遺産相続は唐突に起きる事件のようなものかもしれません。

人が何時亡くなるかなんて、どんなに仲の良い家族でもわからないことです。

実際に人の生死に寄り添った経験のある人は、その突発性に頭を抱えるのではないでしょうか。

そして、まずは相続よりお葬式と考えるのではないでしょうか。

確かにその通りなのですが、人が亡くなると自動的に発生するのが相続です。

相続により亡くなった人の財産をきちと整理しなければ、何時まで経っても亡くなった人の資産は宙ぶらりんのままです。

家族が亡くなったら皆さんは遺品整理をしますね。

相続は資産の遺品整理のようなものだと考えてもいいかもしれないです。

遺品整理をしてそれぞれ新たな受け手に遺品が渡されて初めて遺品がその人のものになるように、資産も相続手続きを経て初めて相続人のものになります。

そう考えると、相続ってとても大切ですね。

 

相続は「遺産」という遺品の整理?

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しかし資産の遺品整理である相続をしようとしても、具体的にどのようにして「整理」すればいいのかがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

また、相続には相続人ごとの「整理の取り分」である「相続分」が設定されていると知っていても、具体的にどのくらいかがわからないという人もいるはずです。

資産をどこにどう整理すればいいかわからなければ整理もままなりませんね。

人の死について話すのは不吉と考える人もいるかもしれませんが、前もって死後の後片付けについて把握しておくことは重要なことです。

今回は遺産相続の配分と割合をテーマに、死後の資産整理について考えてみましょう!

 

 

ある日とつぜん起きる相続!どう対処すべき?

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相続は人が亡くなった瞬間に起きると民法882条に定められています。

あまり良い例え話ではありませんが「〇時〇分ご臨終です」と言われた瞬間、相続人が意識することなく発生しているのが相続です。

亡くなった人を被相続人といいます。

被相続人が亡くなるとまずはお葬式や火葬という話になると思いますが、

同時、あるいはある程度落ち着いてから考えなければならないのが資産の遺品整理ともいえる相続です。

参照:
www.neway.jp

 

相続はどう進むの?一人の相続人が好きな資産をもらえる?

相続において資産を整理する場合は、それぞれの資産に応じて手続きをすることになります。

例えば被相続人名義の不動産であれば相続登記を行い、不動産を新たに相続人の名義にすることになります。

預金は相続人が口座のある各銀行で手続きすることになります。

しかし、とりあえず相続人であれば手続きできるというわけではなく、相続人であれば好きな遺産を独り占めできるわけでもありません。

遺品を誰かに差し上げる場合、形見分けという性質もあります。

だからこそ、被相続人の家族はある程度自由にわけることがあります。

生前、被相続人が仲良くしていた趣味が写真撮影の友人に形見分けとしてよく撮れた富士山の写真を形見分けする、なんてこともありますね。

しかし相続は形見分けとはちょっと、いいえ、かなり違っています。

相続とは遺品整理のように資産の整理をし、あるべき人が受け継いで手続きすることです。

相続は遺言書で赤の他人が指定されていたなどの事情がある場合をのぞき、基本的に相続人だけがすることができます。

また、相続人の順位により割合がはっきり定められていますので、

こちらも遺言書で別段の指定があったなどの事情がある場合をのぞき、民法に定められた割合で相続人が相続することになります。

自分が相続人だからといって「この資産を形見分けして!」と自由にもらってしまっていいわけではないということですね。

相続は相続人がそれぞれの割合に応じて遺産を受け取るという形で進みます。

そして、受け取った遺産ごとに手続きをしてゆくことになります。

 

 

相続人とはどんな人?誰がなるの?

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相続人には亡くなった人である被相続人と近しい人がなります。

しかし、近しければどんな関係でも相続人になれるというわけではありません。

民法では相続人と相続人間の順位について定められています。

  • 順位1位 : 被相続人の配偶者、子供
  • 順位2位 : 被相続人の両親
  • 順位3位 : 被相続人の兄弟姉妹

基本的に民法に定められた相続人はこの人たちです。

第三順位の兄弟姉妹に関しては、兄弟間に優劣はありません。

  • 長男だから取り分が多い
  • 末妹だから一番少ない

ということはなく、兄弟姉妹が多ければ歳に関係なく平等に扱われます。

子供の頃に末っ子におやつをたくさんわけていたお兄ちゃんやお姉ちゃんも、相続に関してはおやつの問題と別に考えてください。

参照:
www.nta.go.jp

 

どうして相続人に順位がついているのかという疑問

日本の相続は、

  • 遺言書
  • 遺産分割協議

により法律とは別の割合で遺産分割することも可能です。

ですが、基本はこの法律で定められた相続人がそれぞれの相続人に定められた割合で遺産を受け取ることになります。

相続人にはそれぞれ順位が定められていますね。

順位が上の相続人ほど遺産分割において遺産の取り分が多くなっています。

なぜかというと、順位が上の相続人ほど被相続人の生活と密接に関係があるからです。

  • 第一順位の配偶者(夫や妻)
  • 子供

は、被相続人と同居して一緒に生活している可能性が高いですよね。

住んでいる家が被相続人の名義であれば相続財産になってしまいますから、いきなり兄弟姉妹の手元に渡ってしまったら大変です。

今後の生活基盤すら揺らいでしまうかもしれないです。

相続には今後の生活のための財産を受け継ぐという重要な意味もありますから、被相続人と生活が結びついている可能性が高い人ほど順位が高くなっています。

  • 第一順位の配偶者と子供は同居している可能性が高いから!
  • 被相続人の両親はある程度の年齢になると、生活を手助けしてもらっている可能性が高いから!

