家族が亡くなって、「家をどうやって手続きすれば良いのか分からない」とお困りですね。

家などの不動産を相続するためには、相続登記と呼ばれる名義変更の手続きが必要です。

でも、「そもそもどこで手続きすれば良いの?」と悩んでいる人も多いはず。

そこで今回の記事では、不動産についてほとんど知らない人のために、不動産の相続手続きを解説。

手続きの一連の流れや必要な書類、確認したい注意事項などを丁寧に説明しています。

また、家以外の相続手続きについても簡単に解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

家の相続の手続きの流れ

家族が亡くなってからは、まずは被相続人(亡くなった方)の所有する家や別荘などの不動産探しましょう。

その後、それぞれの不動産の評価額を算出し、相続人を決めます。

家を相続するためには必ず家の相続登記という名義変更をすることが必要です。

家の相続登記に期限はありませんが、そのまま放っておくといざ名義変更をしたいと思ったときに、相続登記できない可能性があります。

名義人以外の人が売却や賃貸に出すことはできませんので、できるだけ早く相続登記をしておきましょう。

以上のような家の相続手続きについて、詳細に分けると以下のようになります。

(1)家と土地の評価額を算出する
(2)相続者を決める
(3)相続登記の申請をする

順番に確認していきましょう。

ステップ1.家と土地の評価額の算出

まずは、家と土地の評価額を算出しましょう。

家は相続遺産の対象になり、残された家族で公平な相続遺産の分割をするために「いくらで換金できるのか」を明確にすることが必要なのです。

家と言っても、評価をする際には土地と家に分けて評価を行い、最後に2つの額を足し算します。

それぞれの評価額の算出方法をみていきましょう。

家の評価額の算出方法

家の評価額は、固定資産税評価額がそのまま使われます。

固定資産税評価額とは、固定資産税の基準となる金額で、築年数や建築費などを考慮して算出されているのです。

固定資産税評価額を知るには、固定資産税の納税通知書を確認しましょう。

固定資産税の納税通知書は毎年4月~5月に送られてくるもので、この書類の「課税地積床面積」の一番下の欄に記載されています。

もし通知書が見つからない場合には、家がある市区町村役場にて固定資産税課税課税明細を取り寄せることで確認することが出来ます。

固定資産税課税課税明細を申請する際には、被相続人との関係が分かる戸籍謄本と身分証明書、発行手数料350円が必要です。

土地の評価額算出方法

土地の評価には、土地の面積路線価を使います。

土地の面積は、固定資産税の納税通知書で確認します。

次に、国税庁のホームページから「路線価」を確認して下さい。

路線価とは、道路に面する宅地の1平方メートル当たりの価格のことで、単位は千円です。

路線価を見ると、道路ごとに数字が書かれています。

数字の単位は千円なので、「500」と書かれている場合、1平方メートルあたり50万円ということになるのです。

この路線価と土地の面積を掛け合わすと、土地の評価額を算出することが出来ます。

もし固定資産税の通知書が見つからない場合には、登記簿謄本を取得をすれば面積を知ることが出来ます。

登記簿謄本は、法務局へ行き請求書類をその場で記入して提出するか、オンラインで申請するかどちらかの方法で取得が可能です。

法務局で申請すると発行手数料600円が必要で、オンラインで申請すると法務局で受け取る場合には480円、郵送してもらう場合には500円が必要となります。

オンラインの場合は、『かんたん証明書請求』から、ID登録を行い、請求手続きを行いましょう。

ステップ2.遺産分割協議を行う

遺産分割競技を行い、誰が家を相続するのかを決めます。

遺産分割協議とは、遺産を相続する人が集まって相続財産をどう分割するのかを話し合うことです。

この協議で決めるのは以下のことです。

・相続人の代表者
・誰が何の財産を相続するのか

この決定をもとにして、相続登記の手続きを行っていきます。

