家族が亡くなった時に、相続は避けて通れない問題です。
特に家屋や土地に関する部分は、
- 現金と違い相続人で分けにくいこと
- 高額なことからトラブルになりやすい
という問題があります。
さらに、相続の手続きも役所回りをして、書類を揃えるものも土地や家屋の場合より多くの手間がかかります。
相続は難しそうで不安!
という方のために、土地や家屋の相続がどうすればスムーズに進むのか今から見ていきましょう。
土地家屋、相続をスムーズに進めるために
土地家屋の相続をスムーズに進めるためには、書類を集めることが大事になります。
まずは相続人がどれだけいるか、故人(被相続人)が生まれてから死ぬまでの戸籍を取り寄せます。
これは例で言えば、
- 故人に隠し子がいた。
- あるいは兄弟姉妹が相続人になる状態で亡き父に故人や相続人が知らない子供(兄弟)がいた。
というようなことがあるからです。
さらにその当人である証明として印鑑証明が必要となります。
また、相続人の話し合いや遺言で、法定相続配分と違う相続が起こる場合、それを証明する書類が必要とされます。
ここまでは、相続財産が預金でも必要ですが、家屋や土地にはさらに書類が必要となります。
- 故人名義の土地
- 家屋の登記の名義
- 価格がわかる書類
です。
相続をスムーズに進めるには、それらの書類を速やかに揃えることが大事であると言っても過言ではありません。
では、次は相続の際にどんな書類が必要で、どこで入手できるか細かく確認していきましょう。
必要書類はこれ!土地家屋の相続
故人の生まれて死ぬまでの戸籍謄本
故人の戸籍謄本は除籍謄本とも言われ、故人の本籍地の市町村役場で入手できます。
ただ、本籍地が生存中に転籍していると、複数の場所にまたがって戸籍がある場合があります。
まず、故人の戸籍謄本をとる場合は、相続のため出生から死亡の分が必要と伝え、出た戸籍謄本も揃っているか確認して、無ければその前の場所から戸籍謄本をとりましょう。
郵送でもとれるので、市町村役場に確認してみましょう。
故人の住民票の除票
故人の住民票所在地の市町村役場でとれます。
相続人全員分の住民票
相続人在住の市町村役場、地域によってはマイナンバーカードがあればコンビニでもとれます。
相続人全員分の印鑑証明書
相続人在住の市町村役場、地域によってはマイナンバーカードがあればコンビニでもとれます。
土地や家屋の固定資産評価証明書
土地や建物が存在する市町村役場でとれます。
土地や家屋の登記事項証明書
いわゆる登記簿謄本、全部事項証明書が必要となります。
全国の法務局でとることができ、インターネットで取得も可能です。
土地や建物の所有者や、住宅ローン他の借金による抵当権設定の有無がわかります。
遺産分割協議書
家屋や土地、預金等を話し合いで配分する際には、遺産分割協議書が必要となります。
遺言書がある場合や、法定相続通りに分ける場合は不要です。
遺言書
故人の意志で、誰に財産をどの配分で残すかを書いた書類です。
ある程度決まった様式があり、公正証書遺言以外は、相続の際には家庭裁判所での検認が必要となります。
遺言書の検認済を示す証明書
遺言書がある場合、家庭裁判所に一旦出して、日付や内容を確認してもらう検認という作業を受ける必要があります。
遺言書がその後改造されたりしていないかの証明書が発行され、開封時にいなかった相続人に内容を通知されることとなります。
ここまでが、家屋や土地を相続するに当たって必要とされる書類になります。
では書類だけあれば相続できるのでしょうか?
実は土地家屋の相続は、名義変更して名実ともに手に入れるには、税金というお金を納めなければ進まないのです。
では、スムーズに相続を進めるために、続けてその税金について見ていきましょう。
家屋や土地を相続する時の税金は?
