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家族が亡くなった時は悲しみに沈んでいても、49日までは故人の財産に関して様々な手続きをする必要が出てきます。

故人の戸籍謄本で隠し子の存在を知ることもあるでしょう。

葬式の後で当人が現れて、隠し子の存在を知ることもあるでしょう。

世の中には浮気をする男性は沢山いますから、

身内の死と共に隠し子との相続問題で修羅場になることは、誰にでも突然降りかかってくるかもしれない問題です。

また、まれに故人が以前結婚していたことを隠していて、実はその時の子供が相手に引き取られていて、相続の時に分かったということもあります。

ここを見られる方は現在そういう修羅場に直面している人、その疑いがあり今から対策をしておきたい人だと思います。

では、どう対策をすればいいのかお話していきましょう。

 

隠し子にも遺産相続権はあるのか

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まず、知らなかったとしても、以前結婚していた人との子供がいる場合は、同等の権利があることは、なんとなくおわかりになるかと思います。

では、結婚していない内縁状態で作った隠し子に相続権はあるのでしょうか?

ストレートに言うと「相続権はある」という答えになります。

また、その相続できる権利や法定相続分は、

  • 結婚して生まれた子どもである嫡出子と
  • 認知された子どもである婚外子(非嫡出子)と

では同等のものとなります。

これは2013年に最高裁での判決で、法律が改正されたためです。

婚外子の相続分が嫡出子と違う規定が憲法に反するという判決が出ました。

それより前の相続では、婚外子の法定相続分は、嫡出子の半分となっていました。

この規定に関する違憲裁判は何度も最高裁に上がっていたのですが、合憲という判断でかなり長い間維持されてきました。

それは結婚というものに重きを置き、結婚している妻や嫡出子の権利を守るものでした。

同時に婚外子の権利を守るために、割合はともかく昔から相続する権利は与えられてきたのです。

また、この婚外子の相続には「認知」というものが大きく関わってくるのです。

では、次の項目で

  • 相続
  • 認知

の関係を説明していきます。

 

 

相続に大事なのは認知の有無

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子どもというのは、やはり親に似るものです。

ですが、亡くなった人の子供ですと突然やって来た人が、いくら故人そっくりだったとしても、当然として相続の権利が生ずる訳ではありません。

それには、戸籍上に結婚はしてないけど自分の子供であると認めた、認知と言う手続きがされているか否かが重要になります。

その親子であるという記録が、戸籍上になければ相続権はないのです。

では、認知とはどういう方法でするのか、今から見ていきましょう。

 

 

父の子である意思表示、子に行う認知

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認知の届け出は基本父の意志で行われ、母や成人前の子の同意は必要ありません。

認知は出した日がいつであれ、出生日から効力を持っていたとみなされます。

認知された子は結婚して生まれる嫡出子に対して、婚外子(非嫡出子)という呼び方で呼ばれます。

子供には、

  • 養育費
  • 相続の権利

も発生しますので、大事な手続きです。

姓は家庭裁判所で子の氏の変更の申立の手続きをしない限りは、母の戸籍のままで母の姓になります。

相続の権利を持つ孫がいる場合に限り、死亡した子を認知することもできます。

では、今から一般的な認知に必要な書類をご説明いたします。

 

認知届

市町村役場でもらえ、父の住所地や本籍地、子の本籍地役場に提出します。

 

印鑑

認知届に押したものです。

三文判で大丈夫ですが、シャチハタは不可になります。

 

父と子の戸籍謄本

提出するのが本籍地でない場合に必要となります。

父と子が同じ本籍地にいてそこに提出するのでない限りは、両方、あるいは片方の戸籍謄本あるいは全部事項証明書が必要です。

 

認知される子どもの承諾書

これは成人している子の場合は必要となり、父親が勝手に認知はできないということになります。

 

本人確認できる書類

  • パスポート
  • 運転免許証
  • 個人番号カード

といった書類の提示が必要となります。

 

 

胎児にもできる認知、母の同意が必要

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胎児は基本生まれていないのでもちろん戸籍はないですが、法律上相続の権利があると言われています。

そのため胎児に対する認知もありますが、もう生まれている子とは書類や手続きが少し異なります。

生まれてくる前の胎児にもできるのですが、この場合は無事に出生し出生届が出た後に効力が生まれます。

普通の認知と違い、母親に無断でできないことや、提出先が出生後にする認知と違うことが注意点となります。

書類に関しては一般的な認知の時と少し違う点をピックアップしてみました。

 

認知届

市町村役場でもらえます。

提出先は胎児を宿す母の本籍地になるので注意です。

 

父の戸籍謄本

胎児を宿す母と本籍地が同じであれば不要です。

 

母の承諾を示す書類(認知届に書いておくのでも可)

母の承諾書を別紙で作成しても、もしくは認知届のその他欄に承諾の意志を書いておくのでも大丈夫です。

  • 認知を承諾している旨
  • 日付
  • 母の名前

を書き、押印も必要となります。

 

 

裁判所の判断で親子関係成立、裁判認知

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ここまでは父の意志で行う認知の話をしてきましたが、全ての男性が自分の責任を認めるとは限りません。

そうなると、

  • 養育費
  • 相続権

といった子どもの権利を勝ち取るために、子どもあるいはその母親が代理で家庭裁判所に話し合いの場である調停を願い出、そこで不成立になれば、審判や裁判となります。

家庭裁判所を通しての認知の訴えは、今はDNA鑑定も大きな判断材料になりました。

DNA鑑定をしての結果だけでなく、DNA鑑定を拒否した場合でも、拒否するからには親子関係があるととられることもあるようです。

裁判所で親子関係が認められれば裁判認知(強制認知)という形で、父の意志とは関係なく戸籍に親子関係を残すことができます。

この場合は認知届を出して手続きをするのは、裁判等で確定した10日以内にする必要があります。

その手続きをするのは訴えを起こした人となり、一般的な書類にプラスして下記の書類をつけて認知手続きをすることとなります。

 

審判もしくは判決の謄本と確定証明書

裁判所で申請して出してもらいます。

審判もしくは判決の謄本と確定証明書を提出し、戸籍を変えるに至った理由を示して手続きをします。

 

 

被相続人が亡くなった時点で、認知がまだなら相続権は?