※被相続人が残した遺言書が存在したり、相続する権利のある人が1人の場合には遺産分割協議を行う必要はありません。

ステップ3.登記申請書を提出する

相続する家の評価額と相続する人が決まれば、実際に家の相続登記の手続きを進めていきましょう。

相続登記を行うには、必要書類を集め、申請時に必要な費用を確認し、必要書類を提出するという3つのステップがあります。

それぞれ詳しく確認していきましょう。

1.登記申請書の書き方

参考:法務局

登記申請書は法務局の窓口に取りに行くか、法務局ホームページにてダウンロードすることが出来ます。

遺産分割の方法によって申請する書類のフォーマットが異なりますので注意が必要です。

記載例も一緒にダウンロードすることが出来ますので、参考にしましょう。

記載する内容は、以下の通りです。

(1)登記の目的

登記目的は、相続の場合「所有権移転」となります。

(2)原因

相続が発生した日付と「相続のため」と記載しましょう。

(3)相続人

相続人の名前・住所・連絡先(電話番号)を記載します。

連絡先には電話がかかってくることもあるので、携帯電話など電話が取れる番号を記載するようにしましょう。

(4)添付情報

「登記原因情報」と「住所証明情報」と記載するだけで大丈夫です。

(5)登記識別情報の通知

登記識別情報というアルファベットと数字を組み合わせた情報が権利証と同様の効力を持っています。

これを発行したくない場合には、「登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れましょう。

(6)申請日時と提出する法務局名

申請日とどこの法務局に提出するのかを記載します。

(7)課税価格

固定資産評価証明の金額に対して1000未満の端数は切り捨てをして記入します。

登録免許税の計算に必要な部分です。

1000円未満の場合には1000円となります。

(8)登録免許税

課税価格の0.4%の金額が登録免許税です。

1000未満の端数がある場合には切り捨てられ、1000円未満の場合には1000円となります。

(9)不動産の表示

不動産登記簿の情報をそのまま記載すれば大丈夫です。

土地の場合は、①不動産番号、②所在、③地番、④地目、⑤地積を記載し、

建物の場合は、①不動産番号、②所在、③家屋番号、④種類、⑤構造、⑥床面積を記載します。

(10)収入印紙

登録免許税の分の収入印紙を申請書に貼ることが必要です。

申請をするときにチェックを受けてから金額を確認し、その場で購入することが出来ます。

2.必要書類の取得

法務局で相続登記を行うときには、申請時に提出しないといけない書類があります。

書類の名前、取得方法、取得にかかる費用をまとめましたので、以下をご確認下さい。

書類の名前 取得場所 取得費用 備考
被相続人の除籍謄本または戸籍謄本 最後の本籍地だった市区町村役場 戸籍謄本は一通450円
除籍謄本は一通750円
印鑑と本人確認書類が必要。
代理人の場合には、委任状と代理人の身分証明書が必要。
相続人全員の戸籍謄本 本籍地の市区町村役場 一通450円  印鑑と本人確認書類が必要。
代理人の場合には、委任状と代理人の身分証明書が必要。
相続人全員の住民票の写し 本籍地の市区町村役場  一通200~450円 印鑑と本人確認書類が必要。
代理人の場合には、委任状と代理人の身分証明書が必要。
法定相続人全員の印鑑証明
(3ヶ月以内のもの)
本籍地の市区町村役場  一通数百円
(自治体によって異なる)
 印鑑登録証(印鑑登録カード)、住民基本台帳カード、もしくは個人番号カードが必要。
代理人の場合でも委任状は不要。
遺言書や遺産分割協議書など
遺産分割の内容が分かるもの
手元  0円  遺言書の場合、検認した証明も必要。
相続関係説明図  自分で作成する
サンプル
 0円  戸籍謄本類の原本還付を希望する場合のみ
委任状  自分で作成する
サンプル
0円  代表相続人や代理人が手続きをする場合のみ
手続きをする人の身分証明書  手元  0円  免許証・マイナンバーカードなど

