皆さんは日本の相続制度はどうなっているのかと尋ねられたらすぐに答えることができるでしょうか。

町を歩いていると色々な国の人とすれ違います。

日本に住む外国籍の方も増えました。

海外の知人に「日本にしばらく仕事で住むことになったのだけれど、日本のことについてもっと知っておきたくて」と言われたら、法律のことをすらすらと答える自信はありますか。

多くの人は「ない」と答えるのではないかと思います。

他には税金や政治などもいささか難しくて取っつき難く、自国のことでもなかなか海外の人に説明できないのではないでしょうか。

海外の相続制度など、なおさらわからないことですね。

今回は海外の中でも日本に多くの人が住む韓国の相続について、日本の相続と比較しながら取り上げます。

 

他国へ財産を持ち込むなら相続について考えておこう

国際化といわれる現在、海外に足を運ぶ機会も多くなりました。

また、海外の人が日本に足を運ぶ機会も増えていることでしょう。

他国に足を運ぶとなると、どうしても「その国で生活するための資金」が必要になります。

その国に滞在する期間が長くなるほど、資産の持ち込み額は多くなり、その国で不動産を取得する可能性も高くなるはずです。

財産を持つということは、その財産の管理や処分について知っておく必要があるということではないでしょうか。

持ち込んだのはいいけれど退去のことまでは考えていなかった!

ではいけないのではないでしょうか。

長く過ごした国を退去する場合の一つの可能性として「死」があります。

退去とは少し違うかもしれませんが、死によってその国を去り財産を整理しなければならないという点では同じではないでしょうか。

なるべくその国の相続制度についても把握しておきましょう。

他国の相続について把握する場合は、日本の相続制度と比較して覚えるとわかりやすいです。

 

海外の相続を考える場合は日本の相続と比較を

ここで、日本の相続について少し考えてみましょう。

他の国と相続制度を比較して覚えるといっても、

日本の相続について簡単に覚えておかないと「日本とこれから行く国はこんなふうに違う」というところを比較しようがないからです。

相続は法律問題として解釈されるケースも多いため、日本にも多くの判例が残っています。

そうした判例についてピンからキリまで覚えておく必要は、法律家を志す人や法律の仕事に携わる人以外にはあまりいないことでしょう。

ですから、簡単にポイントをおさえて覚えてしまいましょう。

 

日本の相続の特徴は「裁判所」との関わり

日本の相続の特徴としては「あまり裁判所を利用することがない」というものがあります。

日本の相続では、相続で裁判所のお世話になるのは、遺産相続で揉めた時という印象があるのではないでしょうか。

あるいは

  • 借金相続への対応として相続放棄をする時
  • 遺産の計算をしてプラスとマイナスに応じて相続をする限定承認の時

という印象もあるかもしれません。

特に揉めておらず、借金などの理由で相続放棄や限定承認をしたいということでもなければ、相続のことで裁判所を利用するということはないでしょう。

多くの場合は、

  • 遺産分割協議
  • 法律通りの相続

を選択して、相続では裁判所の関与を受けず手続きを終了してしまうことがほとんどです。

しかし、日本の常識は海外の常識ではありません。

海外での相続は裁判所の主導で行われるという国が少なくありません。

そして、日本では資産家が利用する相続対策という印象がある遺言も、海外では日本よりももっと一般的だという国も少なくありません。

国が違えばやはり相続への考え方も異なりますし、制度も異なります。

日本の相続は「裁判所を使わずに終わることが多い」というポイントをおさえてみてください。

 

韓国の相続とは?日本との違いとは

では、ここからは具体的に他国の相続について簡単に見て行きましょう。

今回はお隣の国である韓国の相続について取り上げます。

他国の相続についてはわかりやすくさらりと読めるような解説をいたします。

「海外の相続制度は日本とは違う」「日本と比較して簡単に覚えていざ相続手続きという時は他国の法律に通じた専門家に依頼する」ことが安全でスムーズに手続きを進める方法になります。

今回ご紹介した限りではないということは頭に入れておいてください。

 

韓国籍の場合は韓国の法律で相続

韓国籍の人が亡くなった場合は基本的に韓国の法律が適用されます。

ただし、遺言書に日本の法律に従う旨を明記しておけば日本の法律に従っての相続も可能とのこと。

ただ、基本は韓国籍になっていれば韓国の法律で相続というわけです。

特に日本にいらっしゃる韓国籍の方が亡くなると、日本で亡くなったのだから日本の法律通りに相続するのだろうと勘違いする人が多いようです。

日本の法律通りというと、配偶者と子供がいれば、

  • 配偶者に1/2
  • 子供に1/2

という形です。

しかし、遺言で明記しておかなければこの相続プラン通りにはいきません。

韓国の相続は日本の相続とは異なっているため、注意が必要です。

特に日本には韓国籍の方が多くいらっしゃいますので、家族を含め相続のことは早めに法律の専門家に相談しておく方が安心です。

参照:
http://www.japankorea.jp/

 

日本と韓国では相続人と相続分に違い

韓国の相続の特徴は、配偶者が存命であれば兄弟姉妹に相続権がないという点がまず一つです。

日本では配偶者と兄弟姉妹が相続人になるパターンもあり、相続分は、

  • 配偶者が3/4
  • 兄弟姉妹が1/4

になります。

しかし韓国では配偶者と兄弟姉妹が相続人になるのではなく、配偶者が相続においては優遇されています。

また、子供と配偶者の相続分を比較しても、日本とは相続分が異なっています。

日本の場合は配偶者と子供がいれば、

  • 配偶者1/2
  • 子供が1/2

という相続分になります。

しかし韓国では子供よりも配偶者の相続分が多く、子供一人の相続分の1.5倍となっています。

日本に比べると法的な相続分では配偶者がかなり優遇されていると考えることができるのではないでしょうか。

この他に、

  • 配偶者や直系尊属(両親など)
  • 直系卑属(子供など)
  • 兄弟姉妹

がいない場合は四親族等内の親族がいきなり相続人になることもあるという特徴があります。

日本よりも相続人の幅が広くなる可能性があります。

参照:
http://www.japankorea.jp/

 

最後に

日本の相続と韓国の相続を簡単に比較してみました。

国際化といわれる時代に突入しかなりの年数が経ちました。

今や飛行機のチケットを取りパスポートなどの準備が整えば簡単に海外旅行に行けてしまう時代です。

日本にやって来る他国の人も多くなり、日本人の中にも退職などを一つの区切りとして海外に長期旅行や移住する人もいます。

ニュースでも取り上げられることがありますので、皆さんも年金世代の人が海外で暮らしているところの映像を見たことがあるのではないでしょうか。

しかし、

  • 海外に行く
  • 海外で暮らす

ということは、海外に資産を持ち出すことでもあります。

海外で資産を新たに獲得することにも繋がります。

「日本と何が違うの?」ということは常に意識しておくことが必要なのではないでしょうか。

特に相続は、自分の財産を相続人が相続する、そして適宜手続きを済ませて処分(使ったり売却したり)するということでもあります。

相続人が手続きをする上で海外と日本は違うということを知っておき、対策を立てておくべきではないでしょうか。