「不動産を相続することになったけれど、現地に行かなくても良いのかな?」と疑問に思う人も少なくないはずです。

結論から言うと、相続税の節税になるため、現地調査は行うべきです!

現地調査は相続手続きにおいて必須ではありませんが、行えば評価額を下げられる可能性があります。

なぜなら、相続する不動産を現地で調べることで、土地の評価額を下げる要素が見つかることが多いためです。

今回は、不動産の現地調査のメリットや方法、節税例などをご紹介します。

不動産を相続するなら、現地調査を行って相続税を節税しましょう。

不動産の現地調査とは?

不動産の現地調査とは、実際に不動産のある現地に行って、建物や土地、周辺の道路の状況などを調べることです。

現地調査を行うことによって、書類だけではわからない詳しい不動産の状況がわかります。

もちろん、不動産を相続するにあたって、現地調査は必ず行わなければならないものではありません。

しかし、不動産の現地調査をすれば相続税を節税できるなどのメリットがあります。

まずは、不動産の現地調査を行うメリットを確認しておきましょう。

不動産の現地調査を行う3つのメリット

不動産の現地調査を行ってから相続手続きをすることで、以下のようなメリットがあります。

メリット1.相続税が節税できる
メリット2.書類の誤りに気づける
メリット3.相続人が納得する遺産分割ができる

それぞれのメリットについて、順番に確認していきましょう。

メリット1.相続税が節税できる

不動産の現地調査を行うことで、相続税の節税ができることがあります。

不動産を相続する際には、相続税の計算のときに不動産の評価額を算出しなければなりません。

不動産の評価額については、土地が存在する住所に応じた路線価という価格が大まかに決められています。

しかし、不動産の状況によっては、路線価から減額できる場合が多いのです。

評価額を減額できるかどうかを知るためには、現地に行って道路や土地の状況などを確認することが必要となります。

不動産の現地調査を行って、相続税をできるだけかけずに相続しましょう。

具体的な節税例については、のちほどご紹介します。

メリット2.書類の誤りに気づける

不動産の現地調査を行うことで、法務局の登記や市役所の固定資産台帳との不一致に気づくことができます。

実は、現地の状況と、登記や固定資産台帳の情報は異なっていることが多いです。

法務局の登記だけを見て相続人の間で遺産を分けると、誤ったままの情報で遺産分割してしまうかもしれません。

また、市役所の調査に基づく固定資産台帳によって課税は行われますが、現地に存在しない建物が課税されるということもあるのです。

不動産の現地調査を行っておけば、遺産分割に抜けを生んだり、必要以上の固定資産税を納めたりすることがなくなります。

メリット3.相続人が納得する遺産分割ができる

不動産の現地調査を行うことで、遺産分割で揉める可能性を下げることができます。

なぜなら、相続人の希望に合った土地かどうかを現地に行って確認できるためです。

円滑に相続を行うには、相続人が納得する遺産分割を行わなければなりません。

相続人には、「家を建てられる土地が欲しい」「売却価格が高い土地が欲しい」などのさまざまな希望があるはずです。

希望に応じて遺産を分けなければ、あとから「思っていた土地の使い方ができない」と、遺産分割のやり直しを求められるかもしれません。

しかし、遺産分割のやり直しは手間や時間がかかるので、できるだけ避けるべきです。

不動産の現地調査を行って、書類だけではわからない点でも相続人の希望に沿うのかを確認しましょう。

不動産を相続する際に現地調査をするメリットは以上です。

ここからは、不動産の現地調査でどのような項目を確認するのかを見ておきましょう。

不動産の現地調査で確認するべきチェックリスト

「現地調査ではどんなところを調べるんだろう?」なんて、疑問に思っている人もいると思います。

不動産の現地調査で確認するべきポイントは、例えば以下のようなものです。

  • 登記や固定資産台帳と異なる点はないか?
  • 悪臭や騒音がないか?
  • 日の当たり具合は良いか?
  • 敷地に高圧線が通っていないか?
  • 隣にお墓がないか?
  • 道路と高低差がないか?
  • 土地の一部が斜面になっていないか?
  • 傷害事件などがあった土地ではないか?
  • 土地の後退処理がなされていないか?
  • 相続する不動産の一部が私道になっていないか?

