日本では現在、空き家が大問題になっています。

これは相続記事なのにどうして空き家?

と思うかもしれません。

一見関係ないように思われる二つの問題は密接に関係しています。

なぜなら、空き家は不動産。

不動産は相続の対象になる財産だからです。

今回は空き家問題を受けて、どのように相続対策をすればいいのか?

について、基礎知識を解説していきます。

いざ相続が始まってからで対策は十分!

そんな甘いことを考えていませんか?

空き家対策は相続が始まってからでは遅いかもしれないですよ。

 

空き家問題と相続は因果関係大!?不動産相続

日本で大きな問題になっている空き家問題。

十代や二十代の方は老後の問題として真っ先に年金問題を挙げるかもしれません。

しかしこの空き家問題、実は

  • 若い人
  • そして子供のいる父母
  • 祖父母

にこそ考えてもらいたい問題です。

なぜなら、祖父母の相続をするのが父母、父母の相続をするのが子供だからです。

日本は特に家の基盤といえば不動産ですから、祖父母が購入した不動産が父母の世代に相続される可能性が高いです。

しかし父母がその不動産を不要なのに持ちっぱなしにしていると、今度は子供の世代に相続されます。

バブル時代は不動産を持っていればまさに「財産」でした。

しかし時代は変わり、私たちは不動産というものについてもう一度きちんと考え直さなければいけない転換期にいます。

不動産は今や財産という側面だけでなく、時に「負動産」とさえ皮肉を言われる存在になりました。

不動産を子供や孫に遺産相続させれば、それだけで「財産を渡した」ということにはなりません。

場合によってはかえって子供や孫を苦しめ、困窮させてしまう可能性があるということです。

不動産は上手く相続対策ができれば不動産であり財産。

しかし相続対策を失敗すれば負動産。

このことを忘れないようにしましょう。

まず、負動産にしないために、どんなことをするべきなのでしょうか。

相続対策をするとしたら、どんな対策をすればいいのでしょうか。

 

不動産を負動産にしないための相続対策とは

不動産の相続対策にはいくつかの方法があります。

もちろん、空き家問題に繋げないようにという意味で、これらの対策がとても重要になります。

  • 生前に処分することを検討
  • 相続人が不動産を売却しやすくしておく
  • 家族での話し合い

以上の三つの方法について考えてみましょう。

 

いらないなら寄付できないの?という疑問

なお、不要な不動産の処分方法として寄付を考える方もいるようです。

確かに団体や自治体に寄付してしまえば不要な不動産を簡単に手放すことができますね。

しかし、よほど活用しやすい不動産でなければ自治体や団体も「いりません」というお断りの言葉を口にすることでしょう。

実際に自治体や団体へ相続した不要な不動産の寄付を持ちかけて断られた、という話がいくつもあります。

自治体にとって不動産を所持する人から得られる固定資産税は重要な財源です。

自分で不動産を所持してしまっては税収が得られなくなってしまいます。

また、「いらない」という理由で不動産を寄付されても困りますよね。

団体や国、自治体も同じです。

また、欲しがっている人へ「うちはいりませんからタダでもいいので差し上げます」という贈与自体は検討の余地があります。

ただし贈与はあげた側に金銭が入るわけではありませんし、税率の高い贈与税の問題を避けて通ることはできません。

誰かへの贈与を考えるのであれば、

  • 受け取ってくれるのか
  • 贈与税

の二点についてよく考えておきましょう。

参照:
http://www.mof.go.jp/

 

1、家族での話し合い

では、ここからは具体的に不動産を、

  • 空き家問題
  • 負動産

に発展させないための相続について考えてみましょう。

対策は早ければ早いほど解決へ繋がることでしょう。

そのためにはまず、不動産をどうするか?

どうしたいか?

について家族で話し合っておくことが大切です。

生きているうちに相続の話をするなんて不吉なことだと怒る人もいるかもしれません。

しかし、相続の対象になるのは自分が人生の中で培った財産です。

財産は集めることだけが重要なのではありません。

  • どう使うか?
  • どう処分するか?

