相続放棄には期限が定められています。

基本的にその期限内にきちんと手続きをしてくださいということが相続放棄の基本になります。

なぜこのような期限が定められているかというと、

相続によって相続人が受け継ぐ遺産が何時までも不安定な状態に置かれてしまうと大変だからという理由があります。

さて、そんな相続放棄の期限。

この期限について覚えておくべきことはあるのでしょうか。

また、期限内であれば、相続放棄の撤回なども認められるのでしょうか?

  • 相続放棄は期限内に!
  • 期限内だったら撤回OK?

相続放棄についての素朴な疑問に迫ります。

 

相続放棄の期限とは!手続きの重要ポイント

相続放棄の期限とは「自己のために相続があったと知ってから三ヶ月以内」です。

参照:
http://www.courts.go.jp/

基本的にこの期限内に相続放棄手続きを終わらせることになります。

なぜこのような期限が定められているかというと、それは「財産が誰の持ち主かはっきりさせた方がいいから」という理由が第一にあります。

考えてみてください。

皆さんが土地や家を購入したいと考えていた時に、その不動産の持ち主が亡くなってしまいました。

相続人に売買を申し入れると

「ああ、相続放棄するかもしれないんだよね。ちょっと待ってね」

という何ともあやふやな解答です。

一週間ほど時間を置いてもう一度話をしても「ごめんね、まだ考え中」との答えでした。

相続放棄の期間が十年だったとします。

あるいは期限そのものが存在しなかったとします。

そうすると、遺産の中の特定のものを欲している人が、誰が持ち主で誰に交渉すればいいかわからないというデメリットが生じます。

個人の売買だけでなく、もしその不動産を国や都道府県が買い上げて道路を引くという話になったらどうでしょう。

やはり、何時までも

  • 誰のもの?
  • 誰に権利があるの?
  • 相続放棄するの?しないの?

を宙ぶらりんにしておくと困ったことになります。

後で揉め事の種になりますよね。

だからこそ相続放棄をはじめとしたいくつかの手続きには

  • 誰のものか早くはっきりさせよう
  • そうしなければ第三者が困ってしまう

という理由で期限が定められています。

もちろん、それだけが理由ではないのですが、これは期限が存在することの重要ポイントに違いありません。

相続放棄には期限あり!

それは「自分のために相続があったことを知ってから三ヶ月」と定められており、なるべく早期に誰の財産になるのかを確定される方向になっています。

この理由が全てというわけではありませんが、

  • 誰のものか
  • 手続きするかどうか

があやふやなのはいけないということですね。

 

基本は期限内に!ただし相続放棄の期限は伸長も

相続放棄には基本的にこのように期限が定められています。

しかし、相続は個別の家族形態や事情が異なることも考えなければいけません。

ですから、この期限を伸長する手続きも用意されています。

基本は三ヶ月ですが、

裁判所に事情を話してきちんと手続きすれば期限を延ばしてもらうこともできるというわけです。

また、期限の三ヶ月は

「被相続人が亡くなった時から三ヶ月の起算が始まる」

というわけではありません。

同居していた長男は被相続人の死をすぐに知ることができ、自分が相続人だということもすぐにわかります。

しかし、本来は相続人ではなかったはずなのに、

被相続人の、

  • 配偶者
  • 子供

が続けて相続放棄してしまった結果、

被相続人の死から二ヶ月半経ってから突然相続人になってしまった人についてはわけて考える必要があるのではないでしょうか。

後者の方が期限的にずれると考えないと気の毒になってしまいます。

期限の起算点は必ずしも被相続人の死の瞬間ではありません。

個別の事情によります。

ただし、期限の起算点は実際に揉め事になってから「知ったのが後だったもん!」と主張するより、

知った時点で大急ぎで法律家のところに駆け込んで必要な手続きをしてもらった方が安心ではないでしょうか。

ここまでは相続放棄の期限に関する基礎です。

ここから、期限に関する疑問について話を広げます。

疑問とは「期限内だったら○○できる?」という疑問です。

参照:
http://www.meiji-houmu.jp/

 

期限内に相続が二回起きたらどうなるの?

相続放棄のもう一つの重要なポイントは、相続放棄は一度しかチャンスがないということです。

例えば

  1. お父さんが亡くなり
  2. 息子一人が相続人

になりました。

息子は相続放棄の手続きをしましたが、裁判所に認めてもらえませんでした。

つまり、相続放棄失敗です。

認められなかったからといってもう一度相続放棄の手続きができるかというと、それはできません。

相続放棄の手続きは期限内であってもたった一度しかできないということを覚えておきましょう。

期限内だからといって何度も何度もできない、期限内でも制限があるということです。

たった一度のチャンスに挑んでくださいということです。

なお、この場合に気をつけなければならないのは、違う相続であればこの限りではないということです。

では、期限内に二つの相続が発生したらどうでしょうか。

お父さんが亡くなり、三ヶ月以内に相続放棄をして認められませんでした。

同じ三ヶ月の期間内に続けて母親が亡くなって相続放棄をしたいのですが、

相続放棄とはそもそも期間内に一度しかできないのだとしたら、息子はもう父親の相続で相続放棄を使ってしまっていますから、母親の相続ではできないことになってしまいますよね。

このあたりはどうなのでしょう。

これに関しては問題ありません。

相続放棄は各相続で一度です。

  • 父親の相続に関して三ヶ月という期限内に一度のチャンス
  • それとは別に母親の相続に関しては別期限でチャンス

が一度になります。

相続別に一度、そして期限が別に算定されるということです。

その三ヶ月の期間内に別の相続が起きたら、そちらはきちんと手続きできますので安心してください。

参照:
https://www.bengo4.com/

 

期間内であれば相続放棄の撤回はできるの?

また、こんな事例については、皆さんどう思われますか?

ある人が相続放棄を申請し、相続放棄が認められました。

しかしその人が後でじっくり考えると、遺産のマイナスよりプラスの方が少し多い気がして、

相続放棄をしなくてもよかったような気がします。

まだ被相続人が亡くなってから一ヶ月しか経っておらず、相続放棄のできる期間内です。

この期間内であれば「相続放棄やっぱりナシ!」と撤回することはできるのでしょうか?

 

相続放棄の撤回はダメ!ただし一部例外あり

相続放棄は一度手続きすると撤回は認められていません。

なぜなら、「やっぱりナシ」ということを認めてしまうと、せっかく遺産の帰属先が見つかったのに、また財産が不安定な状態に逆戻りしてしまうことになるからです。

日本の法律は財産の持ち主が誰なのかわからないという状況においては、なるべく早く持ち主を確定させる方向で定められています。

遺産の一つである不動産に対し売買の申し入れをしようと思っていた第三者は「いい加減にしろ」と思うことでしょう。

債権者だって困ってしまいますね。

このように色々な理由があって、相続放棄は一度きりのチャンスであり、一度相続放棄が認められたら撤回することはできません。

周りに迷惑もかけますからやめてくださいねということです。

ただし、相続放棄が

  • 脅迫
  • 詐欺

によって行われたものである場合など、一部の事情があれば取消が認められることがあります。

 

最後に

相続放棄には期限が定まっていて、その期限内であれば柔軟に手続きに対処できるかというとそうではありません。

一つの相続に対してチャンスは一度きりですし、一度した相続放棄の撤回は基本的にできません。

期限内だからといって「やっぱりナシ」はできませんので、よく考えて手続きをすることが必要なのです。