と覚えてしまいましょう。

 

 

相続人ごとの分割割合はどれくらい?

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亡くなった人と生活を共にしていた可能性が高い人から、高い相続人の順位が設定されているわけですから、当然ですが順位が高いほど遺産の取り分も多く設定されています。

順位だけ高くても、奥さんと子供は優先的に一割で兄弟姉妹が九割というような定めがなされていては、奥さんと子供の今後の生活が大変だからです。

順位が高いほど亡くなった人のお金で生活を安定させなければならない人とも考えられます。

では、具体的な取り分はどうなっているかというと……。

いくつか例を挙げますので、わかりやすい計算例を見ていきましょう。

Aさんが亡くなって、Aさん名義の家と1,000万円の預金が遺産であると仮定します。

 

①相続人がどの順位かの一人しかいない場合

  • 相続人が配偶者一人しかいない
  • 子供一人しかいない
  • 父親一人しかいない
  • 母親一人しかいない
  • 兄一人しかいない

という誰か一人しかいない場合は、遺産は基本的にそのたった一人の相続人が受け継ぐことになります。

相続人がたった一人しかいないのであれば分けようがないですね。

 

②配偶者と子供がいる場合

配偶者と子供という順位一位の相続人がどちらもいる場合は、

  • 配偶者が2分の1
  • 子供が2分の1

を相続します。

家は持ち分が配偶者と子供で2分の1ずつになり、預金は500万円ずつになります。

なお、子供が二人いれば

子供の総取り分が500万円と家の持ち分2分の1ですから、この総取り分を子供の頭数で割ることになります。

子供が二人いれば250万円ずつの計500万円で、家の持ち分が4分の1ずつの計2分の1になります。

 

③配偶者と両親がいる場合

子供がなく、

  • 順位一位の配偶者
  • 順位二位の被相続人の両親

がいる場合は、配偶者が3分の2で両親が合わせて3分の1を相続します。

家は配偶者が持ち分3分の2、両親が合わせて3分の1です。

預金も同じ割合だけ相続します。

なお、両親が父母どちらも存命であれば合わせて3分の1を相続するわけですから、二人で均等にわけて6分の1ずつになります。

父または母のどちらかが存命ということであれば、存命である一人が父母合わせての取り分である3分の1を一人で相続します。

 

④子供と被相続人の両親がいる場合

子供と、

  • おじいちゃん
  • おばあちゃん

のどっちも、あるいは祖父母のどちらかが存命の相続パターンです。

この場合も③と同じ……と考えてしまいがちですが、この場合は何と子供が全て相続します。

相続においては子供が最強です。

 

⑤配偶者と兄弟姉妹がいる場合

  • 被相続人の配偶者
  • 被相続人の兄弟姉妹

が一緒に相続人になるパターンです。

この場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が合計で4分の1を相続します。

合計で4分の1ですから、「うち兄弟多いんだよね」といっても取り分が多くなるわけではなく、兄弟姉妹の頭数で割ることになります。

預金は配偶者が750万円、兄弟姉妹は合計で250万円です。

兄と妹がいれば125万円ずつの計250万円です。

家の持ち分も同じ割合で相続します。

なお、被相続人の兄弟姉妹は相続人になれますが、配偶者の兄弟姉妹は相続人にはなりません。

旦那さんが亡くなって、その旦那さんには奥さんはいましたが兄弟姉妹、子供、両親はいなかったとします。

ですが、奥さんには姉がいたとします。

この奥さん方のお姉さんは法律で相続人になれると定められた兄弟姉妹ではないです。

あくまで被相続人(この場合は旦那さん)の兄弟姉妹です。

奥さんが亡くなって旦那さんに兄弟がいる場合もまったく同じ解釈です。

被相続人の兄弟姉妹は相続人になることができるけれど、被相続人の配偶者の兄弟姉妹はお呼びじゃないということですね。

 

⑥子供と被相続人の兄弟姉妹がいる場合

子供と

  • おじさん
  • おばさん

がいるケースです。

この場合も④と同じで子供だけが相続人となり、遺産を全て受け継ぎます。

相続においては子供が最強なのです。

被相続人がお父さんかお母さんであるわけですから、やはり自分の子供の将来のために遺産を渡したいですものね。

相続においては子供が最強であることは、被相続人の気持ちにかなっているのかもしれません。

参照:
www.jiyugaoka-office.com

 

最後に

今回ご紹介した相続人の順位とそれぞれの分割割合は相続の基本です。

とても重要な知識ではあるのですが、

  • 遺言書
  • 遺産分割協議

という話が出てきたら要注意です。

遺言書は亡くなった人の意思で、遺産分割協議は相続人の意思でこうした遺産の分割割合を変化させることができるのです。

今回ご紹介した分割割合はあくまで基本中の基本、法律通りの分割をする場合に用います。

遺言書や遺産分割協議によって変わることがあるという点はよく覚えておいてください。

また、今回は預金や家についてわかりやすい例や数字を使いましたが、相続は本来とても複雑です。

できれば生前から家族で話し合い、法律家に相談しながら対策を考えたいものです。

しかし相談するにしても、基本をおさえているかどうかで話のスムーズさが変わって来るのではないでしょうか。

相続相談の前に、まずは是非とも基礎知識をおさえてくださいね。