も重要になるのです。

例えばAさんは給与で収入を得て、こつこつと貯蓄していました。

貯蓄自体は推奨できることです。

しかし、

  • 使いもしない
  • 将来的にどうするかもわからない
  • 目的なし

という貯蓄に意味はあるのでしょうか。

この貯蓄を老後の生活資金にするという確固たる目的があってこその貯蓄です。

何かあった時のために、念のために、という考えも立派な目的です。

このように財産はただ持っているだけでなく、目的や処分を考えてこそです。

「使う」ということを前提に所持するからこそ財産には意味があるのではないでしょうか。

また、自分の財産であるなら、処分についてきちんと責任を持つことが大切なのではないでしょうか。

現在の不動産や相続の現実を見てみると、不動産を手に入れても

  • その後のこと
  • 処分

について考えていない方が見受けられます。

自分の世代では不動産を運用していたとしても、いずれその不動産は子供や孫世代に相続されることになります。

その時、子供や孫が同じように運用したいと考えるとは限りません。

マイホームを手に入れたとしても、子供や孫世代が同じように住むとは限りません。

手に入れたと同時に処分について考えておくことは、自分で自分の財産に決着をつけるという意味で大切なことではないでしょうか。

後は野となれ山となれ。不動産は手に入れたけれど処分は子や孫にお任せ。

これってどうなのでしょう。

相続人になりうる

  • 子供
  • 配偶者

「今後も不動産は使うのか」についてよく話し合っておきましょう。

 

2、生前処分

もし話し合いの結果、相続人になりうる人たちが

  • もらっても困る
  • いらない
  • 活用の予定はない

ということであれば、生前に売却してしまうことも検討してみてください。

不動産を相続したら困るという相続人も、現金であれば相続の余地はあるのではないでしょうか。

不動産は早く売却に動けばその分だけ経年劣化も少ないですし、多くの人が広告を見てくれます。

早く動いた方が売りやすいといえるでしょう。

ですが、現実に自分が住んでいる家を売ってしまうということは、生活に困ることもあるということです。

なので、もし現時点で相続人が「不動産を相続しても困る」と言っていても現段階で売却に動くことができないなら、

せめて売却しやすくしておくことが大切です。

 

3、売却しやすくしておく

では、具体的に売却しやすくするとはどんなことを指すのでしょう。

不動産屋に声かけしておくということも考えられるのですが、

具体的に売却する時期がわからないとなると不動産屋も動くに動けません。

そこで、相続後の売却を考えて先にしておきたいのは登記簿のチェックです。

実は、相続してから

  • あれ、うちの不動産だと信じていたら人の物だったぞ
  • 変な権利が付着しているぞ

ということがないように、相続前に登記簿のチェックをしておきましょう。

よくあるケースとして、相続後に売却したいのに抵当権が付着しており、売却したいのにできないというケースです。

抵当権を簡単に説明すると「借金のかた」で、住宅ローンの借り入れなどの時に担保として不動産に設定します。

基本的に住宅ローンの借り入れで設定した抵当権は返済によってきちんと抹消されることがほとんどですが、

個人間の貸し借りの場合、抵当権をそのまま放置してしまうというケースが見受けられます。

抵当権の付着した不動産は基本的に売却をお断りされると考えるのが妥当です。

そこで、相続人が売却で困らないように、登記簿で自分の不動産に妙な物権が付着していたら、きちんと抹消しておくようにしましょう。

これだけで相続人は不動産処分がやりやすくなります。

登記に関しては司法書士が専門になりますので、自分の所有している不動産の登記記録を相続前に見てもらうといいでしょう。

 

現金がないと大変?税金対策を

また、不動産に付着している抵当権などを処理しておくことと同時に、現金を用意しておくこともとても大切なのです。

相続後に不動産を売却するとしても、売却までの期間はどうしても固定資産税などの税金を相続人が負担しなければいけなくなります。

不動産自体も財産ではあるのですが、売却できない(換金できない)のであれば、

最終的に相続人が不動産の税金を自分の資産から拠出し続けるという問題があります。

また、固定資産税の負担だけでなく相続税の税負担も考えておかなければいけません。

相続税などは一応、

  • 分割払い(延納)
  • 物で納める(物納)

という制度もあるのですが、基本は一括払いです。

固定資産税も分割で請求されることになるのですが、お金できちんと都度払い込まなければいけません。

現金の準備がないと相続人がまさに負動産を背負い込むことになります。

不動産を最終的に相続人の処分に任せるということであれば、なるべくセットで現金を準備しておきましょう。

参照:
http://www.tax.metro.tokyo.jp/

 

最後に

不動産の相続は、今や「財産が手にはいるならラッキー」ではなくなりつつあります。

かえって相続によって不動産貧乏になる可能性もあり、相続人にとって時に頭の痛い問題になります。

一国一城の主になるのは素晴らしいこと。

その不動産を手に入れるために多くの苦労があったことでしょう。

不動産投資を勧められ、ではやってみるかと考えるのも決して悪いことではありません。

しかし、

  • いざという時にその不動産をどうするか?ということ
  • 相続の時にどうすべきか?ということ

も考えてみてください。

手に入れることと同時に将来的な処分計画もしっかり練っておきましょう。