皆さんは相続対策について考えたことがありますか。

相続に効果的な方法の中には、いざ相続が始まってしまってからでは手遅れというものがいくつかあります。

相続発生後に既に手遅れになってしまう方法の代表例としては、生前贈与が挙げられます。

生前贈与は自分の渡したい人に財産を生きているうちに渡してしまう方法です。

相続税対策としてよく用いられる方法ですが、この生前贈与は相続が始まってからでは選択することができません。

この他に、生前から選択しておかなければ、死後に選択することが難しい相続対策があります。

皆さんは「リバースモーゲージ」という言葉を耳にしたことはありませんか?

  • 社会福祉協議会
  • 金融機関

で提供しているリバースモーゲージについてお話しします。

上手く使えば相続対策になる方法、それがリバースモーゲージなのです。

 

リバースモーゲージは「逆抵当」

リバースモーゲージとは逆抵当のことです。

日本では東京の武蔵野市がはじめて取り入れた方法でした。

抵当というと、自分の所有する不動産に担保を設定する方法という印象があることでしょう。

確かに抵当権という用語の一般的な使い方は、不動産担保を意味します。

お金を貸してもらう時に

  • 自分
  • または他人所有

不動産に抵当権を設定し、返済できなかった時には競売にかけられて返済額に充当される。

これが一般的な抵当権というものの印象であることでしょう。

リバースモーゲージの「モーゲージ」は「抵当」という意味ですが、この一般的な抵当権とは使い方が少し異なっています。

一般的な抵当権は、付着していれば相続のお邪魔虫という存在です。

なぜなら、借金の担保という扱いですから、相続後に不動産を売却しようとしても、

  • いつ抵当権が実行されて不動産を競売にかけられるかわからないから怖い
  • 購入するなら抵当権のついていない不動産がいい

と考える人が多いからです。

確かに一軒家を購入したらいきなり借金のかたとして購入したばかりの不動産を持って行かれてしまうのは嫌ですよね。

相続した不動産に抵当権がついている場合、

  • 処分しようとしても買い手がつかない
  • あるいは一般的な価格より安く売却される

ことになります。

もしくは、相続後に抵当権を外して処分することになります。

抵当権を外すとしても、抵当権者はお金を貸しているわけですから、「外してください」「わかりました」というふうに簡単に進むことはなかなかありません。

抵当権を外して欲しければ弁済してくださいという話になることでしょう。

参照:
http://www.musashinobank.co.jp/

 

抵当権はお邪魔虫!でもリバースモーゲージは

一般的な抵当権の話はこのくらいにして、今度はリバースモーゲージについてもう少し詳しくお話しします。

リバースモーゲージの「モーゲージ」は前述した通り「抵当」という意味です。

ここまででお話しした一般的な抵当権とはどんなところが違うのでしょう。

本来なら相続のお邪魔虫になるはずの抵当がなぜ相続対策になるのでしょうか。

 

リバースモーゲージの仕組み

なぜ相続対策にリバースモーゲージや役に立つのかをお話しする前に、まずはその仕組みから簡単に解説します。

リバースモーゲージの仕組みは簡単です。

まず、リバースモーゲージを提供している

  • 社会福祉協会
  • 金融機関

に申し込みを行います。

すると、金融機関や社会福祉協議会は不動産の査定を行います。

申込者は不動産を担保として提供することにより、査定額分の融資をしてもらえます。

融資終了後は融資してくれた金融機関や団体側に不動産の所有権が移る仕組みです。

厳密にはもう少し細かな手順ですが、大体はこの流れで行われますので、ざっくりと覚えてしまってください。

簡単に流れを見ただけで、

  • 借金の担保として設定する抵当権
  • リバースモーゲージ

ではニュアンスが少し違っているようだぞと思いませんか?

 

リバースモーゲージ活用例

わかりやすいように、具体例で流れと仕組みを説明します。

Aさんはリバースモーゲージの申し込みを行いました。

金融機関はAさんが担保として提供を希望している持ち家を査定し、1,500万円の価値があるという結果を出しました。

金融機関は年金のように毎月10万円ずつAさんに融資しました。

一定期間の融資後に、Aさんの持ち家は金融機関側の所有となりました。

いかがでしょう。

リバースモーゲージがどんなものか、大体わかっていただけたのではないでしょうか。

ポイントは、リバースモーゲージの利用により、

  • 資金援助をしてもらえる
  • 不動産の所有が金融機関(団体)側に移る

という点です。

相続発生後に不動産を処分する場合は、

  • 売却
  • 賃貸
  • 空き家

として管理するという3つの方法が基本になります。

生前から不動産処分のために動くことにより、リバースモーゲージという選択肢が一つ加わることになるのです。

リバースモーゲージを上手く使うことによって、

  • 老後の生活資金捻出
  • 不動産処分

同時に行うことが可能になります。

不動産の売却も老後資金捻出の方法として使えます。

一見してリバースモーゲージと売却は似ているように感じられるかもしれません。

売却はそのものズバリ不動産を売る方法で、リバースモーゲージは借金のかたならぬ融資のかたとして持って行かれるという性質の違いで覚えてしまいましょう。

参照:
http://www.joyobank.co.jp/

 

メリットのあるリバースモーゲージにも・・・

生前から不動産の処分に悩んでいる場合、

売却という方法だけでなくこのリバースモーゲージという方法を検討するメリットがあります。

しかし、リバースモーゲージにも欠点があります。

この欠点が、相続対策と老後の資金捻出において非常に有効なサービスであるリバースモーゲージを使い難くしているのです。

 

リバースモーゲージのデメリット

例えばAさんがリバースモーゲージというサービスを知って、自分の管理する空き家の処分と老後の資金捻出のために契約しようとしたとします。

しかし、リバースモーゲージの契約のためにはローンのような審査があります。

最大の欠点としては、「リバースモーゲージはある程度の資産価値のある不動産しか対象にできない」というものがあります。

リバースモーゲージを提供している金融機関や団体で基準を決めています。

Aさんが申し込んだリバースモーゲージでは基準が1,000万円だった場合、Aさんの不動産がそれ以上に資産価値を持つ場合は契約できる可能性が高いのですが、

  • 長年空き家で廃屋化していたり
  • 地方都市にあったり

すると、基準に満たずに断られてしまう可能性が高いです。

地方土地では

  • 土地の所有権
  • 中古物件

セットで1,000万円を切るような空き家物件がごろごろしています。

リバースモーゲージの利用を検討したいと考える人はそんな不動産こそ手放したいと考えるのではないでしょうか。

痒いところにいまいち手が届いていないサービスという欠点が指摘されています。

 

最後に

リバースモーゲージはある程度の資産価値のある不動産

  • 処分する
  • と同時に融資を受ける

ことのできるサービスです。

生前に死後の不動産対策ができますし、家族が空き家相続をすることも防ぐことができます。

しかし欠点として、ある程度の経済的な価値のある不動産しか契約対象にできないという点があります。

この欠点により、

  • 手放したい不動産ほど手元に残り
  • 手放したくない不動産ほどリバースモーゲージに向く

という状況になっています。

ただ相続対策として使えるサービスの一つですので、覚えておいて損はありません。

リバースモーゲージの活用を検討する場合は、事前に法律家やサービスを提供している金融機関や団体、FPなどに相談することをお勧めします。