誰かが亡くなったら、基本的には、

  • 法律で定められた相続人がその人の遺産を受け継ぐ
  • 遺言書をしたためていれば、法律に優先して>遺言状に沿った遺産分割
  • 相続人が遺産分割協議をして自分たちの事情に合った分割

をすることになります。

しかしこれはあくまで相続人がいた場合の話です。

遺産を渡す、そして渡し方を考えるのも、遺産相続のことで悩むのも、あくまで、

  • 相続人がいる
  • 財産を受け継いでくれる人がいる

という前提の話ですよね。

そもそも相続人がいなければ、遺産をどうやって分割する?という話にはならないからです。

皆さんは相続人のいない遺産はどうなるかご存じですか?

相続人不存在という手続きについて知っておきましょう。

自分の死後の遺産の行方を考える。

これも一つの婚活ならぬ相続活ではないでしょうか。

 

死後のことを考えて相続活を!

  • 晩婚化
  • 核家族化
  • 離婚率の高さ
  • 少子高齢化

世の中の問題を考えると、相続人がおらず財産だけが宙ぶらりんという状況は十分に考えられることなのです。

お一人様の多いこのご時世、自分の死について考えておくのも大切かもしれません。

映画を切っかけに、エンディングノートという言葉も有名になりました。

皆さん、やはり自分の死後のことは気になるのではないでしょうか。

気になるからこそ、多くの人がエンディングノートに注目したのかもしれないですね。

私は身軽に一人で生きるものという生き方も確かにいいのかもしれないですが、

それでも、死後の後始末についてはきちんと考えておきたいところです。

相続人がいないと遺産は手続きの流れを通ってどこにたどり着くのか?

あなたの相続活を考える上で参考にしてみてください。

 

相続人のいない遺産は「国庫」へ

相続人が誰もいないと、遺産は最終的に国庫に帰属します。

最終的に国のところにたどり着くというわけです。

しかし、国庫に帰属する前に裁判所での手続きを経ることになります。

つまり、死後に相続人が誰もいない場合はすぐに国庫へ行くというわけではなく、

一定期間が必要であり、しかも裁判所での手続きも必用になるということです。

詳しくは後述しますが、この一定期間は大体一年半くらいの期間を指します。

手続きは裁判所で行われ、最終的に「どうやら本当に相続人がいないようだぞ」となって初めて国庫に帰属することになります。

実は相続人がおらず国庫に帰属する遺産はかなり多いのです。

相続人がいないというケースは、

  • 最初から相続人になる親族などがいなかった
  • 相続放棄をした結果誰も相続人がいなくなった

などのパターンがあります。

相続人がいないというパターンは日本において決して少ない話ではなく、

現に平成22年に国庫に帰属した遺産額は250億円を越えているという資料が出ています。

小さな自治体の予算を遙かに上回る額です。

これだけの額が相続人なく国庫に帰属していると考えると驚きですね。

参照:
http://www.bb.mof.go.jp/

 

遺産が国庫に帰属するまでの流れ!相続人不存在の手続き

では、ここからは、どんな流れで相続人のいない遺産が国庫に帰属するのかを見ていきましょう。

手続きの流れを簡単に説明すると下記のようになります。

  1. ①相続人の捜索
  2. ②特別縁故者・共有者への分与
  3. ③国庫に帰属

前述したとおり、いきなり国へというわけではありません。

相続人のいない遺産はまず法人化され、相続財産管理人が選定されます。

この相続財産管理人になるのは主に弁護士などで、裁判所で必用な手続きをこういった管理人が代行してゆくことになります。

相続財産管理人は遺産そのままをただ管理するというだけでなく、借金があった場合などに清算をしますし、受領できる金銭があればきちんと手続きもします。

もし亡くなった人に相続人がおらず、遺産は丸ごと管理人が管理し、遺産はまったく清算もされないということであれば、お金を貸した側が大きな痛手を受けてしまいますものね。