1つでも書類が欠けていると相続登記の手続きが出来ないので、すべての書類が揃っているかしっかり確認をしましょう。

3.必要な費用の確認

次に相続登記の申請に必要な費用を計算しましょう。

相続登記の申請に必要なのは、登録免許税登記簿謄本取得費用です。

まず、登録免許税とは相続に限らず不動産の名義を変更するときに必要な税金です。

相続による登録免許税は、固定資産税の評価額×0.4%で算出することが出来ます。

もし、家の固定資産税の評価額が2000万円だったとき計算は以下のように行います。

2000万円×0.4%=8万円

次に、登記簿謄本取得の費用は一つの物件につき600円です。

相続登記を行ったら、必ず最新の登記簿謄本を取得し、間違った記載がないかを確認する必要があります。

登録免許税は申請をする際に支払いが必要で、登記簿謄本取得費用は申請完了後の登記簿謄本取得時に支払います。

このように、相続登記の申請の際には登録免許税と登記簿謄本取得費用が発生することを覚えておきましょう。

3.登記申請書の3つの提出方法

最後に必要書類をすべて提出し、相続登記の申請を行います。

申請方法は、直接法務局へ行く、郵送する、オンライン申請するの3つの方法があります。

平日に法務局へ行ける人は直接申請がオススメ

平日8:30~17:15までの間に時間がある人は、直接法務局の窓口で申請しましょう。

窓口で相談することが出来るので、万が一誤りがあった場合にもその場で対応することが可能です。

申請当日には、必要書類一式登記申請に使用した印鑑を忘れずに持っていきましょう。

印鑑を持っていくのは、不備があった際に訂正印として使用するためです。

書類を提出した申請日に相続登記が完了はせず、通常1週間~10日ほど手続きに時間がかかります。

登録完了予定日には再度法務局へ行き、登記完了の書類を受け取って手続きは完了です。

登録完了後は登記事項証明書を取得し、内容に間違いがないかを確認するようにしましょう。

法務局へ足を運ぶ時間がない人は郵送での申請がオススメ

平日は仕事などで法務局へ行く時間がないという人は、郵送での申請をしましょう。

郵送を利用する場合、大事な書類なので書留郵便で送るようにして下さい。

また、返信用封筒と切手を同封することで登記完了の書類も郵送で受け取ることが出来ます。

その際には、登記申請書に「送付の方法により登記識別情報通知書及び登記完了証の交付、原本還付書類の返還を希望します。」という文言と送付先、申請者の住所を明記が必要です。

ただし、不備が見つかった場合には印鑑を持って直接法務局まで行かなくてはなりません。

十分に書類をチェックし、不備がない状態で発送するようにしましょう。

パソコンの操作に慣れている人はオンラインでの申請がオススメ

パソコンの操作に自信がある人はオンラインの申請が手軽でオススメです。

オンライン申請の利用時間は平日8:30~21:00までとなっており、法務局の窓口よりも長い時間利用が出来ます。

オンライン申請を利用する際は、以下の手順で手続きを行います。

(1)申請する環境を整える

オンライン申請する場合には、以下の環境が必要です。

インターネット環境のあるパソコン Microsoft Internet Explorerをいつも使うブラウザに設定する
PDFの電子署名プラグイン 国税庁ホームページにて確認
PDF処理ソフト 国税庁ホームページにて確認
 マイナンバーによる個人認証環境 ICカードリーダーライターなど