家屋や土地の相続に際しては、預金と違いかかる税金がいくつかあります。
最初に登記名義を変えるだけでも、税金を払う必要があります。
また、相続した土地が高額でラッキーと思っていたら、相続税が多すぎて払えず結局土地で税金を納めることになるということもあります。
そういったお金を用意して相続に臨むために、土地や家屋の相続にかかる税金を確認していきましょう。
登録免許税
相続で最初にかかる税金としては登録免許税があります。
それは土地や家屋の名義を変える登記手続きの際に必要なもので、物件の固定資産評価額の1000分の4の登録免許税を払います。
相続税
これは、預金や土地家屋、相続財産のトータルでかかる税金です。
まず、税金を計算する基礎から差し引く控除額が法定相続人の数によって変わります。
控除額の基本の計算式が下記になります。
財産を相続したとき(国税庁ホームページ)
参照:https://www.nta.go.jp/
相続財産から基礎控除額を引いた額から、相続税の計算は始まります。
基本、基礎控除額より相続財産が小さければ相続税はかからず、申告も必要ありません。
ただ、相続財産の場合、他に考慮すべき事柄がいくつもあります。
- 養子は沢山いると全てが相続人にならない場合
- 故人が生前に贈与した財産があるかどうか
- 扱いの違う保険金や非課税の財産
もありややこしいです。
また相続額によって税率が変わります。
詳しくは国税庁のHP等で確認をする。
もしくは、相続税の申告と納税は被相続人が亡くなった事を知った翌日から10か月以内に必要なので、
税がかかりそうな場合は最初の計算から税理士等の専門家に依頼するのも、安全確実に終わらせる方法となります。
その他かかる税金
相続した土地や建物の評価を元に、固定資産税や都市計画税が取得後にかかってきます。
ただ、土地を買ったりもらったり家を建てたりした時にかかる不動産取得税は、相続時精算課税制度を利用した場合を除き、相続の時は基本非課税となっています。
税金の計算に使う家屋や土地の評価額は?
登記の際の登録免許税は家屋や土地の評価額は、市町村で発行してくれる固定資産評価額を使用します。
これは固定資産税の計算基礎でもあります。
ですが、相続税の場合は家屋の方は他と同じ固定資産評価額というものを使いますが、土地は路線価というものを計算に使います。
これは時価に合わせて年毎に変動していきます。
国税庁のホームページで路線価は見られますが、わからない場合は無理をせず、税の専門家へ依頼するようにしましょう。
迅速にしよう!土地家屋の相続手続き
土地家屋の相続手続きはできるなら、早めに行いましょう。
何故ならまず相続放棄は、被相続人(故人)の死亡を知った日から3ヶ月と期限があり、家庭裁判所に届ける必要があるからです。
財産には
- もらってうれしい預金や土地といったプラスの財産と
- 借金や連帯保証人の地位等のマイナスの財産
があり、早めに相続財産の把握は必要となります。
さらに、相続税は故人の死を知った翌日から10か月以内に申告と納税をせねば、余分に延滞税等がかかってきます。
また、遺産分割協議が皆納得済で終わっても、土地家屋の相続は、登記に費用がかかったりするので、先延ばしにしてしまうことがあります。
実は家屋が故人の名義のままでも、そのまま住めてしまったりするのです。
ただ、その間に遺産分割協議に参加した人の中で、亡くなる人が出てくることがあります。
そうすると、登記に必要な遺産分割協議書が、再度さらにその相続人との話し合いからやり直しになり、登記を変えることが難しくなり売ることもできない状態になるのです。
そのため土地や家屋の相続手続きは、費用と手間はかかりますが、できるだけ早く終えることが大事になるのです。
まとめ、土地家屋の相続は大変!
相続人同士の話し合いに始まり、
- 書類集め
- 役所回り
- 登記や税の専門家の士業への依頼
大変なことが山積みです。
ですが、逆に手間を減らすために、費用はかかっても書類集めから司法書士等に依頼することもできます。
また、遺産分割協議書にしても、書き方次第では無効になることがありますので相談し作成することができます。
失敗すれば余分に税金が掛かる場合もあります。
書類作成の手間がかかる土地や家屋の相続、大変だと思ったら早めに専門家にお願いするのも大事な選択肢なのです。
土地家屋の相続に関してご参考になりましたでしょうか?
お役に立てましたら幸いです。