皆さんは「相続」と聞くとどんな方法を想像しますか?

え、相続って相続じゃないの?

相続に方法ってあるの?と驚くかもしれません。

確かにその通り、相続は相続です。

しかし、相続にはいくつかの「相続方法」があります。

法律では相続について定めた条文があり、相続の発生時期から相続人の遺産の取り分まで指定されています。

しかしこれは絶対ではなく、相続はそれぞれの家庭の事情に合わせて方法を選択することができるのです。

よく耳にする

  • 遺産分割協議
  • 相続放棄

と相続の方法、取り得る一つの選択肢といえるでしょう。

相続は相続であるのですが、取り得る選択肢は意外に多いのです。

今回は相続の取り得る選択肢である「方法」について解説します。

これは相続の基礎知識です。

意外に知らなかった選択肢もあって、あなたの相続に対する考え方も変わるかも?

 

相続は「相続」の二字におさまる単純なものではない?

相続によって相続人は被相続人の遺産を受け継ぐことになります。

日本の法律では相続は死の瞬間に始まる(民法882条)と定められています。

具体的に相続登記や預金の相続手続きをした時ではなく、誰かが亡くなった瞬間にもう相続は起きているのです。

「既に起きているのでは相続放棄をしようと考えていても出来ないのでは?」

と心配になる方もいるかもしれませんが、その点はご心配なく。

法的にはこのように死の瞬間に相続が発生していることになるのですが、

相続放棄などの相続の選択肢は法律で定められた相続の瞬間である死の後にすることができます。

むしろ相続放棄に関しては、相続が起きる前にあらかじめ手続きできないことになっています。

相続放棄も相続における選択肢の一つ。

この他にも、相続にはそれぞれの家庭の事情に合わせて選択肢を選ぶことができるように、

いくつもの方法が用意されているのです。

相続や葬式で思考がいっぱいになってしまう前に、

  • 相続にはどんな方法があるのか
  • どんな選択肢を誰が執ることができるのか

知っておきましょう。

参照:
http://www.neway.jp/

 

相続にも選べる5つの選択肢!

相続における選択肢は主に5つです。

  • 単純承認
  • 遺言
  • 遺産分割協議
  • 相続放棄
  • 限定承認

という、5つの方法の中から自分の家庭事情、相続事情に合わせて選ぶことができるようになっています。

何もしなければ法律に則って相続することになるのですが、遺言や遺産分割協議があれば、

  • 財産の処分は自分で決めるのがいいね
  • 家族の事情に合わせて遺産の取り分を決めるなら、そっちの方が優先でいいよ

というスタンスを日本の法律はとっているため、法律で定められた相続の遺産分割割合に優先することになっています。

また、今回は取り上げませんが、「遺贈」という方法も一つの選択肢です。

要するに誰かに「私が死んだらこの不動産をあげるね」と約束し、あげてしまうことをいいます。

亡くなったことを原因にプレゼントする方法です。

遺贈は遺言書を使ってすることも多いため、今回は遺言を中心に話を進めたいと思います。

参照:
http://www.tokyo-intl.com/

 

家族に合わせて相続を考えよう!5つの方法

それでは、ここからは、具体的に相続における選択肢をお話ししていきます。

相続は確かに相続ではあるのですが、誰が遺産の分割割合を決めるのか、誰の意思によってなのか、などによって選択肢が変わってきます。

また、相続の状況によっても方法が変わってきます。

これらの相続の方法を決める上では、

  • 相続人の事情
  • 亡くなった人の意思
  • 遺産の状況(プラスが多いのかそれともマイナスが多いのか)

を考慮する必要があります。

 

1、単純承認

法律通りに相続をするという方法が単純承認です。

遺言もなく、相続人同士の話し合いで決めるわけでもなく、限定承認もしない。

何もせず成り行きに任せると、基本的にはこの「法律通りに遺産を分割する」という相続の方法になります。

  • 遺言
  • 遺産分割協議
  • 限定承認
  • 相続人全員の相続放棄

などをするなら、基本的にそちらがこの法律による遺産分割に優先します。

遺産はもともと亡くなった人の財産でした。

相続人は基本的に、

  • 配偶者
  • 子供
  • 両親

といった相続人にとても近しく、場合によっては死の直前まで一緒に住んでいた人たちがなることが多いです。

だからこそ日本の法律は、

「被相続人や相続人が遺産の処分を自分たちの都合に合わせてするならその方がいいよね」というスタンスなのです。

法律通りの相続は、皆さんよく耳にする方法ではないでしょうか。

相続人には順位があり、順位に合わせて遺産の取り分が定められています。

  • 順位1位 配偶者、子供
  • 順位2位 亡くなった人の両親
  • 順位3位 亡くなった人の兄弟姉妹

有名なのでどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

  • 相続時になりゆきに任せる場合
  • あるいは法律通りにやろうと決めた場合
  • 他の選択肢を選ばなかった場合

などには、この法律通りの遺産分割になります。

遺産相続で揉めた場合、ケースバイケースではあるのですが、裁判所でもこの法律通りの分割を採用することがあるようです。

参照:
https://www.nta.go.jp/

 