また、マイナンバーカードを取得し、必要書類はすべてPDFにします。

(2)ソフトウェアと操作手引書をダウンロードする

国税庁ホームページから、申請すためのソフトウェアと操作手引書をダウンロードします。

(3)操作手引書に従って申請を行う

申請の手順は操作手引書に詳しく記載されていますので、参考にしながら申請を行います。

(4)オンライン申請から2日以内に必要書類の原本を法務局へ持参もしくは郵送する

オンライン申請をする中でPDFにして必要書類を送信しますが、それらの書類の原本は法務局へ持参するか郵送する必要があります。

期限は2日となっていますが、どうしても難しい場合には事前に連絡をしておきましょう。

申請完了後、1週間~10日程オンラインでの証明書が交付されます。

また、郵送の場合とは違い、不備があった場合にもオンラインで修正することが出来るので、一切法務局へ行く必要なく手続きを終えることが出来ます。

ただし、パソコンの設定や電子証明書の取得などが手間だったり難しいと感じる場合には、郵送での申請にしましょう。

ここまでの手続きが「難しい!」と思ったなら専門家へ依頼しよう

家の相続の手続きに時間や手間はかかるものの、だれでも出来る手続きです。

しかし、ここまでの手続きが難しいと感じたり、手続きの時間がないという人は家の相続手続きのプロである司法書士へ相談することも出来ます。

相続登記ほかにも、遺言書の検認、預金の相続手続きの業務を司法書士に依頼することができます。

「でも、司法書士に頼むと報酬費用が心配」と言う人も多いはずです。

司法書士へ相続登記の代理の報酬費用は、1件あたり3~15万円です。

この報酬費用で、相続登記の申請手続きはもちろん、必要な書類の取得代行もしてくれます。

仕事で忙しい人にとっては、相続手続きのために市役所や法務局を何度も訪れることを考えると、多少費用がかかっても、司法書士に頼むことも一つの方法でしょう。

一方、相続財産がたくさんある場合には、税理士への相談も必要です。

税理士については、このあと詳しくお話します。

相続登記の完了後に確認したい2つのこと

「相続登記の手続きが終わった!」と安心しきっていませんか?

相続登記の手続きは終わっても、相続の手続きはまだ終わっていません。

ここからは、相続登記の手続きを追えてからもう一度、確認すべきことを解説していきます。

1つずつ見ていきましょう。

確認事項1.固定資産税の支払う人を決めておこう

被相続人が亡くなった年の固定資産税を支払う人を決めておきましょう。

基本的には家を相続した人が支払うことになりますが、被相続人が亡くなった年の固定資産税は法定相続人で平等に支払うという選択肢もあります。

また、兄弟2人の持ち家として相続した場合にも毎年の固定資産税の支払いの割合を決めておくことが必要です。

固定資産税の請求が来るのは翌年の3月~4月ですが、請求される前に誰が何割ずつ払うのかを決めておくと、あとあと揉めずに済みます。

確認事項2.相続税の申告が必要なのか確認しよう

相続税の申告が必要なのかを確認しましょう。

家の評価額だけで判断せずに、預金や保険金も含めて3,000万円以上の財産を相続する場合は、相続の申告が必要になるかもしれません。

万が一申告しないままでいると、後から何百万もの相続税が発覚し、トラブルに繋がる可能性があります。

必ず全相続遺産を調べて相続税申告が必要なのかを確認しましょう。

家の相続税対策!小規模宅地の特例を利用しよう

家の相続についての説明をしてきましたが、ここからは相続税についての話をしていきます。

もし、家や土地以外の相続遺産をすべて合わせて3,000万円を超えた場合、相続税が発生するかもしれません。

そんなときに利用できる小規模宅地の特例で、相続税が減額できる可能性があります。

小規模宅地の特例について詳しく説明していきますので、確認しましょう。

1.小規模宅地の特例とは

小規模宅地の特例とは、被相続人が住んでいた土地や事業をしていた土地において、評価額を80%または50%まで減額される制度です。

被相続人の住んでいた土地や事業をしていた土地は、相続人にとっても生活基盤となっている可能性が高いとされています。

ここから通常通りの相続税を算出すると、相続人の生活が困難になる可能性があるので、このような特別措置が設けられているのです。

しかし、この小規模宅地の特例を利用するには一定の条件を満たす必要があります。

2.小規模宅地が適用される条件

小規模宅地の特例が適用される条件は以下の通りです。

  • 相続前から被相続人または被相続人と生計を共にしていた親族の居住または事業のための建物であること
  • 相続開始から10ヶ月間、相続した宅地を利用していること

