合の無申告加算税の税率は5%
  • 一方、税務調査によって期限後申告を行った場合、無申告加算税の税率は10%

になります。

 

相続税の納付が遅れたら?

納付期限までに納付しなかった場合には、延滞税が課されます。

延滞税は、

  • 期限後2か月以内であれば税率7.3%
  • それ以後は14.6%

にもなります。

 

その他の罰則

 

過少申告加算税

期限内に申告はしたものの、自分で間違いに気づき、自主的に修正申告をした場合には、過少申告加算税は0%です。

一方、申告した相続税の税額が過少であることを、税務署に指摘されて修正申告した場合には、10%~15%になります。

 

重加算税

相続税の申告書を提出したものの、

  • 財産を隠蔽していたり
  • 仮装していたりしたこと

が発覚したときには、35%の重加算税が課税されます。

申告書を提出していなかったときで、

  • 財産を隠蔽していたり
  • 仮装していたりしたこと

が発覚したときには、40%の重加算税が課税されます。

 

まとめ

相続税の申告は複雑なものです。

税理士に頼まずに自分で申告して、間違っていた場合には、

  • 過少申告加算税
  • 重加算税

の対象になるかもしれません。

そうすると、結局は、税理士報酬を払っていた方が、手間もかからなかったし安く済んだのに…

という結果になるかもしれません。

税理士の無料相談には行ったほうがいいと思われます。