2、遺言

遺言とは「遺言書」をしたためて、

被相続人が自分の財産(遺産)の分割や処分を決める方法です。

死後に遺言書という自筆の書面で自分の希望を伝えるというわけですね。

ただし、「死人に口なし」という言葉があるように、遺言には厳格な法律上の決まりごとがあります。

  • タイプライターではNG!
  • 署名捺印、日付も入れてください!

などなど、亡くなった人がきちんと本人の意思をしたためたものなのかを確認できるように、

法律上の遺言書記載ルールを守らなければならないのです。

なぜなら、亡くなった人に意思の確認をすることはできないから。

死後にその人の財産処分の意思を確認することができないからこそ、遺言は法律上のルールを守って作成されなければいけません。

なお、遺言にはいくつかの方式があります。

自筆証書遺言という自分で作る遺言もあるのですが、

後に遺産相続で相続人が揉めないように、公証役場に手伝ってもらって作る

  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

がおすすめです。

遺言は「被相続人の意思による遺産相続」といえるでしょう。

参照:
http://minami-s.jp/

 

3、遺産分割協議

対して「相続人の都合による遺産相続」がこの遺産分割協議です。

遺産分割協議とは、相続人で話し合って遺産の取り分を決めることです。

ちょっとお茶をしながら相続人全員で遺産の処分や分割の割合を決め、相続人全員が合意したら終了です。

各家族によって都会に住んでいて田舎の実家が遺産など、ちょっと困った事情だってあることでしょう。

こんな時に、相続人全員で合ってどうするか決めるのです。

例えば長男と次男が相続人だったとします。

  • 兄ちゃんが実家を相続していいよ
  • じゃあそうするわ

これで遺産分割協議終了です。

よくある長男が全部相続するパターンです。

これも一種の遺産分割協議です。

遺産分割協議で決めた内容は遺産分割協議書にまとめることが一般的です。

弁護士や司法書士に相談すれば必要事項を不備なく記載した遺産分割協議書を作成してもらうことができます。

もちろん自分で作成することもできるのですが、

「あ、決めた内容の一部を書き忘れていた」となって揉め事が起きないように、

できれば専門家に相談して不備なく進めるのがいいでしょう。

参照:
http://www.tokyo-intl.com/

 

4、相続放棄

相続放棄とは、

  • 預金や不動産などの遺産のプラス
  • 借金などのマイナス

をどちらも「放棄します」といって裁判所での手続きで放棄してしまうことをいいます。

相続放棄の手続きが滞りなく済むと、その人はその相続に限って最初から相続人ではなかったことになります。

よく借金相続には相続放棄が有効という話を耳にしますよね。

遺産が預金ばかりで全部がプラス、借金が一切ないという人であれば、相続放棄はあまり考えないかもしれません。

プラスが多い人でも「相続争いに巻き込まれたくない」などの理由があれば相続放棄はできるのですが、

一般的に借金などのマイナスが多い時に選択される方法です。

なお、相続放棄は相続人それぞれが他の相続人の承諾なくすることができます。

この点を次の限定承認とよく比べてみてください。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

5、限定承認

限定承認とは、相続のプラスに応じてマイナスを受け継ぐという方法です。

  • プラスとマイナスが拮抗している時
  • 相続はしたいけれど大きなマイナスを背負うのは勘弁して欲しいという時

遺産のプラスに応じてマイナスを受け継ぐことができます。

手続きは裁判所で行い、きちんと遺産のプラスとマイナスを計算した上で手続きを進めていきます。

相続放棄と同じく相続の選択肢の一つであり裁判所でしかできないという特徴があるのですが、

限定承認に特有の特徴として相続人全員でしなければいけないというものがあります。

相続放棄は相続人それぞれができますが、限定承認は相続人全員が「限定承認でいきます」とそろって手続きすることになります。

そうしないと計算が煩雑になってしまうからです。

参照:
http://www.courts.go.jp/

 

最後に

一言で「相続」といっても、実は選択肢が多いです。

相続放棄などはよく耳にすると思うのですが、限定承認に関してはどうですか?「こんな方法があったの?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

相続は誰かの死が絡むからこそ気軽に話題にできないところがあります。

しかし、亡くなった人の財産は家族の今後の生活にも深くかかわって来ることでしょう。

相続にはいくつか選択肢があり、相続ケースによってどれが適切か変わってくることでしょう。

「我が家の場合はどうだろう?」と思ったら、弁護士や司法書士に相談してみるのがいいでしょう。