人が亡くなるとまず真っ先に考えるのが葬儀です。

慌ただしく葬儀の手配をし、葬儀が終わってほっとした瞬間に考えるのは、やはり身近な人を亡くしたという現実ではないでしょうか。

こればかりはどんな特効薬もなく、時間が心を癒してくれることを願うしかありません。

同居の家族の死であれば、ぽっかりの空いた日常に慣れるまで少し時間がかかるかもしれないですね。

しかし、葬儀の後に必要なのは心の癒しだけではありません。

こんな時にお金の話はしないで!

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、葬儀と同時または直後は遺産に合わせて相続手続きが必要になるのです。

そんなに急かさないで!

とも思うかもしれませんが、実は相続手続きの中には期限が定められているものもあることをご存知ですか?

相続手続きの

  • 方法
  • 流れ
  • 優先順位

について覚えておきましょう。

誰かが亡くなるのは悲しいことですが、手続きは待ってくれないのです。

待ってくれないからこそ優先順位の高い手続きから片付けてしまいましょう。

 

遺産の手続き多すぎ!死亡後はとにかく大変

相続の手続きは遺産に応じていくつかあります。

例えば

  • 不動産を受け継いだ → 不動産の名義変更
  • 預金を受け継いだ → 被相続人名義の口座を解約 → 引き出した現金を相続人間で分割

という手続きが必要になります。

遺産が多ければ相続税の課税対象になります。

相続税の手続きもしなければいけません。

亡くなった人の加入していた保険も関わってきます。

他に、亡くなった人が加入していたサービスがあればそれぞれ手続きしてゆく必要があります。

また、遺産は不動産やお金だけでなく,

  • 借金
  • 未払いの税金

といったマイナスも対象になります。

未払いのものはきっちり支払いを行い、借金が多ければ相応の解決方法の手続きをするというふうに,

「遺産それぞれの手続き」をしていくことが重要です。

しかし、それぞれの手続きがどんなところでどんなふうにできて、どんな書類が必要なのかがわかっていないとできないですよね。

相続で得意多い遺産に関する手続きを中心に話を進めます。

 

最優先はこれ!?期限のある手続も

相続に関わる手続きのポイントは、それぞれの遺産ごとに個別の手続きがあるということを押さえておくこと。

中には期限がある手続きもあるため期限のある手続きを優先的に行うということです。

  1. 検認
  2. 相続放棄
  3. 限定承認
  4. 遺産分割協議
  5. 相続税の申告
  6. 不動産の名義変更
  7. 預金の解約

代表的なものを個別に確認していきましょう。

期限があって特に最優先に行いたいのが「①検認」「②相続放棄」「③限定承認」です。

 

 

それぞれの手続き申請!中身は?

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ここからは個別の手続きについて説明します。

相続手続きといっても、全ての手続きを全てのケースで行わなければならないわけではありません。

例えば

  • 限定承認
  • 相続放棄

は同じ相続関係の代表的な手続きですが、相続放棄や限定承認を希望しなければする必要はありません。

自分の相続ケースに合わせてどの手続きが必要かを見極めることも大切です。

 

「検認」は裁判所での遺言チェック

自筆証書遺言などが手元にあれば、

遺言を記した本人が亡くなった後に裁判所に遺言を確認してもらう作業があります。

これを検認といいます。

ただ、検認は必ず必要な手続きではありません。

  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

などは法律のプロである公証役場の職員が関わっているので検認手続きは不要です。

また、遺言そのものがなければ検認はいりません。

手元に検認が必要であると法律で定められている様式の遺言があった時にだけ必要な手続きです。

なお、検認は遅滞なく行わなければならず時間もかかります。

速やかに裁判所へ申し立てましょう。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

「相続放棄」は裁判所へ書類提出!期限あり要注意

相続放棄は相続権そのものを放棄してしまう裁判所でする手続きです。

預金などのプラスの遺産だけでなく、借金などのマイナスの遺産も併せて相続しないことにできるため、借金の多い相続に有効な手続きです。

ただし相続に必須の手続きというわけではありませんので、必要な場合だけする手続きになります。

もし相続放棄をするのであれば期限があります。

期限を伸ばす手続きもあるのですが、なるべく期限内に終わるように早めに進めましょう。

申述は,民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。

 

「限定承認」も期限ありの手続き!

限定承認も裁判所で行う相続手続きですが、相続放棄や検認と同じく必須というわけではありません。

限定承認を望む場合だけ期限内に手続きをすることになります。

限定承認とは裁判所に遺産を確認してもらい、遺産のプラスの範囲内でのみマイナスも相続するという手続きです。

(引用)
申述は,民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。

 

「遺産分割協議」は相続人がする財産分割!作成は急ぎ?

