相続にはいくつかの種類があります。

相続自体は被相続人の死の瞬間に起きています。

そして一般的な相続では、

  • それぞれの相続人の順位
  • 順位に応じた遺産分割割合

によって、相続人一人一人がどれくらいの遺産を手にするかが決まります。

しかしこれはあくまでスタンダードな遺産相続方法です。

相続対策が盛んに議論され、自分の遺産や家族形態に合った遺産分割方法を多くの人が考えるようになった現在、一般的な法律により遺産分割をする人ももちろん多いのですが

  • 遺言
  • 遺産分割協議
  • 生前贈与
  • 遺贈

などを用いる人も増えています。

今回はいくつかある相続方法、そして相続対策の中で特に「遺産分割協議」に焦点を当ててお話しします。

遺産分割協議という名前を耳にしたことがあっても「何だか難しそう」と感じてその意味を知ろうとするところまで考える人は、言葉を耳にしたことのある人より圧倒的に少ないことでしょう。

また、何となく意味を理解していても、他の方法と混ざってしまっている人もいるかもしれないですね。

今回は遺産分割協議の具体例を用いて5分で遺産分割協議をわかっていただけるように話を進めさせていただきます。

 

日本の相続事情はどうなっているの?

ネコ

相続方法の中で世の中の相続人たちが最もポピュラーな方法は何だかご存じでしょうか。

それは・・・法律で定められた分割です。

法律に定められた通りの分割法方がこれにあたります。

いわゆる配偶者や子供が1/2など、よく耳にする分数が出てくる方法です。

未だ世の中では「相続対策は相続税が課税されるようなお宅がするもの」という根強い印象があります。

例えばお父さんが亡くなった場合、世の中の人は真っ先に何を思い浮かべるでしょう。

まずは「葬儀はどうしよう」ではないでしょうか。

早く済ませなければならない事柄を順番に思い浮かべて、慌ただしい中で取りかかるはずです。

しかしこの慌ただしい中で、

  • 銀行の相続手続きはどうやるの?
  • 不動産の相続手続きはどうしよう

と考える方はいても「どこかに遺言書があるはずだ!」とすぐに思い至る方は少数派なのではないでしょうか。

なぜかというと、それはほとんどの人が

  • うちに遺言なんてあるはずがない
  • うちは資産家ではないから遺言なんて関係ない

と考える方がたくさんいるからではないでしょうか。

日本の相続事情に関する前書きはこのくらいにして、ここからは具体的に遺産分割協議について入っていきましょう。

 

遺産分割協議とはどんな相続方法なの?

遺産分割協議は、おそらく遺言書よりもずっと選択する人の多い相続方法です。

まず、「遺産分割協議」とはどんな相続方法か簡単に説明しましょう。

遺産分割協議とは、相続人が遺産を話し合いで分割する方法です。

遺言は被相続人が生前に遺言書を自分の希望に添って書き記します。

まさに被相続人の意思に沿った相続が遺言書による相続なのです。

対して遺産分割協議は、相続人の事情や都合、希望に合わせた遺産分割を実現する相続方法です。

名前が難しいので、とても難しい手続きを要する相続方法であると勘違いされがちですが、まったく違います。

法律による遺産分割と同じくらいスタンダードな方法なのです。

実は皆さん、知らないうちに遺産分割協議をしているかもしれないですよ。

ここからは実例で「遺産分割協議」という相続方法について見ていきましょう。

参照:
http://123s.zei.ac/

 

遺産分割協議の具体例1・兄弟で実家の分割を話し合う

父親を亡くした息子AさんとBさんは遺産相続をどうするか悩んでいます。

それというのも、

  • 長男であるAさんは実家で暮らしている
  • 次男のBさんは東京で就職に既にマイホームを購入している

と言う現状です。

実家を半分相続してくださいといわれてもちょっと困ります。

将来的に実家に住む予定もなければ、本音を言うと「いらない」と感じているからです。

兄が住んでいるなら兄が実家の家と土地をすべて相続した方がいいのではないかとBさんは思いました。

母親は父が亡くなるかなり前に他界しており、他に兄弟はいません。

法律通りに遺産をわけると、実家の土地と建物は兄弟で半分ずつ相続することになります。

そこで長男であるAさんと次男であるBさんは遺産を話し合いでわけることにしました。

「話し合い」では、

  • 父親の預金は兄弟で半分ずつ相続
  • 実家の家と土地はAさんがすべて相続

することにしました。

二人は話し合いの内容を司法書士に相談し、「書面」に起こしてもらいました。

 