以上の2つの要件にあてはまれば80%もの減額率になります。

しかし面積の制限が決まっており、居住宅地の上限面積330平方メートル事業用宅地の上限面積400平方メートルです。

また、不動産の貸付や駐車場業の場合には貸付事業用宅地に該当するとされます。

貸付事業用宅地の場合には、減額率が50%となり、上限面積は200平方メートルとなるので注意しましょう。

上記の宅地の種類、上限面積、減額率をまとめると以下のようになります。

宅地の種類 上限面積 減額率
居住用宅地 330平方メートル 80%
事業用宅地 400平方メートル 80%
貸付事業用宅地 200平方メートル 50%

宅地の種類によって上限面積と減額率が変わるため、注意が必要です。

3.夫が死亡したときに小規模宅地の特例を利用した事例

上限面積を超えた場合、上限面積と対象宅地面積比率と減額率をかけたものが減額分となります。

例えば以下のような場合でシミュレーションをしてみましょう。

宅地の種類 居住用宅地
土地評価額 5,000万円
土地面積 500平方メートル

減額分=5,000万円×330/500平方メートル×80%=2,640万円

つまり、5,000万円ー2,640万円=2,360万円まで評価額を引き下げることが出来るのです。

相続税申告は税理士へ依頼しよう


「相続税申告が必要だ」「相続税申告の対象か分からない」という人は、税理士へ相談をしましょう。

税理士ができる仕事は大きく2つです。

1つ目は、相続財産額の算出です。

預金はその額がそのまま相続税評価額となりますが、不動産や株などが相続財産に含まれるときには評価額を算出する必要があります。

もちろん一般人でも不動産や株の評価額を算出することはできます。

しかし、不動産の評価額を算出するためには対象の不動産を管轄する法務局や市役所へ出向き、膨大な時間が必要です。

また、株の評価額算出にはさまざまな方法があり、どの算出方法が相続税を節税できるかなどの知識も求められます。

そもそも、相続財産の合計額が相続税申告をする必要があるかどうかを左右するため、不動産や株の相続財産すべての額を算出しなければならないのです。

少しでも知識に不安がある場合には、必ず税理士に頼ってください。

2つ目は、相続税申告の手続きです。

相続税申告では、正確に相続税の評価額と相続税を算出して申告する必要があります。

配偶者には特別に減税がされる配偶者控除制度など、相続税にはさまざまな控除制度があり、それらを適用させることで減税することが可能です。

これらの控除制度を適用させるためには幅広い知識がないとできません。

万が一、間違った控除をしてしまったり、計算ミスをした状態で申告してしまうと、申告虚偽とみなされることがあります。

また、申告後の税務調査の対象となった場合にも、申告時に税理士に頼っていれば税理士が立ち会ってくれるので安心です。

この記事を読んでいる方は、「相続をすること自体初めてだ」という人がほとんどだと思います。

必ず相続税申告の可能性があるのであれば税理士を頼りましょう。

「知り合いに税理士がいない」「どうやって税理士を探せばいいか分からない」という人は、税理士の紹介サービスを利用してみるのも一つの方法です。

相続マンモス

Q&A 家の相続についての疑問を解消しよう

最後に家の相続について、多くの人が疑問に感じていることをQ&A方式でまとめました。

確認をして、疑問を解消して下さい。

Q1.共有名義の家を相続する場合はどうすればいいの?