遺産分割協議とは、相続人の話し合いで遺産の取り分を決めることです。

手続きに分類してはいますが、居間でテレビを見ながら

  • 「実家は兄ちゃんが相続していいよ」
  • 「じゃあそうする」

という話し合いでOKです。

難しく考える必要はありません。

遺産分割協議には期限はありませんが、

  • 相続放棄
  • 限定承認

をする場合は裁判所によって手続きが進みますので遺産分割協議をする余地はありません。

遺産分割協議も必須ではありません。

相続人の話し合いで遺産をわけたいと考えれば行えばいいです。

  • 遺産分割協議もせず
  • 遺言もなく
  • 相続放棄や限定承認もしない

ならば基本的に法律で定められた遺産の取り分が適用されます。

遺産分割協議をした時は遺産分割協議書を作成し、銀行や法務局での手続きに使います。

期限は特にありません。

参照:
http://www.tokyo-intl.com/

「相続税の申告」は期限があるけれど申請は長め

相続税の申告は税務署にて行います。

  • 申告書
  • 添付書類

を提出し、通知が届いたら税額を確認して払い込みをします。

ただ、日本において相続税が課税されるケースは100件に4件くらいの割合しかありません。

相続税の申告にも期限がありますが、相続放棄などより期限が長めに設定されています。

遺産額の算定は難しいため、相続税が課税される可能性があるなら、

効率的に手続きを進めるためにも税理士に相談することがお勧めです。

参照:
https://www.nta.go.jp/

「不動産の名義変更」は法務局!登記は司法書士へ

被相続人名義の不動産の名義を、相続人の名義に変更する手続きです。

法務局に

  • 登記申請書
  • 添付書類

を提出して行います。

特に期限はありません。

書類集めも含めて大変な手続きですので、登記の専門家である司法書士に相談することをお勧めします。

参照:
http://www.tokyo-intl.com/

銀行の「預金解約」はどうするの?

遺産の取り分に合わせてお金をわけるためには被相続人名義の口座を解約することになります。

解約の手順はほとんどの金融機関で同じで、必要書類をそろえて窓口に提出するという流れです。

解約には特に期限はありません。

現実は解約されないまま放置された口座が各金融機関にたくさん残っている状態です。

面倒であれば司法書士や弁護士に代理をお願いすることもできます。

なお、

  • 口座の解約
  • 不動産の名義変更
  • 限定承認
  • 相続放棄

などには戸籍謄本が必須になります。

 

もう一つのポイントは書類!戸籍謄本で証明しよう

相続に関する手続きでは、真っ先に戸籍謄本を準備してしまうことがお勧めです。

  • 預金を解約するにも
  • 不動産の名義を書き換えるにも
  • 相続放棄をするにも

戸籍謄本は必須です。

いわば戸籍謄本は相続の重要手続きのための必須書類ともいえるようなものなのです。

それはなぜかというと、相続の手続きはとても重要で厳格なものが多いからなのです。

不動産の名義を相続人のものに書き換えるとしても、話は「書き換えをお願いします」「わかりました」と簡単にはいきません。

なぜなら、不動産の名義を書き換えるということは、

不動産という高額の財産が動くに等しいことに他ならないからです。

預金も同じです。

皆さんは自分の預金が銀行側の杜撰な手続きでまったく関係のない人に下ろされてしまったら怒るのではないでしょうか。

相続も同じで、

  • 本当に口座の名義人は亡くなったのか?
  • 手続きをしに来た人は相続人で間違いないか?

を金融機関は厳しくチェックします。

そのチェックの際に見るのが、血縁関係や家族関係が確認できる戸籍謄本なのです。

遺産の重要な手続きほど戸籍謄本が必要になると考えていいでしょう。

参照:
http://www.city.setagaya.lg.jp/

 

相続人と被相続人全員の繋がりを戸籍謄本で証明

戸籍謄本は基本的に被相続人の出生から死亡時までのものが必要になります。

被相続人が転居している場合はそれぞれの自治体に連絡して取り寄せることになります。

戸籍を集めて相続関係がきちんと確認できるように繋げてみましょう。

例えば1950年1月1日生まれのAさんが2017年1月30日に亡くなったとすれば、

戸籍謄本を繋ぎ合わせてAさんの年表を作るように

  • 1950年の出生から
  • 2017年の死亡時まで

漏れがなく繋がるように戸籍謄本を取り寄せます。

参照:
http://souzoku-shiba.com/

途中の1980年から1985年が漏れていたら「生まれて亡くなったことはわかるでしょう」と思うかもしれませんが、そう簡単にはいきません。

なぜなら、その漏れている5年の間に隠し子が生まれている可能性もあるからです。

戸籍謄本から家族が気づかなかった新たな相続人が見つかることもあるのです。

戸籍謄本は相続人と被相続人の関係を証明する書類であると同時に、

これで相続人は全部で漏れはありません

と証明するための書類でもあります。

全部繋がるように取得しましょう。

手続き上は特に戸籍謄本の提出が求められないものでも、その手続きを管轄する官公庁や会社から問い合わせがあった場合もとても役に立ちます。

もし難しいと感じるなら、弁護士や司法書士に代わって取得してもらうことができます。

特に相続放棄をする時は期限の問題もありますので、たくさんの戸籍謄本が必要ならすぐに法律家に相談するのがいいですね。

参照:
http://www.koseki-souzoku.com/

http://www.souzoku-sp.jp/koseki/koseki.html

 

最後に

相続はそれぞれの相続ケースに合わせて手続きを行うことになります。

相続放棄をする人は相続放棄、遺産分割協議をする相続人たちは話し合いという流れです。

特に期限のある手続きには気をつける必要があります。

  • 弁護士
  • 司法書士

は税理士の管轄以外は全般的に相続人に代わって手続きができます。

面倒なら「お願いします」と託してしまうこともいいでしょう。

煩雑な書類集めなどに煩わされなくて済みます。

一つ、余談です。

戸籍謄本はたくさんの手続きで必要になりますが、同じ戸籍謄本を何枚も取得する必要はありません。

実は、使いまわしができるのです。

戸籍謄本の内容を記載した相続関係図を作成して一緒に提出すれば、多くの手続きでは戸籍謄本を確認した後、基本的に還付してもらうことができます。

色々な金融機関に口座を持っていても、金融機関の数だけ戸籍謄本を取得しなければいけないというわけではありません。

相続関係図は司法書士や弁護士にお願いすると作ってもらうことができますし、金融機関のホームページにテンプレートもありますので、相続時に作ってしまうととても便利です。

気になることがあれば、気軽に法律家に相談してみてください。