相続人がいればこういった清算は相続人がしなければならないのですが、いないので相続財産管理人が財産の計算も含めて頑張ってくれるというわけです。

参照:
http://www.souzoku-sp.jp/

 

まずは相続人の捜索をする

こうして財産自体の管理は管理人に任せ、裁判所の方では、

「本当に相続人はいませんか?いたら○○さんの相続人は名乗り出てください」

という公告をするなどして、相続人を探します。

基本的に遺産は法律で定められた相続人が受け継ぐものですから、

この時点で相続人が見つかれば通常通り相続人が遺産を受け継ぐことになり、手続きは終了します。

裁判所側は「見つからなくても見つかってもどちらでもいい」という態度ではなく、法律では相続人のものと決まっていて、

しかも裁判所は法の番人であるわけですから、まさに草の根わけても探そうと頑張るわけです。

この相続人の捜索は二回行われます。

 

相続人が見つからなかったら特別縁故者への分与

二回、時間をかけて探しても相続人が見つからずまったく名乗りがなかった場合、今度は特別縁故者への分与の手続きが行われます。

裁判所が、

「特別縁故者の方は遺産分けをしますので名乗り出てください」

と公告しますので、自分が特別縁故者に該当すると考える人、遺産分けを望む人は裁判所に名乗り出ます。

もちろん、特別縁故者に該当すると考えられる人でも特に遺産分けを望まない人は名乗り出る必用はありません。

特別縁故者とは、生前に亡くなった人(被相続人)と「特別に縁故が深かった人」のことをいいます。

例えばどんな人が該当するかというと、

  • 内縁の妻や夫
  • 被相続人の介護をしていた介護者
  • 相続人に該当しない親族
  • 被相続人の面倒を見ていた近隣住民

などです。

しかしこういった人が必ず特別縁故者に該当するというわけではなく、

裁判所側がそれぞれの人を「特別縁故者に該当するか?」判断します。

ですので、名乗り出ても「あなたは特別縁故者ではありません」と判断され、遺産分けがされないこともあります。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

特別縁故者の代表格はやはり内縁

特に有名な特別縁故者はやはり内縁の妻(夫)ではないでしょうか。

法的な婚姻関係にある妻や夫は特に手続きをしなくても順位一位の相続人になります。

しかし内縁の妻や夫はこの特別縁故者の分与手続きによって

  • 遺産の分与を認めてもらうか
  • 遺言書を使って遺産を受け取るか

しか方法がありません。

もし内縁の夫が遺言書を残していないとすれば、この特別縁故者の手続きで遺産の分与を裁判所に認めてもらうしかないのです。

前述した通り、裁判所が相続人を捜して見つかった場合は特別縁故者への分与を待たず手続きは終了し遺産は通常通り相続人のものになってしまいますし、

特別縁故者への分与まで進んだとしても必ず裁判所が分与を認めてくれるというわけではありません。

また、特別縁故者だけでなく、共有者への分与が行われることもあります。

共有者とは、土地や建物を共有名義で所持している人のことです。

「あなたも一緒に名義になっているのだから亡くなった人の分も引き取ってもらえないか」

ということです。

参照:
http://www.shimizu-lawoffice.jp/

 

最終的に遺産は国庫へ

  • 特別縁故者への分与が行われなかった場合
  • もしくは分与は行われたけれど遺産が余った場合
  • 特別縁故者が名乗り出ず財産が丸々残ってしまった場合
  • 共有者への分割が行われなかった場合

遺産は国庫に帰属します。

国に遺産が行くまでの間に相続人以外へ分与される可能性があるということです。

国に行くのは、本当に最後ということなのですね。

 

最後に

相続人のいない遺産は最終的に国へ行きます。

ただしその前にいくつも手続きがあり、相続人以外へ分与されることがあるのです。

しかし平成22年で250億円超えとなると、相続人がいない遺産ってけっこうあるかも?という印象です。

自分の死後のこと、考えておきたいですね。