遺産分割協議は「話し合いで分割」する方法

ここで出てきた「話し合い」を「遺産分割協議」といいます。

そして話し合いの内容をまとめた書面を「遺産分割協議書」といいます。

言葉は難しいですが、要は相続人同士で「遺産どうする?」「こうやってわけない?」と話し合って決める方法なのです。

意味は非常に簡単です。

 

遺産分割協議の具体例2・姉妹で預金を分割する

CさんDさんEさんの三姉妹は母親が亡くなり久し振りに顔を合わせました。

仲が悪いというわけではありませんが、普段頻繁にやり取りするほど仲がいいわけではありません。

特に三人それぞれが遠方に嫁いでからは顔を合わせることもほとんどありませんでした。

唯一することといえば年賀状をそれぞれの夫婦の名前でお互いに出し合うくらいのものです。

今回、母親が亡くなり、久しぶりに三人が顔を合わせたわけですがどこかお互いによそよそしいものを感じます。

父は母親よりも先に亡くなっており、三姉妹の他に相続人はいません。

母親の葬儀が終わった後、自然と相続はどうするかという話になりました。

母親の遺産といえば預金が300万円です。

家は賃貸だったので、相続対象にはなりません。

三姉妹の真ん中であるDさんは母が存命の頃から長女と三女の板挟みになることが多かったため、遺産相続で揉めるなど胃痛以外の何ものでもないと思っていました。

Dさんは「遺産はいりません」と言いました。

姉妹で話し合いをして、母親の看病に尽力した長女が200万円受け取り、三女が100万円受け取ることになりました。

 

相続放棄と遺産分割協議は違う

よく誤解されがちですが、遺産を相続人の話し合いの席上で「いりません」と言って受け取らないことは、

相続放棄ではなくあくまで相続人の話し合いである遺産分割協議となります。

相続放棄は裁判所でしかできません。

  • 誰がどのくらい受け取るのか
  • どの遺産を誰が受け取るのか
  • いらない

などの形で相続人の意見を出し合って遺産分割をするのが遺産分割協議になります。

言葉は難しいですが、ニュアンスは大体わかっていただけたのではないでしょうか。

参照:
http://harako-js.com/

 

最後に

遺産分割協議を実例とともに解説しました。

法的な説明には踏み込まず、世の中でよくある遺産分割協議の実例をもとに「大体こんな方法です」というところを大まかに理解していただけたはずです。

名前は難しいけれど「うちのじいさんが亡くなった時にこんな話し合いをしたぞ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

名前は難しいですがポイントは実に簡単で「相続人の都合で遺産分けをする」ということなのです。

実例にあったように、長男が実家と田畑を相続するなどの時に使われる方法です。

相続の際に司法書士や弁護士に相談する方も少なくありません。

その際に具体的に「遺産分割協議」をしてください。

遺産分割協議書を作ります」とは言われず、「遺産をどう分けるか話し合ってください。話し合いの内容を書類にまとめます」という専門用語を使わない説明を受けた方もいらっしゃるかもしれません。

その方は「あれが遺産分割協議だったのか!」と思うはずです。

日本の相続では遺言書はドラマの定番です。

しかし実際に相続では、おそらく遺言書よりこの遺産分割協議を使う相続の方が多いことでしょう。

日本の相続では事情や希望に合わせて遺産分けをすることができます。

気になることがあれば

  • 弁護士
  • 司法書士

に、自分たちの希望通りに相続するにはどんなふうに進めたらいいかアドバイスを受けるといいでしょう。