相続放棄とは、遺産をプラスもマイナスも言葉通りに「放棄」する手続きのことをいいます。

基本的に、

  • 遺産は預金などのプラスも
  • 借金などのマイナスも

相続人が受け継ぐことになります。

相続は誰かの権利や義務をそっくりそのまま受け継ぐことというふうに解釈してしまえばわかりやすいですね。

亡くなった人の人生で培ったプラスやマイナスを、誰かの人生として相続人が継いでいくこと。

それが相続ではないでしょうか。

反対に、誰かが一生をかけて培ったプラスとマイナスを、

「私は引き継ぎません」とお断りすることを相続放棄と考えれば、これまたわかりやすい話です。

今回はこの「引き継ぎません」というお断りの手続きである相続放棄の流れについて解説したいと思います。

要注意ポイントも合わせて解説していきます。

 

相続放棄は裁判所で!ポイントを覚えよう

まず、相続放棄という手続きですが、裁判所でしかできない手続きになります。

たまに亡くなった人(被相続人)の残した家や預金をどうするか話し合う親族同士の席上で

「私は別に何もいらないから」と発言し、それでもって相続放棄をしたと勘違いしている方がいるのですが、

これは間違いです。

相続放棄は裁判所でしかできませんので、

親族同士の話し合いの席で「遺産はいらない」と言ったからといって相続放棄にはなりません。

  • 「遺産はいらないからね」と口で主張することが相続放棄ではない。
  • 相続放棄は裁判所でしかできない。

まず、このポイントをはっきりさせてください。

とても重要なことです。

皆さんは親族のおじさんやおばさん、そして両親が、

「兄弟の話し合いの時に遺産はいらないって言ったのよ。兄さん(長男)が全部継ぐことになってね」

といった世間話を耳にしたことはありませんか?

これに対し「相続放棄」という言い回しをすることがありますが、あくまで言葉の綾のようなものです。

正式な相続放棄は裁判所で!

これ、とっても重要です。

参照:
http://yoshida.houmu-souzoku.com/

 

個人でも手続き可!大体の料金は

また、相続放棄の手続きは

  • 弁護士
  • 司法書士

に絶対に依頼してくださいという決まりはありませんので、

裁判所の注意書きを見ながら自分で手続きをしてしまうこともできます。

ですが、

  • 相続全般の手続きについて聞きながら進めたいという人
  • 裁判所手続きと耳にすると何だかとても厳格で難しそうと感じる人
  • そして自分で手続きする時間のない人

は最初から弁護士や司法書士を頼ってしまいましょう。

相続放棄の流れは後述します。

料金に関しては、一人の相続放棄手続きで大体800円~。

裁判所に納める印紙が800円で、この他に切手代などの諸経費が必要になります。

これはあくまで自分で手続きを進める場合で、弁護士や司法書士に依頼する場合は、

相続ケースの複雑さやどこまで代理するかによって変わってきます。

  • 印紙代×人数
  • および諸経費
  • 加えて報酬が数万円~

くらいで考えておくのが良さそうです。

もちろん法律事務所によって料金形態が多少変わるので、自分に合ったところを選んでください。

料金を大体頭に入れたところで、では、相続放棄の手続きはどうやって進むのか、順を追って見ていきましょう。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

相続放棄の手続きの流れを覚えよう!

相続放棄の手続きは、裁判所に「相続放棄申述書」を提出するところからはじまります。

この相続放棄申述所はいわば相続放棄の申し込み書のようなもので、

こちらをきちんと記載して裁判所に提出しなければ相続放棄の手続きは始まりません。

相続放棄申述書には、

  • 成人用
  • 未成年用

の二つがあり、相続放棄をする人の年齢によってテンプレートが変わってきます。

ただ、成人用と未成年用で物凄く変わるというわけではなく、未成年用のものには記載しなければいけない欄が増えている程度です。

裁判所のホームページにダウンロードできる相続放棄申述書のテンプレートが用意されています。

また、書き方の見本も用意されていますので、こちらを参考にして書いてください。

もし書き方がわからないということであれば、無理をせず、

  • 弁護士
  • 司法書士

に相談してくださいね。

裁判所でも手続き相談窓口を用意しています。

ただしあくまで手続きのついての相談ですので、具体的な法律相談は管轄外になります。

裁判所利用でわからないことがあったら、お近くの裁判所に確認してみるといいでしょう。

こちらも具体的な法律相談はできません。

裁判所での手続きの仕方は教えてくれます。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

まずは相続放棄申述書と添付書面の提出

相続放棄の申し立てにはこの他に相続ケースに合った書類の添付が必要になります。

  • 相続が本当に起きたの?
  • 他にどんな相続人がいるの?
  • あなたは本当に相続人なの?