A.被相続人の持ち分は相続できますが、出来れば共有名義を解消しましょう。

家の共有名義とは、1つの不動産を2人以上が所有していることです。

家の場合だと夫婦で共有名義にしていたり、同居している長男と共有名義にしていることがあります。

この場合、被相続人の持ち分のみが相続人に分割される対象の相続遺産なのです。

しかし、共有名義は解消をして、1人の名義で相続登記することをオススメします。

そうしなければ、相続が発生するたびに共有者が増えていき、相続が細分化されてしまうのです。

また、家や土地を売却したいという場合には、共有名義となっている人全ての人の同意と捺印が必要です。

こうなると家や土地の処分をしたいときに簡単に処分できなくなってしまいます。

このような理由から、この相続を機会に共有名義を解消することがオススメです。

共有名義を解消する方法も相続登記の手続きと同じです。

Q2.相続した家と土地を売却するメリットはある?発生する税金もかかるの?

A.家と土地を現金に換えることができますが、印紙税や譲渡所得課税などが発生します。

相続した家と土地を売却して現金に換えることで、平等に相続人へ分割することが出来たり、相続税の納税に充てることが出来ます。

しかし一方で税金が発生しますので、注意してで売却を進めましょう。

税金は印紙税と譲渡所得課税に分けられますので、それぞれ確認していきます。

印紙税

印紙税とは、売買契約書に印紙を貼って納める国税のことで、不動産の売却時には必ず発生する税金です。

税額は契約金額によって異なりますので、以下の表にて確認して下さい。

契約金額 印紙税額
 500万円超1000万円以下   1万円
 1000万円超5000万円以下   2万円
 5000万円超1億円以下  6万円
1億円超5億円以下  10万円
5億円超10億円以下 20万円
10億円超50億円以下 40万円
50億円超 60万円

印紙税は売却時に必要となるので、注意しましょう。

譲渡所得課税

譲渡所得課税とは、家と土地を売却したことによって得た利益に対して課税され、所得税と住民税がかかります。

課税対象は売却によって得た利益なので、不動産業者を通したりして諸経費がかかった分は差し引くことが可能です。

また、保有期間が5年を超えるとき「長期譲渡所得」、5年未満のときは「短期譲渡所得」とよばれ、税率が変わります。

長期譲渡所得 短期譲渡所得
所得税の税率 15% 30%
住民税の税率 5% 9%

相続した家や土地を売却した場合の保有期間は、被相続人が取得した日から売却した年の1月1日までで計算します。

このように、家や土地を現金にして相続するメリットは多くあるものの、大きな税金も発生することを覚えておきましょう。

Q3.不要な家の相続を放棄する方法ってあるの?

A.相続放棄の手続きを行うことが出来ますが、管理責任だけが残ってしまいます。

相続放棄の手続きは被相続人が亡くなってから3ヶ月以内に行う必要があります。

手続きは、裁判所に相続放棄申述書と必要書類を提出し、郵送される照会書面を返送し、最後に相続放棄申述受理通知書を受け取ることで完了します。

詳しい手続きについては『相続放棄の手続きはどんな流れ?簡単に覚えよう!』にて解説していますので、ご確認ください。

しかし、相続放棄をしたからといって手放した家や土地と無縁になるわけではありません。

実は、相続放棄をした相続人は、他の相続人や相続財産管理人が不動産を管理できる状態になるまで管理しなければならないという義務が発生します。

例えば、長年放置され腐敗した家屋が近隣の住宅へ被害を与えてしまうと損害賠償金を請求されてしまうのです。

このように家を相続放棄をしても、管理責任が残ってしまうのであまり効果的とは言えません。

不動産の相続放棄について、『相続放棄をしたら解決?実はそうじゃない相続不動産と管理責任の問題』にて詳しく解説していますので、ご確認ください。

まとめ

家の相続をする相続登記の手続きは、時間があれば自分で完結させることが出来ます。

しかし、不動産の評価額算出や相続税申告が必要な場合には迷わず司法書士や税理士に頼ることをオススメします。

しっかりと自分でできることと、お金をかけて依頼すべきことを把握し、スムーズな相続をしましょう。

相続マンモス