遺産分割協議は相続人同士で話し合いをして遺産相続を決める方法。

相続人全員が合意する必要がある。

これは有名な話ではないでしょうか。

一度でも遺産分割協議をしたことのある人にとって、これは一般的な知識ではないでしょうか。

相続は相続人全員に関わることですし、遺産は相続人が5人いればそのうちの4人が、

  • 「あの人を呼ぶのは面倒だから勝手に話し合ってしまおう」

と相続人の誰かを抜きにして勝手に話を進めるわけにはいきません。

これは遺産分割協議の代表的なルールです。

この他には何かルールはあるのでしょうか。

遺産分割協議に頻出の疑問について簡単に解説します。

 

遺産分割協議とは相続人全員で分割を決めること

遺産分割協議は相続人同士の話し合いによって、

  • 遺産をどのようにわけるのか
  • 遺産を誰がどのくらい相続するのか

を決めることです。

相続人同士の話し合いといっても、必ずしも一会議場を用意して話し合う必要はなく、

相続人全員にきちんと話を通し合意を得ていれば一堂に会する必要はありません。

  • 電話
  • メール

でやり取りしても差し支えありません。

また、相続人の一人が、

  • 弁護士
  • 司法書士

に依頼して遺産分割協議書案を作成してもらい、相続人全員に見てもらって同意をもらうという形でも差し支えありません。

いきなり遺産分割協議の内容を相続人の一人が書面として作成し他の相続人に見てもらって記名押印をもらうという形でも問題ありません。

実際に、

  • 遺産分割協議書を郵送でやり取りし「書面の内容をちゃんと読んで、記名と押印をしてね」

というやり取りはよく行われています。

遺産分割協議とは相続人同士で話し合いを持って遺産相続・遺産分割を決めることではあるのですが、

実際に全員が集まって話し合いをすることが絶対というわけではなく、「最終的に相続人全員が合意していればいいよ」という扱いだということです。

この他には何かルールはないのでしょうか。

せっかく話し合いで丸く収まりそうなのに「それはルール違反」と言われてしまうのは嫌ですよね。

よくある「これってどうなの?」と疑問を覚える点について順番に考えてみましょう。

参照:
http://www.sss-office.jp/

 

遺産分割協議でよくある3つの疑問

今回は遺産分割協議についての疑問の中でも、次の三つの疑問について取り上げます。

  • 一度した遺産分割協議のやり直しはできるの?
  • 遺産分割協議後に新しい遺産が見つかったらまた遺産分割協議をやり直すの?
  • 遺産分割協議がまとまらない場合は話し合いでの遺産分割は一切できないの?

 

遺産分割協議のやり直しはできるの?

遺産分割協議をして遺産分割について決めました。

相続人には全員話を通したし、全員内容を理解して納得した上で決めました。

しかし後日、他の相続人から「あの遺産分割協議、やっぱり白紙に戻さない?」と言われました。

どうやらその相続人は遺産分割協議が終了してから内容について考え直し、遺産分割協議をやり直ししたいと考えはじめたようなのです。

一度した遺産分割協議のやり直しは可能なのでしょうか。

 

やり直しは可能!ただし・・・

一度成立した遺産分割協議の合意解除(やり直し)は可能です。

ただし、「遺産分割協議のやり直しをしたい」と主張している相続人が一人で勝手にやり直しできるわけではありません。

やり直しをする場合は相続人全員できちんと「やり直しをしよう」と決めて行わなければいけません。

遺産分割協議をやり直すことにより相続税や贈与税などの課税関係が変わってくる可能性があります。

税理士や弁護士などに相談し、慎重に進めることをお勧めします。

「やり直す」「やり直さない」でさらに揉めることを防ぐために、早めに専門家にアドバイスを求めた方が安全です。

なるべくやり直しをしなくて済むように、あらかじめきちんと内容を確認し、

「もうやり直ししないようにしよう」とよく話し合ってから相続人全員納得するように手続きを進めることも必要なのではないでしょうか。

やり直ししなくて済むように「もうやり直しはない。皆さん合意でよろしいですね」と念押しもするようにしましょう。

参照:
http://www.souzoku-koshigaya.net/

 

遺産分割協議の後に新しい遺産が見つかったら?