以上のようなポイントを実際に見ながら確認していきます。

確認には専門的な知識も必要となるので、不動産の現地調査は税理士など専門家に依頼しなければなりません。

「専門家に調査を依頼するなんて大げさかも。。」なんて、思う人も多いと思います。

しかし、土地の相続税額は高額になりやすいので、節税対策として現地調査は行うべきです。

「そもそも、相続する土地にどれくらいの相続税がかかるのかな?」という人のために、ここからは、土地の相続税額を計算してみましょう。

土地の相続税の計算方法を確認しよう

土地の相続税額を知るには、土地の評価額を含めた相続財産の合計金額を算出しなければなりません。

まずは、土地の評価額を確認しましょう。

土地の評価額の確認方法

土地の評価額を算出するには、固定資産税の納税通知書路線価を使います。

固定資産税の納税通知書には土地の面積が書かれているので、確認しましょう。

次に、国税庁のホームページから「路線価」を確認して下さい。

例えば、東京タワー(東京都港区芝公園4丁目2−8)周辺の路線価図はこのようになっています。

(引用:平成29年分 財産評価基準書 19009 – 路線価図|国税庁

路線価とは、道路に面する宅地の1平方メートル当たりの価格のことで、単位は千円となっています。

土地が接する道路に「200」と書かれている場合、1平方メートルあたり20万円ということです。

路線価と土地の面積を掛ければ、土地の評価額を算出することができます。

例えば、相続する土地の面積が100㎡で、「200」と書かれていたなら、以下が評価額です。

20万円 × 100㎡  = 2,000万円

もしも通知書が見つからない場合には、登記簿謄本を取得をすれば面積を知ることができるので問題ありません。

登記簿謄本は、法務局で申請するか、オンラインで申請することで取得が可能です。

法務局で申請すると発行手数料600円が必要で、オンラインで申請すると法務局で受け取る場合には480円、郵送してもらう場合には500円が必要となります。

オンラインの場合は、「かんたん証明書請求」から、ID登録を行い、請求手続きを行いましょう。

相続税額の概算方法

土地の評価額がわかったら、他に相続する財産の金額と合わせた相続財産の合計額に、相続税率を掛けましょう。

相続税の税率は以下のように決められています。

相続する財産の合計額 税率 控除額
 1000万円以下 10% 0円
 3000万円以下 15% 50万円
 5000万円以下 20% 200万円
 1億円以下 30% 700万円
 2億円以下 40% 1700万円
 3億円以下 45% 2700万円
 6億円以下 50% 4200万円
 6億円超 55% 7200万円

例えば、財産の合計額が、土地の評価額を含めて5,000万円のときを考えてみましょう。

今回の例では課税される金額が5,000万円なので、税率は20%、控除額が200万円です。

5,000万円 × 20% − 200万円 = 800万円

したがって、だいたい800万円の相続税を納めることになります。

ここまでは、簡単な相続税の計算方法を見てきました。

では、不動産の現地調査を行った際には、どのような計算になり、いかに相続税の節税につながるのでしょうか。具体的にみていきましょう。

不動産の現地調査を行った節税例

不動産の現地調査を行うことで、土地の評価額を下げて相続税の節税を行うことができます。

土地の評価額を知るには、「路線価 × 土地の面積」だとご紹介しました。

そこに、土地の不便さなどを考慮した『補正率』を掛け合わせることによって、評価額を下げられるのです。

例えば、相続する土地の一部が斜面になっている場合を考えてみましょう。

土地の一部が斜面になっていれば、平らな土地よりも評価額は低くなります。

斜面のある土地の評価額を計算するには、斜面になっている方角と、土地の中で斜面の占める割合を求めることが必要です。

まず、斜面になっている方角によって補正率が異なるので、確認しましょう。

(引用:財産評価基本通達 がけ地補正率表 – 国税庁

そして、土地の中で斜面の占める割合を確認しましょう。

斜面の占める割合を求めるには、「斜面の部分の面積 ÷ 土地すべての面積」で計算できます。

例えば、土地の面積が300㎡で、斜面の部分が75㎡なら、以下が斜面の占める割合です。

75 ÷ 300 = 0.25

もしも相続する土地の斜面が南向きなら、先ほどの図の地積について、0.25が当てはまるところを見ると、補正率は0.92とわかります。

補正率を路線価で求めた評価額に掛けることで、土地の評価額を下げることができるのです。

もしも相続する土地の面積が100㎡で、路線価図に「200」と書かれていたなら、以下のようになります。

20万円 × 100㎡ × 0.92  = 1,840万円

補正率を掛けなければ、「20万円 × 100㎡  = 2,000万円」だったので、160万円だけ評価額を下げることができました。

このように、不動産の現地調査を行うことで土地の評価額を下げて相続税を節税することができます。

しかし、現地調査は専門家に依頼しなければなりません。

したがって、不動産の相続を行うなら、現地調査をしてくれる税理士に依頼しましょう。

不動産の現地調査を税理士に依頼しよう

不動産を相続するなら、現地調査をした上で相続税額の計算や申告をしてもらえないか税理士のところに相談しに行ってみましょう。

相続税の申告を依頼しようとしている税理士が現地調査をしていないようなら、別の税理士にすることを検討したほうが良いかもしれません。

不動産の現地調査は、専門家でなければ正確に行うことは不可能だと言えます。

したがって、現地調査に対応してくれる税理士を探してください。

「税理士の探し方がわからない。。」と思う方も多いと思います。

まずは、近所の税理士事務所や知り合いの紹介などで、無料相談に行けるところを探すのが良いでしょう。

もしもそれで見つからないようなら、税理士紹介サービスを活用すると良い相談先が見つかります。

税理士紹介サービスをうまく使って、不動産の現地調査を行った上で相続税の申告をしてくれる税理士を探しましょう。

「税理士紹介サービスについて詳しく知りたい!」という人は、『相続なら税理士紹介サービスを活用しよう!利用の流れや注意点を解説!』で解説しているので読んでみてください。

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まとめ

不動産の現地調査は必ず必要なものではありませんが、メリットがあるので行うべきです。

現地調査を行うことで土地の評価額を適切に計算でき、相続税の節税にもつながります。

土地を相続する場合には、税理士に現地調査を依頼しましょう。

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