日本には日本独自の文化があるように、他国には他国それぞれの文化があります。

漫画本などで海外の綺麗なドレスや社交界の華々しさ、民族衣装の可憐さなどを目にしては「素敵だな」なんて思うことはないでしょうか。

確かに日本にない海外それぞれの国独自の文化は目を惹くものがあります。

しかし、文化が違えば歴史が違い、歴史が違えば考え方まで違います。

海外にご友人のいらっしゃる方は、

  • 「友人と話がかみ合わないぞ?」
  • 「私たちの笑いが通じていないかも」
  • 「まったく別のことで怒っている気がする」

なんて不思議に思うことはないでしょうか。

歴史が違えばそこにある価値観が違ってくるわけですから、そうした違和感を抱くことも仕方のないことかもしれません。

そして、価値観が変わると、法律も違ってきます。

法律が異なるとそれぞれの国の法律を元にした制度そのものが違ってきます。

今回は■①■と■②■の記事に引き続き、日本人がよく足を運ぶ海外の国々の相続制度について見てみましょう。

 

日本の相続は裁判所を通すことが少ない?特徴

■①■と■②■の記事では、ほとんどが「相続は裁判所主導で行われる」手続きでした。

日本の場合は裁判所で相続の手続きをするとなると

  • 「相続放棄するの?」
  • 「もしかして・・・遺産相続で揉めているの?」

という印象があることでしょう。

しかし、海外の国では裁判所で相続の手続きをすることが当然と考える国も決して少なくありません。

今まで見て来た国々の事情を考えると、むしろ日本の相続事情の方が変わっているという印象を抱いてしまいます。

諸外国の方が日本の相続制度を耳にしたら「え、日本の人は特定の手続きや相続で揉めた時以外は裁判所で相続しないの?」とびっくりするかもしれません。

引き続き、他国の相続制度について見て行きましょう。

国際化社会と言われ色々な国に足を運ぶ機会があります。

海外への移住も決して他人事ではありません。

自分が移住しなくても親族がするかもしれません。

だからこそ海外の相続制度について簡単にでもいいので知っておきましょう。

 

法務省で海外の相続データを公表!簡単に覚えよう

各国の相続についてご紹介する前に少しだけ余談です。

法務省ではいくつかの国について相続制度の報告書をまとめて公開しています。

それぞれの国に足を伸ばす時は、

  • お金
  • 物価
  • 治安

などを確認する人は多いのではないでしょうか。

しかし、なかなか相続まで思い至って情報を確認するという人はいないかもしれません。

海外に行く時に相続の情報を見るなんて縁起が悪いと考える人もいるかもしれないですね。

しかし、滞在が長期に渡り、相応の資産を持ち出すなら、いずれにしろ何らかの手続きは必要になることでしょう。

せっかくなので相続もそうした手続きとともに「財産に関する制度」と考えて知識を深めてみるのはいかがでしょうか。

また、近年は投資が盛んになり、海を越えて不動産や債権、株式に投資する人がたくさんいます。

参照:
http://www.moj.go.jp/

 

海外の相続はどうなっているの?イギリスとフランス

日本で相続が発生し、

  • 司法書士
  • 弁護士

に相談すると、まずは戸籍を確認しましょうという話になるのではないでしょうか。

これは、戸籍を辿ると相続人が誰かわかるということでもありますし、手続きのために戸籍が必要になることが多いためでもあります。

必要書類さえ集まって必要な手続きさえできれば、日本ではほとんど裁判所の出番はありません。

相続手続きで裁判所を介する方が少数派なのではないでしょうか。

 

イギリスの相続は?

しかしイギリスは違います。

イギリスでは相続が発生するとまずは裁判所で手続きをすることになります。

日本の相続では被相続人の死の瞬間に遺産相続が発生する仕組みになっています。

しかしイギリスでは裁判所で正当な手続きを経てはじめて相続が行われるという仕組みになっています。

  • 遺言書があれば遺言書の確認を含めて手続き
  • 遺言書がなければ遺言書がない場合の手続き

を行います。

裁判所できちんと手続きを済ませ、許可証をもらってその許可証を銀行に提示することにより預金などの手続きを行います。

ただ、考えなければならないのは、

  • 財産が各国に分散している場合
  • 相続人がイギリス国籍なのか日本国籍なのか、あるいはもっと別の国籍の相続人もいるのか

など、それぞれの相続ケースにおける個別の事情です。

国と国をまたいでの相続では個別のケースで必要な書類や最優先すべき手続きなども変わってきます。

それぞれの国に財産を有していて相続が起きたという場合は、それぞれの国の法律に深い見識を持つ、

  • 法律家や税理士
  • あるいはそれぞれの国の専門家とパイプを持った事務所

を頼り、まず何をすべきか教えてもらうのが一番でしょう。

「まずは裁判所に行けばいいのか」と簡単な気持ちで進めてしまうと、必要以上に時間がかかったり、必要書類の準備に戸惑ったりする可能性があります。

参照:
http://www.souzoku110.info/

 

フランスの相続は?

フランスの遺産相続も日本とはまったく異なっています。

日本の法律では、遺産相続において配偶者は第一順位の相続人となります。

配偶者が亡くなって遺された配偶者(妻もしくは夫)が生活に困らないようにとの配慮が理由の一つであると言われます。

また、子供も相続人として配偶者と同じ第一順位の相続権を持っています。

これらは遺言である程度、被相続人の希望を相続に反映させることができるのですが、

もし赤の他人や他の第一順位より順位が下の相続人に遺産を全て渡そうとしても、配偶者や子供には遺留分(必要最低限の遺産相続分)があるため、遺留分を主張すると基本的に遺留分に関しては遺産を配偶者や子供が取得することが可能となっています。

これらのことから考えると、日本の相続はとにかく「配偶者や子供の保護に厚い」ということができるのではないでしょうか。

しかし、フランスは違います。

フランスの場合は基本的に相続に関し遺言で指定を行い、配偶者への相続を行うことになります。

日本のように法律で優遇されているというわけではありません。

これは、フランスが日本より結婚に対しシビアな視点を持っているからかもしれないですね。

フランスは同棲が盛んな国で、家族になることに対し日本とは違った考え方を持っています。

日本では法律上で結婚した配偶者は相続によって保護されている状態ですが、

フランスは結婚の考え方の違いにより相続によって自動的に配偶者が厚遇されるということはないようです。

参考になるフランスの相続、そして生活の記述を発見しました。

参考になる記事ですので、一読してみてください。

参照:
http://monpetitchou.jugem.jp/

フランスの場合も日本と相続制度や考え方が異なっています。

だからこそ、フランスの法律に深く通じている法律家を頼り、相続の個別事情を話した上で手続きをお願いした方が安心かつスムーズに進むことでしょう。

 

最後に

海外の相続制度についてご紹介しました。

こうやって色々な国の相続制度を見てみると、日本の相続に親しんでいる人にとっては「意外」「海外はぜんぜん違う」という印象があるのではないでしょうか。

海外の相続では日本以上に相続では裁判所がキーポイントになるという印象です。

  • 海外に資産のある方
  • 海外に移住しようと考えている方

は、ただ生活の居を移す準備だけでなく、

自分がそちらに生活を移し金融資産を他国に持ち込んだ結果、相続はどんなふうに変わって来るのかをよく考えた方がよさそうです。

また、海外で不動産を取得する場合も、その不動産も相続の対象になるということを考えておいた方がよさそうです。

相続で海外の国が絡む場合は、早めに海外事情に通じた税理士や弁護士に相談するのをお勧めします。

それぞれの国の事情に通じたコーディネーターなどにも相談しておくといいでしょう。