相続放棄とは、裁判所で手続きすることにより相続権自体を棄ててしまう手続きです。

「遺産はいらない」というふうに特定の遺産だけを不要と主張するのではなく、

プラスの遺産の筆頭である

  • 預金
  • 土地

だけでなくマイナスの遺産の代表的なものである、

  • 借金
  • 未払いの料金

などを全てまとめて「相続しない」という手続きなのです。

相続放棄の特徴は「その相続においては最初から相続人ではなかった」ことになること。

詳しい話は順番にしますが、相続放棄は、

  • 遺産争いに関わりたくない人
  • 相続によって借金を背負うことを回避したい人

に有効な手続きなのです。

また、裁判所に行って所定の手続きさえすれば自分でも相続放棄できてしまいますので、絶対に弁護士や司法書士を通して手続きしてくださいという決まりはありません。

個人でできる手続きなのに法律の専門家に高いお金を払って依頼するメリットはあるのでしょうか。

  • 自分でする?
  • それとも弁護士や司法書士に依頼する?

その間で迷っている人に、専門家に依頼するメリットとデメリットを簡単にお教えしましょう。

 

相続放棄の専門家は弁護士と司法書士!違いは?

相続放棄を代理することができるのは

  • 弁護士
  • 司法書士

です。

どちらも同じく法律の専門家ですが、その違いはどこにあるのでしょう。

相続放棄を専門家に依頼するメリットとデメリット以前に、まずは二つの専門家の違いについて覚えてしまいましょう。

どちらに依頼するかによっても、メリットが一部変わってくることがあるのです。

 

弁護士は相続全般のスペシャリスト!

弁護士は裁判所手続きのプロです。

  • 訴訟
  • 調停

などの代理は基本的に弁護士の管轄になります。

法律全般の専門家といえるでしょう。

相続で揉めてしまっている場合は、特に弁護士に相談することで迅速な解決が見込めるというメリットがあります。

もちろん相続放棄手続きの代理もでき、手続き後のアフターフォローも万全にこなしてくれるのが弁護士です。

弁護士に相続放棄を依頼する場合、

  • ただ相続放棄がしたい
  • 借金相続から逃れたい

という理由だけで相談しても特に問題ありません。

しかし、相続放棄を望んでいるけれど、

その相続が

  • 他の相続人も交えて話し合いが難航している
  • そして揉めている

という時はまさに弁護士の腕の見せどころであり、弁護士に依頼することで有利に事を運ぶことができるのです。

 

司法書士は登記の専門家!相続登記も含めて依頼

では司法書士はというと、どうなのでしょう。

司法書士は相続放棄などの裁判所手続きもできますが、裁判所手続きだけの専門家というだけではありません。

司法書士は、

  • 不動産の権利設定
  • 会社の設立
  • 役員変更

などの登記の専門家なのです。

弁護士も登記に関わることがあるのですが、基本的にあまり登記はしません。

弁護士が登記の依頼を受けても知り合いの司法書士にお願いするということも珍しくありません。

司法書士に相続放棄を依頼する場合は、相続放棄だけでなくその後の手続きも考えてするのがよいでしょう。

例えば

  • 相続人の一人は相続放棄するけれど
  • 他の相続人は相続放棄をしない

そうすると、相続放棄をしなかった相続人たちは土地や建物の名義変更(相続登記)をすることになります。

司法書士に相続放棄を依頼すると、その後の登記などの手続きも続けて行ってもらえるというメリットがあるのです。

もちろん相続放棄後の債権者とのやり取りなどもしてもらえます。

また、相続放棄がしたいという理由だけで相談してももちろん問題ありません。

司法書士は登記のプロフェッショナルですが、登記には諸法律が関わるため、法律全般と法的な手続き全般を心得ています。

 

どちらにお願いすべき?相続放棄

相続争いをしていて訴訟や調停の可能性がある。

まったく話し合いがまとまらない。

そんな時は相続放棄も含めて相談できる、解決が見込めるというメリットがあるため、

いきなり弁護士に話を持っていくのがいいのではないでしょうか。

相続放棄後に続けて、

他の相続人の不動産名義変更などの登記手続きをしてもらいたいという場合は、

一人の司法書士に依頼することで時間のロスなく進むため、いきなり司法書士に依頼するメリットがあります。

もちろんどちらに対しても相続放棄だけを依頼することもできます。

相続放棄だけを依頼する場合は、報酬の安さなども含めてどちらに依頼するか決めるのがよいでしょう。

一般的に司法書士の方が報酬面で安いと言われることがあります。

ただし他の手続き費用なども絡む場合は決してこの限りではありません。

弁護士でもお手頃な報酬で相続放棄を引き受けてくれる方はたくさんいますので、一概にこの話が当てはまるわけではないようです。

見積もりをお願いしてみるといいかもしれないですね。

 