もし遺産分割協議後に新たな遺産が出てきたらどうすればいいのでしょう。

家族といっても一人一人の財産まで詳しく把握している人はいないはずです。

だからこそ、後で遺産が見つかってしまうということは決してないわけではありません。

 

無効の主張も可能?文言をあらかじめ入れておくことも

遺産分割協議が済んだ後に高額の遺産が見つかったという場合は、もちろん遺産分割協議の無効を主張することが可能です。

ただし、遺産分割協議書を作成する際、

  • 弁護士
  • 司法書士

はそういった後から遺産が見つかるという可能性を考え、文章の追加などを行うことをよくしています。

後で遺産が見つかる可能性があるということを想定し、遺産分割協議は弁護士や司法書士に相談し、遺産分割協議書もよく文言を考えて作成してもらう方が安全です。

参照:
http://www.tokyo-intl.com/

 

遺産分割協議で揉めたらどうすればいいの?

遺産分割協議で遺産の分割を決めたくても、相続人同士が揉めてしまいました。

遺産分割協議の最大のルールは、相続人全員が参加して合意しなければならないという点です。

しかし、取り分で揉めてしまっているため、話し合いがまとまりそうにありません。

こんな時はどのようにすればいいのでしょう。

遺産分割協議ではなく、法律で定められた分割割合で相続するしか方法ないのでしょうか。

 

調停や審判を求めることも可能

遺産分割協議で話がまとまらない場合は、裁判所に調停を申し立てることが可能です。

調停では、

  • 主張の確認
  • 事実関係の確認

などが行われ、最終的に話し合いで揉めている当事者同士の納得と解決をはかります。

裁判所の利用というと裁判を連想しがちですが、調停は法廷で行う裁判とは異なり、ラウンドテーブルに当事者たちが座って話し合いをするという形になります。

裁判のように判決をもらうのではなく、あくまで話し合いによって落としどころを見つけるという特徴があります。

調停という話し合いの場で丸く収まる気配がないという場合は最初から裁判所に審判を求めることもできます。

この場合も事実確認や相続人同士の主張の確認が行われ、最終的に審判が下されることになります。

揉め事の内容によっては、

  • 「最初にまず調停を提起して、調停で決着がつかなければ審判を求めてください。まずは調停の提起でお願いします」

という調停前置主義が採用されている場合があります。

しかし遺産分割での揉め事の場合はこの調停前置主義の適用外となっているため、はじめから調停もしくは審判のどちらでも提起できることになっています。

調停と審判のどちらを求めるべきかは状況にもよりますので、弁護士に相談して決めるといいでしょう。

参照:
http://allone-law-acc.com/

 

最後に

遺産分割協議は遺言ほど細かにルールが法律によって定められているわけではありません。

  • 印鑑は実印なの?
  • 決まらなかったらどうするの?
  • やり直しするには?

などなど、遺産分割協議ができるとわかってもその細かなルールまで個人で把握しておくのはなかなか難しいことです。

だからこそ、遺産分割協議をすることは必ず法律家の関与を要しないながら、弁護士や司法書士に依頼し

「自分たちが希望する遺産分割協議の内容」を遺産分割協議書という書面として作成してもらうことなどがよく行われています。

  • 弁護士
  • 司法書士

に依頼すれば相続人だけで遺産分割協議をするよりもミスが少なく、

遺産分割協議書を作成してもらった後の流れで、相続の内情を理解している法律家に相続手続きまで代理してもらうことも可能だからです。

相続の手続きは面倒なので、遺産分割協議書の作成から相続手続きまで弁護士や司法書士にお願いする人はとても多いです。

今回は遺産分割協議について覚えておきたいルールを簡単にまとめました。

気になることがあったら、まずは専門家に相談を。これは、相続をスムーズに行うために重要なポイントなのです。