相続放棄手続きは何時でもできるというわけではありません。

法律で相続放棄ができる期限が定まっており、基本的にその期限内に手続きを終わらせることが必要になります。

相続後にあたふたしていて期限ぎりぎりに手続きしたが何とか終わった!

ということであればいいのですが、

相続手続きが面倒で放置しているうちに何年も経過していたということであれば、

どれだけ借金をしていても相続放棄をすることが難しくなります。

面倒でもサボったらデメリットあり!これが相続放棄手続きの基本なのです。

現在、日本では毎年約6万人の人が自己破産をしていますが、

その中の何人かは

  1. 相続放棄をサボって
  2. あるいは相続放棄という手続きについてよく知らず
  3. 手続きせずに借金相続してしまい

結果、自己破産に繋がっているようです。

そうならないために、特に「期限」にスポットを当てて相続放棄についてお話ししたいと思います。

相続放棄の期限はちょっと特殊!

具体例を使ってきっちり覚えてしまいましょう。

 

相続放棄の期限は三カ月!いつから?

まず相続放棄の期限ですが、

自己のために相続の開始があったことを知ったときから三カ月以内

と決まっています。

三カ月以内というのは何となくわかりますね。

しかし、「自己のために相続の開始があったことを知った時」という部分がもやっとくるのではないでしょうか。

亡くなってからではないの?と疑問に感じると思います。

そうなのです。

相続放棄の手続きは、被相続人が亡くなってから三カ月ではないのです。

ここは重要なポイントですからしっかりと覚えておきましょう。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

三カ月は「死んでから」ではない!期限とは

では、「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは何なのでしょう。

これはつまり、相続人一人一人の事情に合わせて期限が多少異なってくることを意味します。

例えば、同居している親族が亡くなって

  • 自分が葬儀の喪主をしたり
  • 喪主ではなくても葬儀の要として手伝ったり

していた相続人がいたとしますよね。

この人の場合はどうかというと、被相続人が亡くなってすぐに「ご臨終です」と伝えられているわけですから、

亡くなってすぐに知っているわけですよね。

亡くなった瞬間に「ああ、亡くなったのだ」と知ってしまっているわけです。

それでは、遠縁に住んでいる親族はどうでしょう。

例えば亡くなった人の娘であればいかがでしょうか。

長男が実家で父親と同居しており、この度、病院で息を引き取りました。

長男からすぐに

「親父がさっき亡くなったよ。これから葬儀だから」

電話があったとします。

そうすると娘もやはりすぐに父親が亡くなり、相続が始まっていることを知ってしまっていることになりますよね。

連絡による微妙な時間差はありますが、こういった事例ではすぐに知ってしまっていると考えることができます。

長男や娘は父親の死に際して葬儀の準備などばたばたと忙しいですが、

そのばたばたの間にも相続放棄の期限は刻々と迫っているということです。

これは典型的なパターンです。

基本は被相続人が亡くなって三カ月が期限です。

しかし、世の中には小説より奇なる事柄がたくさんあります。

単純に「死んでから三カ月」と法律が定めていない意味はそこにあります。

 

そもそも自分が相続人だと知らないことも!遠縁の相続

もう一つの事例を考えてみましょう。

ある日、遠方の親族からA君に「あなたの伯父様が亡くなりました」という連絡がありました。

その遠方の親族はA君の家とはほとんど付き合いがなかったため、十数年間連絡を取り合ったことがありませんでした。

A君自身、名乗られてもすぐに自分の親族だとはわからなかったくらいです。

電話口で話を聞いていると、どうやら伯父が亡くなったのは十年前であるとのこと。

そして、何と伯父には

  • 配偶者も子供もなく
  • 死の時点で両親も他界しており
  • しかも伯父の弟であるA君の父親も他界していた

としましょう。

結果的にほぼ面識のないA君がたった一人の相続人になってしまったのです。

しかし、ここで問題が発生します。

何と伯父は多額の借金も残していたのです。

このままではA君は面識のほとんどない伯父の相続人として多額の借金を背負ってしまうことになります。

さて、ここで、

「自己のために相続の開始があったことを知った時」

という相続放棄の期限を思い出してください。

この場合、A君はどうなってしまうのでしょう。

答えについてはもう少しお待ちくださいね。

では、次の事例を見てみましょう。

 

相続放棄が相次いだ結果の相続人!この事例は?

ある日Bさんは電話で親族である相続人が相続放棄をした結果、自分が相続人になってしまったことを知りました。

相続放棄をしても「〇〇さんが相続放棄をしました」という通知は裁判所から届きませんから、

相続放棄をした元相続人が周囲に教えていなければBさんにも分かりません。

ある相続人が相続放棄をした結果、認められ、最初から相続人ではなかったことになりました。

最初から相続人ではなくなるわけですから相続関係が変わります。

変わった結果、本来は相続人ではなかったはずのBさんが相続放棄によって相続人になってしまったのです。

それをBさんは元相続人の相続放棄後、被相続人の死から三カ月以上経ってから知りました。

被相続人は多額の借金を残しており、このままではBさんは多額の借金を背負ってしまうことになります。

しかし、期限には三カ月という記載があって、これはもう相続放棄できないパターンでは?

と思い悩んでしまいました。

 

「死」からではなく「知った時」の文言がポイント

相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時から三カ月」です。

なぜ「死んでから」「死から」という表現を使っていないのかというと、

それはA君やBさんのような人も相続放棄ができるようにするためです。

相続人ではない、

  • ほぼ面識がない人の死を知らなかった/li>
  • 相続財産があるなんて知らなかった

こんな時は、必ずしも三カ月の算定期間が被相続人の死からではなく、

自分が相続人になってきたことを初めて知った

などのまさに「知った時」と考えることができます。

判例では死んだときから絶対に開始されるわけではなく、算定期間がずれる可能性があることが示されています。

A君もBさんも裁判所にきちんと事情を話し、法律家に手伝ってもらえば、相続放棄をすることができる可能性がきちんと残されているのです。

もし一概に死後三カ月が期限としてしまうと、世の中には気の毒な相続ケースがあふれてしまうことでしょう。

死んでから絶対に三カ月が相続放棄の期間というわけではないということですね。

参照:
http://www.meiji-houmu.jp/

 

最後に

相続放棄は期限が定められた手続きです。

しかし期限に関しては各事例によって裁判所側が判断します。

手続きに時間がかかってしまうこともありますから、期限を伸長する手続きも存在しています。

また、三カ月過ぎたからできないと一概に決められているわけでもありません。

サボって期限を徒過するのはいけませんが、A君やBさんのように

  • 心底知らなかった時
  • 手続きに時間がかかる場合

などは期限伸長などの手続きも用意されています。

私は相続放棄できる?

そう思うなら、最寄りの弁護士や司法書士にすぐに相談するのがいいでしょう。