 

弁護士や司法書士に相続放棄をお願いするメリット

ここからは、

  • 弁護士
  • 司法書士

どちらに依頼しても得られるメリットについてお話しします。

相続放棄は個人でもできる手続きで、当然ですが個人ですると法律の専門家に依頼するよりお安く終わらせることができます。

  • 相続放棄の手続き自体の手数料が800円(印紙で納める)
  • 裁判所と書類のやり取りをするための切手代
  • 裁判所に足を運ぶための交通費

などが別途必要になります。

大体、合計しても数千円かからないくらいの料金で収まってしまうかもしれないですね。

対して弁護士や司法書士に依頼すると数万円くらいからが相場のようです。

自分で手続きするより格段に高くなってしまうというデメリットがあるのは確かです。

ただし、相応のメリットはありますので、よく考えて自分でするのか依頼するのかを決めるのがいいですね。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

相続放棄は一度きりのチャンス!だからこそ専門家に

相続放棄は一度しかできません。

また、絶対に認められるというわけではありません。

裁判所が最終的に相続放棄を認めるかどうかを決めますので、

自分で手続きして、借金相続で切羽詰まっているのに「認めません」という判断が下ってしまっては意味がありません。

その点、弁護士や司法書士は相続放棄に精通していますので、

自分でするより認められる可能性がぐんと上がると言えるでしょう。

相続放棄はそれぞれの相続で一度しかできません。

つまり「認めない」という判断が出れば、もう一度挑戦することはできないのです。

認められる可能性が上がるということは大きなメリットではないでしょうか。

また、注目したいのは法律の専門家は相続放棄のタブーを把握しているということ。

相続放棄は手続き中あるいは前に特定の事柄をしてしまうと認められない可能性がぐんと高くなるのです。

代表的な例は遺産の使い込み。

例え正当な理由があったとしても、

  • プラスを消費してしまって
  • マイナスは放棄したい

というズルは許さないということです。

弁護士や司法書士はこうしたタブーにも精通していますので、

「それ、やっちゃ駄目です!」

と適切なタイミングでアドバイスをもらえるというメリットもあります。

参照:
http://tokyo-souzokuhouki.com/

 

相続放棄には期限あり!だからこそ弁護士や司法書士に

また、気をつけなければいけないのは手続きの期限です。

相続放棄には期限が定められています。

申述は,民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。

この期限を伸長する手続きもあるのですが、

個人では、

  • 書類集め
  • 慣れない法的な手続き

にあたふたしてしまい、うっかりほとんど何もできずに期限切れなんていうことも。

基本的に期限を守らなければならない手続きであり、

しかも手続きでは何度か裁判所とやり取りをしなければならないという煩雑さがあるからこそ、専門家に手続き全部をしてもらうメリットがあるのです。

参照:
http://www.e-souzokuhouki.com/

 

専門家だからこそアフターフォローもお願いできる

弁護士や司法書士に依頼すると面倒な手続きを全て代わってしてくれる上に、

多くの場合は相続放棄後に債権者とのやり取りまで引き受けてもらえます。

借金相続を回避した後に必ず債権者に一報入れるというルールはありません。

しかし、債権者側から問い合わせがあることもあります。

また、今後も関わるのが嫌だという理由で相続放棄をした元相続人側から一報入れることも珍しくありません。

相続放棄を自分ですると、

  • 債権者とのやり取りをするのは貴方
  • 相続放棄の証明を要求されたら、自分で書類をコピーして送付する

等の手間があります。

こういった面倒なやり取りを弁護士や司法書士での依頼では丸ごと引き受けてもらえます。

債権者とやり取りするとなると、嫌だなと感じる元相続人は多いようですよ。

 

 

最後に

自分でできる手続きではあるのですが、裁判所でしかできないため、そこにはやはり手続きの煩雑さと法律が絡むゆえの難しさがあります。

また、手続きですから、

  • 必要書類を集める手間
  • 裁判所とやり取りする手間

を考えなければいけません。

それに、相続放棄の場合は相続放棄だけで終わるのではなく、

その後にさらに手続きや雑務が続くということも視野に入れなければいけませんよね。

総合的に考えると、相続放棄を自分ですることは「できるけれどけっこう大変」なのです。

また、一般の人は法律の専門家と違って、相続放棄をし慣れているということはまずありませんから、

相続放棄が認められないというリスクも考えておく必要があるでしょう。

弁護士や司法書士に依頼すると確かに手続き費用の他に報酬が必要になりますが、

個人で手続きする際のデメリットを打ち消すことができることが特徴です。

相続放棄は確実性と期間内での完了を目指す上では、やはり法律の専門家に依頼する方が賢い選択と言えるのではないでしょうか。