相続を放棄したい…でも、手続きは難しいのでしょうか?代理を頼むといくらかかる?

実は、相続放棄は、相続税申告や登記などと比べたら簡単にできます。

手続きの流れと、注意点を説明します。

 

相続放棄の手続をする前に確認しておきたいこと

a9049938cf17c8bad11036e638765471_s
相続放棄は、被相続人(亡くなった人)からの財産を、借金などの負債も含めて、

一切相続しないということを裁判所に報告する手続きです。

基本的に取り消すことはできないので、慎重に行う必要があります。

 

どんな人が相続放棄できるか、何のためにするのか

相続放棄には期限があり、自分が相続することを知った日から3ヶ月以内に手続きをしなくてはなりません。

この3ヶ月は熟慮期間といいます。

亡くなった人にどのような資産や負債があり、相続人は誰なのか調べる時期です。

調査に時間がかかるという場合は、家庭裁判所に手続きをとることで熟慮期間を延長することができます。

もし熟慮期間中に、亡くなった人のお金を自分のために使ったり、相続人として借金を払ったりすると、

法定単純承認として、相続を認めたことになってしまいます。

そうなると相続放棄することができなくなります。

なお、被相続人の生前に行うことはできません

通常は、借金の額がケタ外れに大きい場合など、資産よりも負債のほうが大きいときに行います。

家を残したい場合などは、負債と資産を同じ金額分で相続する限定承認という方法もあります。

 

遠い親戚に迷惑をかけないように、調査はきっちり行おう

相続放棄をすると、はじめから相続人でなかったことになります。

そのため、相続人が子または親の場合で、その人がすでに亡くなっている場合、

その子の子(亡くなった人からすると孫)または親(亡くなった人からすると祖父母)が相続する、代襲相続はできません。

相続放棄を行う前に、相続人の範囲をしっかり調べておくことが重要です。

その人以外の全員が相続放棄をすると、相続財産はすべてその人が相続することになります。

すると、知らないところで借金を背負わされていたということにもなりかねません。

そういった事態を防ぐために、しっかり調査を行うことです。

 

 

相続放棄手続きの具体的な方法

46eeee83100d6a1838a306cdbf998716_s
相続放棄をすることができ、しても問題がないことがわかったら、さっそく手続きを行います。

3ヶ月というのは意外とあっという間です。

お葬式や四十九日などでバタバタしていて気がつけば期限を過ぎてしまったということのないように注意しましょう。

 

どこで手続きをすればいい?専門家に依頼する場合は

相続放棄をする相続人がそれぞれ、裁判所申述書と添付書類を提出します。

裁判所は、亡くなった人の最後の住所を管轄する家庭裁判所で、だいたい各都道府県に1つずつあります。

原則、本人が手続きをしますが、相続人が未成年の場合は、親(法定代理人)が代わりにします。

司法書士や弁護士事務所に代行を依頼することができますが、あまりメリットはありません

手続き自体がさほど難しくなく、複雑な内容になることもほとんどありません。

郵送で行うこともできるので、日中忙しい人でも自分でできる場合が多いでしょう。

司法書士などに依頼すると、安くて2万円ほどかかります。

 

相続放棄手続きの流れ

実際に相続放棄手続きをするためには、次のような流れになります。

  1. まず、次の添付書類を手に入れます。
    ・被相続人の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍、原戸籍)
    ・被相続人の住民票除票
    ・相続人の戸籍謄本
  2. 相続放棄申述書を手に入れ、記載します。家庭裁判所でもらうことができますし、裁判所のホームページからダウンロードすることもできます。相続人と被相続人の住所や氏名、相続財産の概略を書くだけの簡単なものです。
  3. 申述書と添付書類、収入印紙800円(手数料)、返信用の切手を同封(金額は裁判所によって異なります)して、家庭裁判所に提出します。直接持っていってもいいですし、郵送でも構いません。
  4. 場合によっては、裁判所に呼び出され、事実確認のための面談が行われることがあります。

正しく申請すると、裁判所から相続放棄申述受理通知書が届きます。これで手続き終了です。

 

 

相続放棄手続きをした後に何かすることは?

2bdbd18feac7a37be0fa2096c511e577_s
相続放棄手続き完了後には、次のような手続きが必要になることがあります。

 

不動産屋や預金の名義変更をする際に必要となる、受理証明書

不動産を相続したときに登記(名義変更)する際、

相続人の中に相続放棄をした人がいると、相続放棄申述受理証明書が必要となります。

また、金融機関によりますが、預金の場合も同様です。

被相続人がお金を借りていた先(債権者)に相続放棄したことを証明する場合には、受理通知書のコピーで充分です。

ただ、債権者も利害関係人として、受理証明書を請求することができます。

相続放棄の手続きと同様、家庭裁判所に出向くか、郵送で申請書と添付書類を送ります。

添付書類は、免許証など本人確認書類のコピー被相続人・申請者の戸籍謄本手数料の収入印紙150円です。

 

相続放棄が受理されたかどうか、照会することもできる

受理証明書のほかにも、ある被相続人に対して相続放棄があったかどうか照会することができます。

手数料は無料です。

相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会申請書」に記入し、

相続放棄の申述や受理証明書と同様、戸籍謄本などを添付して家庭裁判所に送ります。

相続放棄した人はもちろん、他の相続人や債権者などの利害関係者も照会することができます。

 

相続放棄をしたものの、やはり取り消したい場合は

前述のとおり、相続放棄は受理されると取り消すことはできません。

受理される前なら、取り下げることができます。

ただし、その相続放棄自体がもともと法律的に正しくないものであれば、話は変わってきます。

錯誤による無効詐欺や脅迫による取り消しが認められる場合があるのです。

錯誤による無効とは、相続放棄をするかどうかに関わる重要な事実を間違って認識していた場合、

その相続放棄をはじめからなかったことにするものです。

例えば、財産が多すぎて、相当の努力をしたけれど借金の存在を知ることができなかった場合には可能性があります。

また、相続放棄が詐欺や脅迫によって行われたものであれば、取り消すことができます。

例えば、相続人の一人が財産を自分のものにするために嘘をついた場合などは、詐欺にあたります。

詐欺や脅迫が行われたことを証明する必要があるため、弁護士に依頼したほうがいいでしょう。

だまされたと気づいたから6ヶ月以内、かつ相続放棄から10年以内に手続きを取る必要があります。

手続きは家庭裁判所に「相続放棄の取り消しの申述」をします。

相続放棄の手続と違って郵送だけでは済まず、裁判所に出向いて事情を説明することになります。

 

 

まとめ

相続放棄についてのポイントは、

  • 相続開始を知ってから3ヶ月に行うが、事情があればこの期間は延長することもできる
  • 原則的に取り消すことができないので、慎重に行うこと
  • 必要なものは申述書と戸籍謄本など。記入が難しい書類ではなく、郵送でも可能
  • 相続登記などの際には、相続放棄申述受理証明書が必要になることがある

しっかり調べれば自分でもできますので、確認してみてください。

 

c8417b629d6e34a2ab72fedfe736f0b6_s

この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー ファイコロジスト山田

不動産から為替相場の予想まで、お金に関するテーマについて幅広く執筆。
相続に関連して実家を失ったことがある。
これらの経験から、相続関係業務のモットーは「運用を含めた総合的な人生設計」「関係者全員が納得する分割」。