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では、被相続人である父が亡くなった時点で、認知されていないのであればどうでしょう。

婚外子である隠し子に、相続権は発生しないのでしょうか?

実は死後であっても、認知は可能なのです。

それを死後認知と呼びます。

それは亡くなった被相続人の意志で認知する場合は遺言書が必要となります。

また子の側から裁判所を通して認知をしてもらうことも可能です。

認知の届出の際につける書類や注意点は下記になります。

 

遺言書の謄本

被相続人からの死後認知は遺言書で行います。

公正証書遺言は公正証書役場で謄本をとることができますので、それをつけることになります。

自筆証書遺言の場合はまずは裁判所の検認を受けてからになり、それには時間がかかります。

もし今から遺言書を作るのであれば公正証書遺言で書かれた方が、相続の手続きは早く済みます。

認知は遺言書で、遺言執行人を決めておくとスムーズに進みます。

それがないと裁判所で遺言執行人を選任してもらうことになり、相続手続きはなかなか進まないことになります。

遺言執行人は決まって10日以内に認知の届け出をする必要があり、その際には届け出をする人の身分証明と印鑑も必要となります。

また、遺言書は必要な書き方のポイントが沢山あり、それがそろっていない場合無効になることもあります。

さらに認知をする遺言書には遺言執行人以外にも必要な内容がいくつもあります。

公正証書遺言にするのもふくめ、遺言書作成の時には

  • 弁護士
  • 司法書士

といった専門家に相談しておくことが、自分の死後確実に認知と相続を行うのに大事なこととなります。

 

審判もしくは判決の謄本と確定証明書

これは子の側から裁判認知と同じ方法で、

  • 認知調停
  • 審判
  • 裁判

を裁判所に願い訴えるものです。

父が亡くなっていても3年以内であれば訴えを起こすことができ、その結果次第で相続権を得ることができます。

 

 

隠し子トラブル、問題を減らす遺言書と生前贈与

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認知によってできた隠し子がいて遺産相続時に、トラブルが起こることは皆様もご想像できるかと思います。

認知をしていてもトラブルになりますが、積極的にしていなくても裁判所で認知が決まってしまうこと、死後に認知されることもあります。

父の財産は、同居している妻も貢献して作られている面がありますので、唐突に隠し子が表れて心理的に渡したくないと考えるのも無理からぬことです。

妻が一緒にローンを払ってきた家を、相続分を払うために売ることになることを、ご想像していただければわかるかと思います。

相続する側でもされる側でも、もしトラブルの不安があれば家族で相談し、先に遺言書を残しておくようにすることが大事になります。

遺言書で家は同居の家族へとか、配分を決めておくこともできます。

ただ相続をするのが子の立場ですと、遺留分という法定相続分の半分保障があります。

そのため、向こうが主張すれば全く渡さないことは難しいのは覚えておきましょう。

また、相続が発生する前の生前に、ある程度財産を贈与しておけばその点で問題が少なくなることもあります。

ただ、贈与は申告が必要となり税金がかかる場合や、時期によっては相続財産としてみなされることがあります。

税金が少なくなる手続き等もありますので、そういった相続に関しての対策は、

税理士といった専門家と、どういったマイナス面があるかも相談しつつ進めていくことが大事になります。

 

 

隠し子の認知は相続の権利、トラブル対策はお早目に

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隠し子の相続の有無、認知は裁判を起こされたら避けきれるものではないこと、様々なお話をしてきましたが、ここまではご参考になりましたでしょうか?

とはいえ、生前の対策として遺言書や生前贈与を挙げましたが、父である立場の人が承諾するとは限りません。

また、この対策は晴天の霹靂のように、死後隠し子がいたとわかった場合はどうしようもありません。

ですが、生前の対策にせよ、死後の対応にせよ、早めに法律の専門家に相談することは、相続トラブルには非常に大事になってきます。

弁護士であれば相手との交渉も請け負ってくれますし、家族だけで話し合っているよりは、早く解決する可能性が高いです。

相手の言っていることを無効にできるとは限りませんが、現実的な落としどころを探すには法律の知識は必須です。

また、相続税の申告期限や配偶者控除が使えるかの問題もありますので、

  • 相手の言い分を飲んだ場合のマイナスと
  • 相続がまとまらない時のマイナスの比較

を、具体的な金額で税理士に聞くにも一つの目安になります。

仮に相続がまとまらなくても、配偶者控除等の関係で、申告期限に一旦申告が必要となることがあります。

相続税の申告に関しての相談は早めにしておくのが損をしない一つの道なのです。

相続に際しての隠し子トラブルと、その対策いかがでしたでしょうか?

疑問解決のお役にたてれば幸いです。