を裁判所の方で確認するため、必要書類は手続きにとって重要なものです。

申立書と添付書類は必ず裁判所の窓口で手渡しする必要はなく、

書類さえきちんとそろっていれば郵送で手続きを申し込むこともできます。

必要な添付書類は裁判所のサイトにきっちり記載されています。

意外に集めるのが大変なのが戸籍謄本です。

もし戸籍謄本が多数の自治体にまたがって取得が必要で、必要な分を集めることが大変ということであれば

  • 弁護士
  • 司法書士

に依頼すれば取得してもらうことができます。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

書類を提出した後の流れは?照会書面を返送

相続放棄申述書と添付書類を提出すると、数日から二週間くらいで照会書面が送られてきます。

この照会書面に必要事項を記載して裁判所に返送してください。

これが一般的な流れです。

ただし、時に裁判所から「直接足を運んでいただき、色々確認させていただきたいです」という審問の呼び出しがあることも。

この場合は呼出上に記載された日時に裁判所に足を運んで、裁判所側からの質問に答えることになります。

参照:
http://www.katuo-office.jp/

 

相続放棄申述受理通知書が届くと手続き終了

無事に相続放棄の手続きが終わると、「相続放棄申述受理通知書」が届きます。

こちらは相続放棄をした証明になりますので無くさないようにしてください。

基本的に他の相続人や債権者に対し相続放棄をしましたと余さず連絡するという決まりごとはありません。

ただし、他の相続人も相続放棄を望む可能性があるため、教えてあげた方が親切ではあります。

また、債権者から、

「お宅の亡くなった方(被相続人)にお金を貸していたので相続人のあなたが返済してください」

と言われた時も、

「こちら、相続放棄の証明になります」

と見せ、証明に使うこともできます。

場合によっては債権者が相続放棄の証明を求めることがありますので、コピーして渡すこともあります。

利害関係人であれば裁判所から「相続放棄申述受理証明書」という書面を発行してもらうことも可能です。

こういった債権者との応対が嫌なら、こちらも弁護士や司法書士にお願いして代理してもらうことができます。

また、相続放棄後の事務処理が気になるのであれば、この点も弁護士や司法書士に相談するのがいいですね。

参照:
http://www.katuo-office.jp/

 

期限には要注意!場合によってはすぐに弁護士や司法書士へ

相続人の話し合いの席で「遺産はいりません」と話しただけでは相続放棄はできず、

相続放棄は裁判所でする必要があります。

これは最初の方でお話しした重要なポイントです。

この他に、相続放棄の手続きにはポイントが二つあります。
それは、

  • 相続放棄には期限がある
  • 必ず認められるわけではない

ということです。

相続放棄には期限が定められています。

期限を伸長する手続きがあるため、期限が徒過したら即アウトになるというわけではありません。

ただし、一応、「期限」であるわけですから、早め早めに手続きを進めることをお勧めします。

もし期限ぎりぎりで手続きしなければならないという場合は、急いで弁護士や司法書士に相談しましょう。

また、相続放棄は手続きをしたからといって必ず認められるわけではありません。

書類もきちんと提出し期限内に手続きもしたのに、認められないということもあり得ます。

認めるかどうかは裁判所の判断次第です。

これも重要なポイントですね。

 

最後に

相続放棄は裁判所に相続放棄を申述することにより行います。

相続放棄手続きは個人でもできるのですが、一つの相続において一度しか挑戦できません。

また、遺産の中に見落としているものがあるかもしれません。

相続放棄には期限が定められていることが特徴として挙げられます。

個人でもできる手続きだから「じゃあやってみよう」と軽く考えるより、

対象お金がかかっても専門家に相続の相談をした上で進めてもらうのが安全なのではないでしょうか。

専門家にお願いした場合も流れは同じですが、依頼人である相続人は専門家に手続きを代行してもらうということで、

面倒なところや難しいところは弁護士や司法書士がポイントをおさえて頑張ってくれるというメリットもあります。

法律の専門家に依頼した方が相続放棄の認められる確率も、ポイントを抑えている分上がることでしょう。

手続きとポイントを頭に入れたら、後は自分の相続ケースを法律家に相談するところからはじめてみてくださいね。